授業詳細

CLASS


なごやのたからものツアー Vol.3
 みんなでなごやのたからものさがし
  〜名古屋市役所見学〜

開催日時:2011年06月11日(土) 10時00分 ~ 12時00分

教室:名古屋市役所本庁舎

レポートUP

先生: 渡邉一紀 / 名古屋市東京事務所次長

カテゴリ:【まち歩き】

定 員 :20人

.※1:本授業の抽選は2011年6月2日(木)に行います。(抽選予約受付は6月2日(木)13時までとなります。)
※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2011年6月9日(木)18時まで、先着順でお申し込みを受付いたします。
※3:9時30分より受付を開始しております。



大ナゴヤ大学のメンバーが製作に取り組んだなごや案内本『なごやのたからもの』。
その発売をきっかけに発足した「なごやのたからものプロジェクト実行委員会」が行う
なごやのたからもの探しツアー授業。4月に行った「文化のみち」、5月の「揚輝荘・覚王山」と、過去2回開催したツアーは、おかげさまで大好評でした。
待望の第3回、次のツアーはどこ?・・・と、みなさんの期待が高まるなか、
今回、特別に「名古屋市役所・本庁舎」を見学させていただくことになりました!

今から80年近く前、昭和天皇の即位を記念して建設が決まり、昭和8年に完成した
「名古屋市役所本庁舎」は、当時の流行でもあった洋風の建物に和風の屋根を載せた
「帝冠様式」が特徴の、趣ある建築。
大戦中にも戦禍を逃れた貴重な建築は今も健在です。

正面玄関や廊下、階段などの共用部は市民のだれでもが自由に見学できますが、
今回の見学ツアーでは屋上や時計塔の内部、また貴賓室など普段なかなか
足を踏み入れる機会のない場所にも案内していただけることになりました。
ガイドをしてくださるのは、市役所の案内ならこの方の右に出る者はいない、という
ほど市役所の歴史に詳しい名古屋市東京事務所次長の渡邉一紀さん。
独特の名調子で楽しく案内をしてくださいます。

今回は、名古屋市の管理係職員さんの中から新たなガイド役を養成する目的で行う
研修も兼ねているため、大ナゴヤ大学の生徒さんは、未来のガイドさんのために
市民の代表として参加していただけたらと思っています。
知りたいこと、聞きたいことも遠慮なくどんどん質問してください。
自分の町の市役所。身近な存在なのにあまり知らなかった魅力=「なごやのたからもの」をたくさん見つけてくださいね!


【授業の流れ】
9:30 受付開始 (集合場所:地下鉄市役所駅 番出口付近)
9:50 ガイダンス〜本日の授業について
10:00 先生紹介〜市役所見学スタート
11:00 会議室で各自自己紹介と感想一言
11:40 まとめ〜アンケートタイム
11:50 終了 

■ なごやのたからものプロジェクト実行委員会Webサイト
 http://nagoyatakara.com/

※よみもの、美しき市役所 

(授業コーディネーター/佐藤嘉宏・谷亜由子)
文筆家・甲斐みのりさんと大ナゴヤ大学スタッフが手がけた『なごやのたからもの』の中から、
選りすぐりのたからものスポットを巡る「なごやのたからものツアー」。
文化のみち、覚王山・揚輝荘ときた三部作のトリを飾るのは、名古屋市役所・本庁舎です!

「名古屋市役所ってどんな建物?」と聞かれて、答えられない名古屋市民はあまりいないでしょう。
昭和の面影を色濃く残したレトロな洋風の建物と、その上にちょこんと載った和風の瓦屋根。
帝冠様式と言われる和洋折衷のあの姿がスッと思い起こされます。
ですが、「名古屋市役所の中ってどうなってるの?」と聞かれたら・・・。

今回、ツアーのガイドをしてくださったのは、名古屋市職員として勤続20年以上になる渡邉さん。
まず最初に案内されたのは、普段から自由に見学できる玄関ホール。
ここで、本庁舎の歴史についてお話いただきました。
フロアや階段に使われている山口県産の大理石「小桜」は、国会議事堂と名古屋市役所にしか使われていないそうで、
よく見ると海ユリやフズリナ、サンゴの化石が埋まってるんですって。

本庁舎の基礎知識を学んだら、中央階段を5階まで登って、いよいよここからがツアーの本番。
普段、一般市民はおろか職員ですらなかなか入れない場所に潜入です。

階段を上がった先にあるのは、時計塔をすぐ下から見上げることができる屋上。
名古屋城が目の前に見えるのですが、新緑の森の中にお城が佇む姿が見られるのはここからだけ。
市長もここから見る名古屋城が一番お好きなのだとか。
戦時の痕跡も至るところに残っていて、歴史を間近に感じられる場所でもあります。

次は、さらに細い階段を登って、時計塔の最上階へ。
「某アニメのワンシーンのような、歯車ぎっしりの時計塔内部を想像するとガッカリしますよ」と渡邉さんの言うとおり、
内部は小ぶりなモーターしかない、至ってシンプルなお部屋でした。
昭和44年までは鳩時計と同じ仕組みで動く振り子式の時計だったそうですが、
現在では最新の電波時計となり、間違いのない時を刻んでいます。
ちなみに、振り子の装置は今も時計塔に残されていて、市内の時計屋さんの見立てでは「まだ動く」んだとか!

