授業詳細

CLASS


「カルタで遊んでまちの魅力発見!~色は匂えど長者町カルタ~」

開催日時:2011年10月22日(土) 13時00分 ~ 15時30分

教室:まちの会所

レポートUP

先生:まちの会所hanare(ハナレ) /

カテゴリ:【くらし/まちづくり】

定 員 :20人

※1:本授業の抽選は2011年10月13日(木)に行います。(抽選予約受付は10月13日(木)13時までとなります。)
※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2011年10月20日(木)18時まで、先着順でお申し込みを受付いたします。


名古屋市中区錦二丁目、名古屋駅と栄の真ん中に位置する「長者町」は
名古屋屈指のビジネス街であり、戦後から続く繊維問屋街。
昔と今が混在し、近代化の波にもまれながら変化していくまちの暮らしや風景。
そんな古くから残るまちの人々のくらしや文化、風景や歴史を再発見し、
まちの魅力を残したいという思いを持った仲間たちによってスタートしたのが
デザインユニット「まちの会所hanare」です。
まちの人たちに昔の様子をヒアリングし、問屋街を丁寧に取材。
たくさんのエピソードを拾い集め「まちの人々の記憶とねがい」という、
小さな物語の数々をカタチにした「色は匂えど 長者町カルタ」を創りあげました。

今回の特別授業では、「まちの会所hanare」の皆さんを先生に、カルタ制作秘話などのお話をうかがい、まずは実際にまちへ飛び出してカルタにも登場する魅力あるまちの名所を巡りながら散策を楽しみます。
もちろん「まちの会所hanare」の皆さんのガイド付き。

そして散策を楽しんだ後は、「色は匂えど 長者町カルタ」でカルタ大会に挑戦!!

まちを知ればカルタの楽しさも倍増です!

素敵なエピソードが秘められた札をひとつひとつ覚えていくうちに
思い入れのあるお気に入りの札ができてしまうのも長者町カルタの大きな楽しみなのです。

そして気付けば、いつの間にかあなたも長者町のファンになっているかも・・・。



12:30 受付開始
13:00 授業開始 先生紹介 
   長者町カルタ制作秘話などのお話
13:30「長者町カルタでまち歩き」
   まちの会所hanareの皆さんの案内でカルタに登場する箇所を散策
   カルタの札を使って解説します
14:30「長者町カルタ大会」
15:30終了


(授業コーディネーター:小林 俊介)
1 はじめに
 約400年前、街まるごとのお引越し「清洲越し」によって誕生し、古くは城下町として戦後は三大繊維卸問屋街として栄え、いまなお名古屋有数のビジネス街として重要な役割を果たす長者町。この街は、街の人が自ら街に対する想いを表現することを重視して「自分たちの力で街の未来を描く街づくり」の動きが盛んな地域でもあります。

そんな街の色とりどりの記憶と願いが織り込まれた48枚の札からなる「色は匂えど長者町カルタ」。今回はこのカルタを通じて、街に触れる授業でした。


2 「色は匂えど長者町カルタ」誕生秘話
 授業の最初は、想いを形にするデザインユニット「まちの会所hanare(ハナレ)」(以下、ハナレ)のみなさん(原愛樹さん、名畑恵さん、古谷萌子さん、岩井百希恵さん)から、スライドを使いながら長者町カルタの誕生にまつわるお話を紹介していただきました。

 そもそものカルタづくりのきっかけは、ハナレのリーダー原さんが「この街の文化を表現したい」と街の人の協力を仰ぎながら作り上げた1冊の本とその取組みでした。その取り組みのなかで原さんは、名古屋長者町織物協同組合の事務所に残されていた1冊のアルバムと出会います。そのアルバムにこの街の遠い記憶がたくさんの写真ととも鮮やかに残されていたことに、原さんは魅了されました。

街の人の想い・動きの交差点となって、大学の研究室とNPOと街の人たちが協働してまちづくりを進める「錦2丁目まちの会所(現 まちの会所)」は、原さんの取組みを見て呼びかけ、「このまちの魅力を発信」しようという取り組みが始まりました。その取り組みからハナレが誕生しました。

「街の魅力を発信するためには、まずは街を遊びながら好きになってほしい。」その手法を模索して2年余りがたち、「街の記憶を残しつつ、街の人の表現を見える化・さわれる化して、ゆるやかに発信するツール」として、まちの人ひとりひとりが語った想いを丁寧に紡ぎだして誕生したのが、「色は匂えど長者町カルタ」でした。



