授業詳細
CLASS
新緑の季節にお茶摘み体験 ~愛知県最高位の園主にお茶をまなぼう~
開催日時:2016年05月14日(土) 10時00分 ~ 12時50分
教室:高香園
レポートUP
先生:
野場義尊 / 高香園3代目園主
カテゴリ:【食/ものづくり】
定 員 :12人
【集合場所】お車の方は直接会場へ9:45までに集合、公共交通機関をご利用の方は名鉄「若林駅」に9:30集合となります。
(※名鉄名古屋駅8:52発の電車で到着予定)
※参加費としておひとり1,500円(参加費、材料費等)頂戴いたします。
※本授業では茶畑で茶葉の収穫を行ないます。動きやすく汚れてもいい靴(ヒールはご遠慮ください)・服装でご参加下さい。
※屋外のため、天候により中止となることがあります(中止の場合、前日までにメールで連絡します)。
※店舗の駐車スペースはございますが、4台までとなります。お車で来られる方は事前にdai-nagoya@univnet.jpまでご連絡ください。
※自然仕立ての茶園のため、お茶の木の背が高く、お子様が見えにくくなります。お子様をお連れの場合はお子様お一人につき保護者お一人の参加をお願いいたします。
コーヒーを飲むときに豆や淹れ方にこだわる方、(※名鉄名古屋駅8:52発の電車で到着予定)
※参加費としておひとり1,500円(参加費、材料費等)頂戴いたします。
※本授業では茶畑で茶葉の収穫を行ないます。動きやすく汚れてもいい靴(ヒールはご遠慮ください)・服装でご参加下さい。
※屋外のため、天候により中止となることがあります(中止の場合、前日までにメールで連絡します)。
※店舗の駐車スペースはございますが、4台までとなります。お車で来られる方は事前にdai-nagoya@univnet.jpまでご連絡ください。
※自然仕立ての茶園のため、お茶の木の背が高く、お子様が見えにくくなります。お子様をお連れの場合はお子様お一人につき保護者お一人の参加をお願いいたします。
ワインを飲むときに産地や熟成年数にこだわる方、
日本酒を飲むときに酒器や食事との合わせ方にこだわる方…。
いわゆる嗜好品の楽しみ方が幅広くなってきていますが、
普段口にする「お茶」にこだわっている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
最近ではペットボトルで飲む機会も増え、ますます身近になっている「お茶」。
どこのお店で売られている茶葉が美味しいのか、どんな産地のお茶があるのか、
煎茶・玉露・抹茶・ほうじ茶・番茶…といろんな種類がありますが、それぞれの茶葉の栽培方法、
摘む時期、製造工程はどう違うのか。どのお茶をどんな食べ物に合わせると美味しく頂けるのか…。
よくよく考えてみると、「あまり知らないなあ」ということに気づかされます。
今回、会場となるのは自動車産業で有名な豊田市。
このあたりでお茶の産地として有名なのは、西尾や静岡なんじゃないの?
と思われる方も多いかもしれませんが、実は豊田市吉原町は古くは江戸時代から茶どころとして知られる場所。
文化文政(1804~1829)の頃、「伊勢物語」で知られるお隣の町・八橋(知立市)の無量寿寺に
筑前国福岡出身で煎茶を売る活動をする梅谷売茶翁が来たそうで、その後その梅谷売茶翁が住職となり、
茶を薬用効果のある飲み物として説き、三河国を中心に煎茶が広まったという歴史があるんだそうです。
また最近では、省力化とコストダウンを図るため機械で茶葉を収穫し、
その後は卸業者に任せる農家が多い中、今回訪れる「高香園」では、いまでも伝統的な手摘みで茶葉を収穫し、
自社工場で製造、自社店舗で販売しています。その実直な姿勢が功を奏してか、3代目園主の野場義尊さんは
歴史あるお茶の審査技術競技大会「京都府茶審査技術競技大会」で優勝するなど多数の賞を受賞し、
愛知県で最高位となる茶審査技術6段の資格を持っているんだとか。
園主の仕立てる味に惚れこむ仕入れ担当者も多く、料亭や東京の有名店・百貨店など、
舌が肥えた顧客を持つお店で扱われることも多いそうです。
そんな園主からこの地方のお茶の歴史や文化を教えてもらいながら、
じぶんたちでも実際に茶葉を摘んでみましょう。
茶葉が摘めるのは、1年を通してこの時期だけ。とっても貴重な機会となります。
その後はみんなで茶飯でおにぎりを作って実際に味わってみましょう。
この体験を終わる頃にはきっと、お茶のことを誰かに伝えたくなるはず。
2020年のオリンピック開催に向けて外国人観光客が多く訪れている日本。
