授業詳細

CLASS


魅惑の「名古屋弁」ワールド

開催日時:2013年09月23日(月) 14時30分 ~ 16時30分

教室:文化のみち二葉館

レポートUP

先生: 安田文吉 / 日本近世文学、近世芸能研究者。南山大学人文学部教授(日本文化学科)。
日本歌謡学会常任理事、日本近世文学会委員、名古屋芸能文化会代表。

カテゴリ:【歴史・文化/NAMO.】

定 員 :20人

※ 二葉館は国の文化財になるため、館内での飲食が禁止されていますが、授業の間に限り、
  ペットボトルや水筒等による飲み物のみ、許可をいただいております。
※ 館内の観覧を希望される方は、授業時間以外での観覧が可能です。
  ただし、入館料200円が必要となります。(観覧可能な時間:10時〜14時、16時半〜17時)
「よういらゃぁしたなも」
……みなさん、すらすら読めますか?
聞き慣れないかもしれないけれど、これも名古屋弁の一つ。
馴染みのある名古屋弁とは、音も見た目も違いますよね?
実は、名古屋弁には種類が3 種類あり、それぞれ聞こえ方も変わってきて、
さらには隠された発音記号!?もあったりするんですよ!
今回、そんな知られざる名古屋弁の魅力をテーマにした授業を開催します。
先生は、南山大学教授の安田文吉先生。
“文ちゃま”先生という愛称をお持ちの先生は、とても愉快で、一言ことばを交わした
だけで、
私はすぐに先生の話の虜になっちゃいました。
ことばは柔らかく、話はとても愉快で、そしてとにかく笑いが絶えません。
ちなみに・・・「よういらゃぁしたなも」の意味を知りたいあなた!ぜひぜひ授業にご参
加を♪
授業では、先生によるデモンストレーションや名古屋弁レッスンがあります。
今ではほとんど耳にすることができない、きれいな名古屋弁、
その名も「名古屋弁 上町ことば」を生で聞けるチャンス!
さらに、色んなことばを名古屋弁に変換しちゃう名古屋弁あそびも!
あの有名なフレーズを名古屋弁に置き換えると…?
笑いありダメだしありの発音練習に演技指導まで!?
これであなたはもう名古屋弁マイスター。
生粋の名古屋人はもちろん、
引っ越してきてこのことばに正直違和感あります!という人も、
もちろん実は私話せちゃうんです!というイケてる名古屋人も大歓迎です。
魅力ある「なごや弁」ワールドを楽しみに、ぜひお越しください!

授業コーディネーター  
伊熊志保・森田和美

【当日の流れ】
14:15 生徒さん受付開始
14:30 授業スタート
      司会挨拶、先生紹介&30秒自己紹介
14:45 コミュニケーションタイム
      生徒さん・先生・スタッフ全員で体を動かしてアイスブレイク
14:50 先生による名古屋弁レッスン
15:20 ワークショップ・名古屋弁で遊ぼう!
16:00 安田先生により感想・まとめ挨拶
16:10 アンケート・集合写真
16:20 終了
16:30 撤収


※「NAMO.」は、「なごやの歴史・文化とユニークに出会う」をキャッチフレーズに始まったプロジェクトです。
◎NAMO. 公式WEBサイト
http://nagoya-namo.jp/

『だいなごやだいがく』ではなく、『でゃぁーなごやでゃぁーがく』と発音していないのが気に食わん!(笑)」

南山大学教授の安田文吉先生のこの言葉で、心を掴まれた生徒さんも多かった事でしょう。
こんな感じで緊張がほぐれた中、授業がスタートしました。

まずは、大ナゴヤ恒例の「30秒自己紹介」から。
今回の生徒さんは、愛知県中心の東海地方からが大多数でしたが、中には、関東や関西、四国や九州、東北に
住んでいた経験のある方もいらっしゃっいました。皆さん、多かれ少なかれ、名古屋弁や、方言に興味を
持っていらっしゃる様でした。

そして、そのまま授業に入るのかと思いきや、ここで、「アイスブレイク」。
授業コーディネーターが「手を叩いた回数」の人数のグループをつくり、そのグループの中で
お題に沿ったコミュニケーションを取っていくというものでした。生徒さんも、手を叩かれるままに、グループを
作り、楽しそうに動いてコミュニケーションを取っていました。 

この様な「アイスブレイク」で場の雰囲気が和気あいあいとした所で、いよいよ「名古屋弁のレクチャー」に
入ります。ここからはコーディネーターと、安田先生との漫才の様な掛け合いと共に、授業が進んでいきます。

まずは、アクセントの話から。
共通語と名古屋弁の「かなやま」「なごや」のアクセントの違いについてのお話がありました。
生徒の皆さんも、「そう言われてみればそうか」と、何かに気づかされた感じで、話に聞き入っていました。
※因みに、「金山」は、共通語では「カ(↘)ナ(↗)ヤ(↘)マ(↘)」で、
名古屋弁では「カ(↘)ナ(↗)ヤ(↗)マ(↗)」、
「名古屋」は、共通語では「ナ(↗)ゴ(↘)ヤ(↘)」で、
名古屋弁では「ナ(↘)ゴ(↗)ヤ(↗)」、という感じでした!