3 長者町カルタとともに街歩き
 続いては、ハナレのみなさんと一緒に、長者町カルタの舞台を実際に散策して回りながら、カルタにまつわるエピソードを紹介していただきました。

『手の温もりと誇り 創業天保十一年』
まず訪れたお茶の升半さんは、創業して170年余の名古屋一のお茶の老舗です。茶道の分野では全国的に有名なお店ですが、街の人にとっては非常に身近なお店でもあります。名物・抹茶もなかアイスを食べた子ども時代の記憶は街に暮らす人が口々に語ります。-街の人の記憶でもある抹茶もなかアイスは、わたしたちも実際に堪能させてもらいました。
現在の5代目当主横井半三郎さんは、カルタ作りにも非常に積極的に関わった方で、カルタの読み句のいくつかにも彼の作品が収録されています。このお店が題材の句も、彼の作です。

『まちで暮らしを支える くらしごと』
また半三郎さんとそのご家族は、非常に優秀なお茶の品質を維持するため、上階で住みながら下の階でお茶の製造販売を続けていらっしゃいます。
昔はこの街にあった多くの問屋がこのような形態をとり、従業員もお店の主人もともに暮らしていました。またこのようなライフスタイルを支えるお店やサービスも街に共存し、長者町は「人の暮らしがあってにぎわいのある街」でした。現在もそのにぎわいを再創造する取り組みが続けられています。

『小さくとも凛と咲く 都市の花』
卸問屋の滝一さんでは、社長の滝さんから、普段は入ることのできないお店の間口でお話を聞かせていただくことができました。
ふと玄関先をみると、コンクリートの間からわずかにのぞく土の地面から、カタバミやスミレの花々が咲いています。カルタ札にもなった「都市の花」です。一見すると雑草にも見えるこの小さな花々を、滝さんは大切に手入れされているそうです。
つい見落としがちな小さなもの、街にある日常風景だけれど、街の人がそのことについて語る愛着。街の人々の言葉がこのカルタには多く紡がれています。

『灰色よりもカラフルへ シャッター』
通りを飾るいくつものシャッターアートは、かつて街にあふれていた彩りを取り戻すひとつの取り組みとして2000年にはじまったものです。

『まちの記憶をいまに伝える 痕跡』
ビルの壁を見上げると、そこには家があったかのようなペイントが。このような人々の暮らしの痕跡・街の記憶もあちらこちらに見つけることができます。

『一坪ショップのさきがけ? かいかん(会館)』
『チャレンジする人のまち ベンチャー』
今は駐車場へと姿を変えた、長者町繊維卸会館はいわば「ひと坪ショップ」のさきがけ。現代でいえばベンチャービジネスで、成功への夢と希望が詰まったチャレンジする人々の街の記憶でもあります。いまでこそ長者街には空き問屋が多く見受けられますが、「企業おこし」の街としての取り組みも続けられており、この街から起業した現代のベンチャービジネスの旗手たちはみな、業績を拡大していくそうです。

『遊びと学びの達人 旦那衆』
『商いの七つ道具 五つ玉』
街歩きをしていると、街の旦那衆にばったり遭遇しました。田中政商店の田中亨さんは、お金と街づくりとをセットで考え、コミュニティバンクのさきがけとしてTVにも取り上げられたこともある方です。田中さんがカルタのなかで印象に残っているのは、商売道具でもあった五つ玉。計算機を使った合理的な価格交渉ではなく、雑談しながらそろばん玉を弾きあい、落とし所を探る。古き良き顔と顔の見える商いの象徴です。
「ライフスタイルが変化して、この街は確かに厳しい状況にあるが、がんばっているものには「とりえ」がある。そして、街を歩くといくらでも街の資源(お宝)は転がっている。」田中さんがおっしゃったことばは、街をよりよく知り学ぶには、大切な視点だと感じました。

『まちのすき間をみんなの場所に 会所』
福正院は、昔から八百万の神仏が鎮座するこの街の「会所」です。街区の隙間に設けられた寺や神社ですが、人々が行き交う街の交差点でもあり、憩いの場でもありました。
また、こちらの門はだれでもいつでも気軽に立ち寄れるようにと24時間開放されたままになっています。