日本の文化でもある「お茶」について、改めて学んでみませんか。
【スケジュール】
9:45 受付開始 ※お車の方は高香園に直接集合。公共交通機関の方は上記参照。
10:00 授業スタート・自己紹介
10:15 茶畑へ移動
10:25 3代目園主の野場義尊さんのお話を聞きながらお茶の手摘み体験
11:10 お茶加工工場へ移動
11:20 お茶加工工場見学と茶飯のおにぎり試食
12:10 高香園へ移動
12:20 高香園にて抹茶の試飲、記念撮影、アンケート
12:50 授業終了
(授業コーディネーター:前田智絵)
普段、お茶ってどのくらい飲みますか?自分は毎朝、800ミリリットルの水をケトルで沸かし、急須に茶葉を入れてお湯を注ぎます。そして、しばらく時間が経った状態でコップに注ぎ、飲みます。これが僕の朝の日課です。ご飯は食べなくてもお茶は飲みます。
毎日、ペットボトルのお茶を飲むし、夜も朝と同じくケトルで沸かしたお湯でお茶を飲みます。僕は静岡出身ではないですが、お茶が大好きです。カテキンたっぷりの濃いお茶が好きですね。そんな僕には有難い授業が行われました。
今回の授業の場所は豊田市。えっ、豊田って車の町なんじゃないの?いやいや、お茶もあるんですよ。歴史あるお茶の審査技術競技大会で優勝したり、愛知県で最高位の茶審査技術の6段の資格を持っていたり、そんなお茶の達人・野場義尊さんが今回の授業の先生です。
野場先生が営む高香園さんは、創業70年を迎える老舗のお店です。そのお店の前に集合しました。大ナゴヤ大学恒例の30秒自己紹介の後、お店から車で5分くらいの所にあるお茶畑に向かいました。
目の前には広大なお茶畑、しかも日光を遮る日よけで覆われており、中は暗室みたいな感じでした。何と遮光率は99パーセント。当日は5月中旬とは思えないほどの暑さだったのですが、中は涼しかったです。これも農家さんの知恵で、お茶は気温・風・日光の当たり具合にも敏感だそう。中では実際に手摘みを体験しました。丁寧にやり方を教えてもらい、いざやってみると上手くいきません・・・。
新芽と番茶を見分けながら摘み取ります。どっちも似ているのですが、違う。「葉っぱの硬さが違うので、割と見分けがつきますよ~」と先生は仰いますが、見た目以上に難しい作業でした。ちなみに、新芽は柔らかく、番茶は硬いとの事。何回か触っていると見分けがつくような気もしてきました。あくまでも気がしただけですが(笑)。
しかも、茶葉を取る際に音が出るらしく、その音が出るようになると文句なしだそうです。やっぱり、難しい。野場先生の自然仕立ての手摘みのお茶畑は、1,3ヘクタールを扱っており、120名のスタッフが登録しているそう。多い日には70名で手摘みを行うのだとか。
お茶娘の衣装も貸して頂き、女性の生徒さんは着ていました。こういう姿をテレビでしか見た事なかったので、間近で見るとすごく新鮮でした。まさにお茶畑にぴったり。このお茶畑の近くには大きな工場があるのですが、もともとはこのあたり一面がお茶畑だったのだそう。
野場先生のおばあさんの時代には、近所にお茶の農家だらけで学校帰りにお茶摘みの手伝いをしていたのだとか。時代が変わるにつれて自動車の工場へと変わっていったことなどを教えてもらいました。
いつもは授業の最後に記念写真を撮るのですが、今回は移動も多いのでお茶畑で撮影しました!みんないい笑顔。
お茶畑を後にした一行は、今度はお茶の葉を持って茶工場へと移動しました。みんなで取った茶葉はどのくらいの量だったかというと1.6キログラムでした。多いのか、少ないのか。意外と少ないじゃんの意見が多かったです(笑)。
計ったら、次に工場内へ入りました。まず、靴を脱いでスリッパに履き替えて中に入りますが、熱い。工場の中は茶葉を蒸しているので、サウナの中にいるような感じでした。それと、当たり前ですが工場全体がお茶の香りが充満しています。
しかも、お茶が流れ作業で流れています。汚れを落とし、蒸し、乾燥し、ぐるぐる茶葉が回っています。「お茶の遊園地や~」と叫びたくなりますが(笑)、どの工程も1杯のお茶を作るためには欠かせない工程です。
工場見学が終わった後は、実際にお茶を飲んでみようの時間です。今まで、お茶の手摘み、工場内での工程を目の前で見てきて、実際の味は・・・言うまでもありません。美味です。1杯に野場さんの叡智が結集しています。水出しを頂いたのですが、濃く甘みもあるというのが、素人の僕の意見です。濃く甘いというのは、矛盾した表現ですが、口に入れた時は苦みのある濃さ、のど越しは甘いかな。そんな表現が当てはまると思うのですが。伝わっているかな?