時計塔を下り、次に向かったのは「正庁」と呼ばれる大きなホール。
大きなシャンデリアや窓にかかった重厚なカーテン、どっしりした調度品は洋風ですが、
上に目を向けるとお寺などでよく見かける格天井。内部もやはり和洋折衷でした。
渡邉さんや一緒に回ってくださった総務課の浅野さんは、このお部屋で辞令交付を受けたそうです。

そして、大切なお客さまをお迎えする貴賓室へ。
市役所の中でももっとも出来た当時のままに残っている場所なんだそうです。
それほど広くはないけれど、毛足の長い絨毯や座り心地の良さそうなソファ、意匠を凝らしたシャンデリアなど、
随所に品を感じるステキなお部屋でした。

ツアーも終盤に近づき、入ったことはないけれど目にする機会は多い場所へ。
まずは、ニュースでよく見る名古屋市会本会議場。
全国的にも珍しい円卓議場には、「市政が円く治まるように」との願いが込められています。
話題に事欠かない市政とあって350席ある傍聴席はいつも満席。立ち見はできないそうです。

そして、数々のドラマや映画などのロケ地として使われている2階の中央廊下。
整然と並んだ茶と黒のタイル張りの壁に外光があたってできる影が、何とも言えない渋い雰囲気を醸し出していました。
映画『笑の大学』のロケで使用した三谷幸喜監督もこの場所がお気に召したようで、
次回作『ステキな金縛り』の撮影には、この場所をモデルにしたセットを製作したそうですよ。

最後の最後は、市長が定例記者会見を行なう第一会議室。
ここで、誰よりも市役所のことに詳しい渡邉さんへ、参加者の皆さんから次々と質問が。
・議場は議会以外に使うことはあるの?(ないです。議場は選挙で選ばれた特別な人しか入れない場所なので。)
・今日みたいな見学ツアーはやらないの?(ゆくゆくは行ないたいと思っています。)
・議場に一番近いトイレはレッドカーペットが敷かれてるって噂は本当?(そんなことはないです。)
・地下に秘密の抜け道はないの?(免震工事の際掘り起こしましたが、残念ながらありませんでした。ただ、建設時の工事跡が多数見つかり、当時いかに突貫工事だったのかが窺われました。)
・ライブカメラをやってほしい。(2001年に1年間だけやってみたら大変好評でした。都合がついたらまた行ないたいです。)
・ロケ地情報を知りたい。(名古屋観光コンベンションビューローHPで公開しています。)

参加者の皆さんが思い思いのポイントで熱心に写真を撮っている姿を見て、
市役所は、まさに「みんなでなごやのたからものさがし」にふさわしい場所だなぁと思いました。
私自身今回初めて市役所の中を見学して、外観だけでなく内装もこんなにステキで素晴らしいことに感動しきり。
(心ひかれるポイントがたくさんあったのに、カメラを忘れたことが本当に悔やまれます。)
古い建物なので、実際に働いている職員の方々は何かとご苦労も多いでしょうが、
なごやのたからものとして、これからもずっと今のままの姿で残っていってほしいです。

『なごやのたからもの』に端を発した授業はこれでおしまいとなりますが、
なごやのたからものプロジェクト実行委員会によるたからさがしはまだまだ続くそうなので、これからも楽しみです♪
次は、ぜひ愛知県庁を見学したいなぁ。

(ボランティアスタッフ はぎわらひろこ)

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. 森に包まれた名古屋城。素敵でしたね。
ありがとうございました。
2011年06月14日(火) 5時22分(shisyun)
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ウミユリも 役まわり所に 子桜舞う  このたびは、大ナゴヤ大学の「なごやのたからものツアーVol.3 みんなでなごやのたからものさがし~名古屋市役所見学~」授業に出席でき、いたく感謝しております。話によりますれば、応募者数の中から抽選で当たったのはえらいことで、
2011年06月14日(火) 5時16分【空想俳人日記】

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先生

渡邉一紀 / 名古屋市東京事務所次長

現:名古屋市東京事務所次長 長年、名古屋市役所で庁舎管理を担当。

今回の教室

名古屋市役所本庁舎

住所:名古屋市中区三の丸三丁目1-1
地図を見る

名古屋市役所本庁舎は、天皇御大典事業として建設。
外観設計は懸賞募集で公募され、隣接する愛知県庁と共に帝冠様式の代表作。
高さ53mの中央塔の上部に二層の屋根を付し、最上層の四注屋根先端に四方にらみの
シャチをのせて、名古屋城との調和を図っている。市政を丸く治めようと正面奥には
珍しい円卓議場(名古屋市会本会議場)がある。