『地域一体 公立学校の先駆け 第一義校』
桜通りから見える桜天神社。明治のはじめに、街の住民たちが設立した身分や男女の区別なく教育を受けられる場だった第一義校(菅原小学校)の校章には、桜天神のご祭神、菅原道真公からとった梅の花がモチーフに採用されています。このカルタをお年寄りに見ていただくと「昔の街」のことを思い出すそうです。

どのカルタにも街の人の想いが込められていて、この街・街の人々が大切にしている街や暮らしの記憶・今の姿・未来への想いを、街にある「モノ」たちが語りかけてくる。カルタで巡るまち歩きを通じて、そう感じました。


4 長者町カルタで遊びながら、街を知ろう!
まち歩きから戻り、一息ついたらいよいよ「長者町カルタ大会」の開幕です。
長者町カルタ大会は、大ナゴヤ大学長者町ゼミのゼミ生たちが、このカルタに大きな魅力を感じ、自主的に始めたものです。元々は、街の人の思いの結晶であったカルタが、いつの間にか街の外の人も楽しんでくれるようになっています。

大会には、ハナレ4人のほか、長者町ゼミから初代カルタ取りクイーンも参戦。4チームに分かれ、白熱した闘いが繰り広げられました。

エキシビジョンマッチでは、カルタ取りクイーンとハナレの岩井さんが一対一で対決しました。上の句を読み始めたと同時に、絵札に手が伸び、音もなく絵札を取り去っていく。百人一首大会さながらのレベルの高さに驚きの声があがりました。
初めてカルタ取りに挑戦した生徒さんも、先ほどの街歩きで題材となった札にはすばやく手を伸ばし、あちらこちらから歓声が上がりました。


5 まとめ
街・街に暮らす人々の記憶と想いを、丁寧に色々とりどりに紡いだ「色は匂えど長者町カルタ」。それはやがて、カルタを通じて街のことを楽しく学び、街への愛着が膨らんだ人々の想いを織りこんで、さらに色とりどりに紡がれていっています。

上で紹介した以外にもこの街には宝物があふれています。さあ今度はあなたが、お気に入りのカルタ札を手に街歩き、してみませんか?



(ボランティアスタッフ  鈴木利弘)

(お礼)本文には、長者町カルタの読み句を多数引用させていただいています。ハナレのみなさん、ありがとうございました。

※写真をクリックすると拡大します。


 

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恋うる秋好きになる街長者町  名古屋の長者町が日本の三大繊維問屋街であることは知っていました。けれど、今では・・・。そのため、雑多な店や会社が乱立・・・。いや、申し訳ないのですが、そんな現状に対する印象しかありませんでした。  昨年でしたでしょうか
2011年10月25日(火) 08時31分【空想俳人日記】

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先生

まちの会所hanare(ハナレ) /

まちの会所hanare(ハナレ)は、長者町地区をフィールドに「遊んでいると、まちがすきになる」を信条に、まちの魅力・価値を生かす表現・発信をする20〜30代の働く女子によるユニットです。 「まちを何とかしたい」というヒト・オモイ・ウゴキの集まるまちづくり拠点 『まちの会所』の活動と、地域の文化を表現したいと思うデザイナーとの出会いから生まれました。 「ハナレ」には、「まちを彩る花(ハナ)であれ(レ)」「くっついたり離れ (ハナレ)たり」などの意味が込められています。 2010年、まちの記憶を今に伝え、未知のまちを喚起する『色は匂えど長者町カルタ』を長者町の人々と共に制作。 まちの人、研究者や大学生やアーティストなど、まちに関わる多様な人とのコラボにより、 まちの魅力発信へつながる表現活動を続けています。 それぞれが仕事を終えた夜の長者町のどこかのお店で、次のワクワクを考えています。 ■ホームページ http://kin2hanare.jp/

今回の教室

まちの会所

住所:〒460-0002 
名古屋市中区丸の内二丁目18-13 
丸の内ステーションビル2F及び3F 
Tel / Fax 052-201-9878

※地下鉄桜通線丸の内駅4番出口手前のエレベーター出口を出て、
左に進み、一つ目角のローソンを左に曲がり直進。左手1Fにギャラリーがあるビルの2F及び3F。
*注意:まちの会所ホームページに掲載してあります地図は、移転前のものです。

地図を見る

『まちの会所』は、たくさんの「まちを何とかしたい」というヒト・オモイ・ウゴキの集まるまちづくりの拠点です。(NPO法人まちの縁側育くみ隊・愛知産業大学造形学研究所 運営)

■ホームページ http://www.kin2kaisyo.com/