授業詳細

CLASS


オモテから。 ~舞台に生きる能面~

開催日時:2015年04月26日(日) 14時00分 ~ 16時30分

教室:藤田舞台

レポートUP

先生:大野 誠 / 藤田流笛方
長田郷 / 喜多流シテ方
松井俊介 / 喜多流シテ方
吉沢 旭 / 観世流シテ方
伊藤裕貴 / 観世流シテ方

カテゴリ:【歴史・文化/NAMO.】

定 員 :50人

※参加費として500円頂戴いたします。
※舞台に上がる際、白足袋か白色ソックスが必要となります。ご準備ください。
※会場内は飲食厳禁になりますのでご協力ください。
※自転車の駐輪スペースに限りがあります。公共交通機関をご利用ください。
※授業終了後、近くのお店で先生も含めた懇親会を開催予定。後ほど生徒の皆さんへ案内しますので、予定を空けておいてくださいね。(2015年4月10日(金)更新)
仮面劇と呼ばれる能。

一見、無表情に見えるけれど、笑みを感じたり、悲しみを感じたり。

能舞台で用いられる面(おもて)には、
歓びや怒り、悲しみや恥じらいなど、さまざまな感情が打ち込まれています。
今回は、そんな能の演技の要でもある「面」から能を学びます。

先生には、藤田流笛方の大野誠さん、喜多流シテ方の長田郷さん、松井俊介さん、
観世流シテ方の吉沢旭さん、伊藤裕貴さんをお迎えします。

能とは何か? の基本的な内容から、
面の種類を知り、その面が出てくる物語を知ります。

いったい演者は舞台の上で何を演じているのか?

すでに世を去ったものたちが、再び、私たちの前に現れる機会を与えられた場所が能舞台です。
かつて彼らが生きた時間を、ほんのひととき 舞台の上に甦らせる・・・。
そんな、一時だけココに生きる姿だからこそ面には深い感情を感じるのかな。

能の物語を知り、そのあとに、装束着付けの実演、そして能舞台を歩いてもらいます。
舞台の上に生きる能を一緒に学びましょう!

[当日の流れ]
13:30 受付
14:00 授業スタート
14:05 能について学ぶ
    (歴史、演者について、役割 等)
14:15 能の面と物語
    五番立:初番目物~五番目物 
    (謡 / 仕舞 / 笛 / 着付け / すり足体験等)
    ※間に10分間の休憩を挟みます
16:20 質疑応答
16:30 集合写真 終了

(授業コーディネーター:伊熊志保、大野嵩明 / やっとかめ大使:杉原 芽久、山岸 類子、小泉 真由、河田朗奈)
◆協力:やっとかめ文化祭実行委員会、名古屋能楽堂、筧清澄
春の陽気が気持ち良い4月の快晴の日、「能」を学ぶ授業が行われました。

今回の会場である藤田舞台は、外観は打放しコンクリートのモダンな建物ですが、中に入ると、5、60人程を収容できる客席を備えた、
高級感のある能舞台です。今回は、その客席を埋め尽くすほどの多く生徒さんに参加していただけました。

参加された生徒さん達は、能について最近興味を持ったという方もいれば、何度も能舞台を見に行った事があるといった方まで、
年代や知識も様々でした。

まずは、今回の授業の先生である能楽師の、大野さん、長田さん、松井さん、吉沢さん、伊藤さんが
袴姿で登場されてのご挨拶のあと、大野さんから能の発祥や歴史、能舞台にいる人の役割などをスライドを使いながら
説明していただきました。
途中、司会役スタッフの質問などにも、にこやかな表情で丁寧に回答していただけました。

能の演目は基本的に特別なお祝いの能の時にのみ行う「翁」と初番目物~五番目物のパートに分かれていて、
昔は早朝から1日がかりでこれらの演目を行っていたそうです。

また、演目にも種類があり、内容によって様々な能面を使い分けるそうです。
今回は、鬼や幽霊が出てきたりする夢幻能というジャンルのお話の演目展開で、実際と同じ形で、演目の順番ごとに、
説明や実際の演技を先生方に行ってもらうという形式で授業は進んでいきました。

・「翁」で先生による笛の演奏
 翁は舞台開きや新年の時に演じられる特別な演目だけあって、その能舞台を行う団体の代表者的な人が
 翁の面をつけて舞をするそうです。

 ここでは、その時の笛の演奏を実際に先生に演奏を披露していただけました。

・高砂を歌ってみよう
 最初の演目としての題名「高砂」は、高砂の浦という所で、長寿や平和の象徴である松の妖精が現れるといった、
 おめでたい内容で、結婚式などで新郎新婦の船出を祝う歌としても有名です。その歌を、まずはお手本として先生に歌っていただき、
 その後
 
 「たかさごやー このうらぶねに ほをあげてー」

 と、生徒さん達も歌ってみました。
 歌はアクセントなどにも気をつけなければならないですが、お祝いの気持ちを持って言葉を間違えず歌うことが重要との事でした。
 歌った後は「みなさん、しっかり声が出していました」と先生からお褒めの言葉をいただけました。