続いて、名古屋弁の種類の話に入ります。
名古屋弁には、「武家ことば」と、「下(しも)のことば」と、「上町ことば」の3種類があり、
これらは、名古屋城周辺を中心にして、地区によって言葉が違っていたそうです。
特に、「下のことば」と、「上町のことば」は、現在の広小路通を境に使い分けられていたとの事でした。

そして、名古屋弁の発音ですが、特徴としては、「あいまい母音」を使っている事なのだそうです。
つまり、英語で言う所の「apple」の「a」の発音に近いらしく、
「だゃぁー」、「なゃぁー」、「うまゃぁー」という発音となるそうです。
決して、マスコミなどで言われる「にゃー」や「みゃー」ではないのだそうで、
先生曰く、この「あいまい母音」を使っている事が、
名古屋弁の特徴であり、名古屋の強みであると力説されていました。

最後に、名古屋弁の言葉については、「ちゃっと(急いで)」や、「米をかす(米を洗う)」などの江戸時代の共通語や、
「まわしする(準備する)」や「もやこ(共存する)」など、
昔からの古語が未だに残っているのが名古屋弁だという事でした。

この様な興味深いお話を、「アクセント辞典」に対する先生のボヤキを交えたり、
先生が、ホワイトボードに発音記号を書いて、みんなで名古屋弁を発音したりと、
ユーモラスにレクチャーして頂き、約1時間の時間があっという間に過ぎていきました。

そして、先生のレクチャーの後、「ワークショップ」に入りました。
「白雪姫」「赤ずきん」を名古屋弁の上のことば、下のことばにするというお題で、4つのグループに分かれて、
それぞれの話の一部分ですが、名古屋弁に訳してもらいました。生徒さんも、名古屋弁の一覧を見ながら、
そして、時には先生に聞きながら、苦労しながらも、真剣に和気あいあいとお題に取り組んでいました。
発表では、4つのグループ共に、その苦労の跡が見られるいい発表となりました。
中には、先生に、「上手い!!」と言われるグループもあり、発表の時間中、
終始笑い声の絶えないものとなりました。

そして発表後、何人かの生徒さんに感想を聞いた所、
「ワークショップで、名古屋弁に訳してみたが、名詞の扱いが難しく、思うように変えられなかった。」と言う感想や、
「この授業を知るまでは、名古屋弁アレルギーだったけど、ワークショップをしてみて、フランス語に近い感じを受けた。
『いゃぁーす』という言葉は美しいかも・・・。」
という感想まで飛び出し、授業の充実ぶりが伺えました。

先生からは、「名古屋弁の言葉や、アクセントにもっと興味を持って欲しい。それが、名古屋の文化に繋がる。」
というお言葉を頂きました。その後、「でゃぁーなごやでゃぁーがく!!」の掛け声とともに全員で記念撮影をし、
授業が終了しました。

しかし、何十年かぶりに、英語の発音記号を見ました。
まさか、名古屋弁を知る上で、英語の発音記号まで出てくるとは思ってもみなかったです。
でもそれだけ、名古屋弁は発音が繊細なんだなとも思いました。
それに、未だに昔からの古語まで残っているとは・・・。

そう考えると・・・。

いやぁ~。深いっすわ・・・名古屋弁。                  



(レポート:オカ ヒデアキ
 写真:松田直子)

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. 大変楽しい授業でした。
安田先生の名古屋に対する並々ならぬ愛着を一番感じました(笑)
私はまだ名古屋に住んで1年とちょっとなんですが、
郷土愛。というか、地元大事!
な心意気が大好きです。
2013年10月04日(金) 16時33分(まるるん)
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先生

安田文吉 / 日本近世文学、近世芸能研究者。南山大学人文学部教授(日本文化学科)。
日本歌謡学会常任理事、日本近世文学会委員、名古屋芸能文化会代表。

1945年名古屋市熱田区生まれ。幼少より、常磐津節や西川流日本舞踊などに親しみ、入学した名古屋大学でも、浄瑠璃や歌舞伎など伝統芸能を研究。 1975年名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了後、南山大学文学部国語学国文科専任講師、文学部助教授を経て、1989年に同学部教授となり現在に至る。 また、1992年「常磐津節の基礎的研究」(和泉書院)で第10回 田辺尚雄賞(東洋音楽学会)受賞。 NHKテレビ「北陸東海 文さんの味な旅」などの出演や公演など、活発な社会活動を行っている。

今回の教室

文化のみち二葉館

住所:〒461-0014
名古屋市東区鐘木町3丁目23番地
桜通線「高岳」駅下車「2番出口」利用→東へ約100m直進→「桜通泉2」を左折約700m直進(徒歩約10分)
駐車場あり(10台)台数に限りがありますので、できる限り公共交通機関をご利用ください。


■授業について全ての連絡・お問い合わせは、大ナゴヤ大学までお願いいたします。
 TEL:070-5459-8213(代表)
 E-mail:dai-nagoya@univnet.jp
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ひときわ目立つオレンジ色の洋風屋根、ステンドグラスの光がこぼれおちる大広間、そして落ち着いた伝統的な和室。東洋と西洋の文化が溶け合った大正ロマンの香り高い館です。