・能の舞と歌を間近で鑑賞
 2番めの演目「八島」と3番目の演目「井筒」は、宿を貸してくれた老人に旅僧が昔の合戦の事を聞いたら、
 実は老人は合戦で亡くなった亡霊だったとか、夢の中で女の霊が出てくると言った夢幻能ならではのお話で、
 実際に先生に八島の舞と井筒の歌を披露していただきました。
 舞は扇を刀に見立てた豪快な動きで間近で見ていた生徒さん達も、その迫力に圧倒されていました。


・能衣装の着付け体験
 休憩をはさんで、代表して生徒さんの一人に能で使われる衣装の着付け体験をしていただきました。
 着付けは、いくつもの着物を先生3人がかりでやっていただきました。
 最後にかつらと能面をつけた生徒さんは、その格好のままでキョロキョロしたり、ぎこちない動きをするので、
 見ていた先生や生徒さん達の顔もほころんでいました。
 着付けを体験された生徒さんは、「衣装が重くて腰にくる」、「能面をつけたらほとんど前が見えない!」など
 大変さが伝わる感想を話されていました。


・舞台に上がってすり足体験
 続いて、生徒さん達を数グループに分けて、練習用の能面をつけて舞台に上がってもらい、すり足体験をしました。
 すり足は舞台を移動するにあたって重要な動作で「ハコビ」と言われています。このハコビは体をふらつかせない目的の他に、
 演じる役によって歩幅の大きさや足の開きを調整して役の違いを出すという重要な役割があるとの事でした。
 また、能面も「テル」、「クモル」という呼び名で角度によって喜怒哀楽の表情を作っているそうで、
 よく無表情なことを「能面のような顔」というけど、そんなことはないとおっしゃっていました。
 実際に能面をつけて、すり足体験をされた生徒さんは上手くできる方もいましたが、
 やはり能面で前がよく見えないのと上手く体重移動ができずに、よろけてしまう方もいました。


最後の演目である「猩々」では、再び先生に舞を披露していただき、あっという間に授業が終了しました、
授業が終わってからも、能にさらなる興味を持たれた生徒さん達が、先生に能面の事や衣装の着付けなどについて詳しく尋ねる方や、
授業後の先生を囲んでの懇親会の参加を予定していなかった方も参加希望をされる方もいました。

今回の授業は実際に能面をつけて舞台に上がれるなど、貴重な体験もあり能の知識を知らない初心者にも、
詳しい人にも伝統芸能である能を知る上で大変よい授業になったのではないでしょうか。
また、舞台でのすり足体験や、間近で見た先生の舞は、稽古で徹底的に磨きあげられた足のハコビや豪快な動作など、
ひと目見ただけではわからないが、そこにとても奥深い世界があるという「日本の伝統芸能の美学」を感じることができたのではないかと思います。


(レポート担当:ボランティアスタッフ 河津 一輝
カメラ担当:ボランティアスタッフ 石坂喜和)

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

大野 誠 / 藤田流笛方

1966年生まれ。藤田流笛方十一世宗家、藤田六郎兵衛に師事。
1992年「猩々乱」を披き、その後「道成寺」「翁」等を勤める。
フランス、アメリカ、中国等能楽の公演の他、キューバ、インドネシアでは他のジャンルの音楽家との共演もしている。

長田郷 / 喜多流シテ方

昭和五十年仕舞「老松」にて初舞台。父・長田驍に師事。昭和五十六年長田 驍後援会能にて初能「猩々」を舞う。平成九年能楽協会名古屋支部入会。平成十六年長田 驍職分四十五周年記念能にて「猩々乱」を披く。能楽協会名古屋支部理事。

松井俊介 / 喜多流シテ方

1978年生。和歌山県在住。長田驍師に師事。能楽協会名古屋支部所属。

吉沢 旭 / 観世流シテ方

1979年生まれ。名古屋市出身。
観世流シテ方・泉嘉夫氏に師事(南山大学在学中より)。
初能シテは2006年「経政」。10年「千歳」など。
現在、(公社)能楽協会名古屋支部常議員。
南山大学と同大学附属小学校の能楽クラブで指導。

伊藤裕貴 / 観世流シテ方

昭和61年5月4日生(28歳)
愛知県春日井市出身。シテ方観世流(師範)。能楽協会名古屋支部所属
大学時代 能楽サークル「名古屋大学観世会」に所属したのをきっかけに能の道を志す
平成21年 大学卒業 同年より 観世流準職分 上田貴弘に師事 平成25年より師範

今回の教室

藤田舞台

住所:〒451-0041 名古屋市西区幅下2-10-9
(最寄り駅 地下鉄 鶴舞線 浅間町駅 徒歩5分)
地図を見る

江戸時代より明治初期までこの地、幅下に姫(比米)町舞台がありました。いまは幅下という地名になりましたが昔は姫町、比米町と呼ばれていました。
藤田流初代清兵衛は寛永六年(1629)に現在の幅下二丁目のこの地に徳川家より屋敷を拝領。以来、明治維新、第二次対戦という大きな危機を乗り越えこの地を動くことなく守ってきました。しかし、舞台は明治初期に失ってしまいました。平成17年2月、この地に四階建てのビルを建築。その三階に藤田家の舞台が再興されました。


http://fujitaryu-noh.jp