水出しだけではなく、茶葉をまぶした茶飯のおむすびも頂きました。一見見た感じは「わかめおにぎり」かと思いますが、茶葉がまぶしてあります。お米の美味しさと混ざり、これまた美味しい。飲んで食べる、何と贅沢な一時でしょう。
今回お邪魔した高香園さんでは、お茶の販売だけでなくお茶を使ったお菓子なども販売していました。お茶って飲むだけでなく、色々な使い方があるんですね。僕も当然ながら、高香園さんのお茶(お徳用)を購入して、現在飲んでいます。ホント、美味しいのはもちろんなんですが、1杯のお茶を口に運ぶために、どれだけの工程を経てきたのかが改めてわかりました。
畑で作られているため、自然との戦いでもあります。日本は四季がはっきりしていますが、毎年同じ平均気温になるとも限りません。気温・湿度・風にも気を配りながら、お茶の葉のために最善を尽くす。そんな地道な作業ですが、1つの工程で誤ればその年のお茶は全てが水の泡になるという現実。1日1日が真剣勝負で、研究に余念がない先生。何度も賞を受賞したけれど、まだまだ発展段階とも仰っていました。そういった謙虚で貪欲な姿勢が、この1杯のお茶に入っているんですね。有難い、有難い。
自分のお茶の概念を変えさせてくださった、野場先生と高香園のスタッフの方々、美味しいお茶とおにぎりを用意して頂きありがとうございました。「豊田は車だけじゃない!銘茶もあるんだぞ!」と声を大にして言いたいです。
レポート:石坂喜和
写真:井上麻衣
毎日、ペットボトルのお茶を飲むし、夜も朝と同じくケトルで沸かしたお湯でお茶を飲みます。僕は静岡出身ではないですが、お茶が大好きです。カテキンたっぷりの濃いお茶が好きですね。そんな僕には有難い授業が行われました。
今回の授業の場所は豊田市。えっ、豊田って車の町なんじゃないの?いやいや、お茶もあるんですよ。歴史あるお茶の審査技術競技大会で優勝したり、愛知県で最高位の茶審査技術の6段の資格を持っていたり、そんなお茶の達人・野場義尊さんが今回の授業の先生です。
野場先生が営む高香園さんは、創業70年を迎える老舗のお店です。そのお店の前に集合しました。大ナゴヤ大学恒例の30秒自己紹介の後、お店から車で5分くらいの所にあるお茶畑に向かいました。
目の前には広大なお茶畑、しかも日光を遮る日よけで覆われており、中は暗室みたいな感じでした。何と遮光率は99パーセント。当日は5月中旬とは思えないほどの暑さだったのですが、中は涼しかったです。これも農家さんの知恵で、お茶は気温・風・日光の当たり具合にも敏感だそう。中では実際に手摘みを体験しました。丁寧にやり方を教えてもらい、いざやってみると上手くいきません・・・。
新芽と番茶を見分けながら摘み取ります。どっちも似ているのですが、違う。「葉っぱの硬さが違うので、割と見分けがつきますよ~」と先生は仰いますが、見た目以上に難しい作業でした。ちなみに、新芽は柔らかく、番茶は硬いとの事。何回か触っていると見分けがつくような気もしてきました。あくまでも気がしただけですが(笑)。
しかも、茶葉を取る際に音が出るらしく、その音が出るようになると文句なしだそうです。やっぱり、難しい。野場先生の自然仕立ての手摘みのお茶畑は、1,3ヘクタールを扱っており、120名のスタッフが登録しているそう。多い日には70名で手摘みを行うのだとか。
お茶娘の衣装も貸して頂き、女性の生徒さんは着ていました。こういう姿をテレビでしか見た事なかったので、間近で見るとすごく新鮮でした。まさにお茶畑にぴったり。このお茶畑の近くには大きな工場があるのですが、もともとはこのあたり一面がお茶畑だったのだそう。
野場先生のおばあさんの時代には、近所にお茶の農家だらけで学校帰りにお茶摘みの手伝いをしていたのだとか。時代が変わるにつれて自動車の工場へと変わっていったことなどを教えてもらいました。
いつもは授業の最後に記念写真を撮るのですが、今回は移動も多いのでお茶畑で撮影しました!みんないい笑顔。
お茶畑を後にした一行は、今度はお茶の葉を持って茶工場へと移動しました。みんなで取った茶葉はどのくらいの量だったかというと1.6キログラムでした。多いのか、少ないのか。意外と少ないじゃんの意見が多かったです(笑)。
計ったら、次に工場内へ入りました。まず、靴を脱いでスリッパに履き替えて中に入りますが、熱い。工場の中は茶葉を蒸しているので、サウナの中にいるような感じでした。それと、当たり前ですが工場全体がお茶の香りが充満しています。
しかも、お茶が流れ作業で流れています。汚れを落とし、蒸し、乾燥し、ぐるぐる茶葉が回っています。「お茶の遊園地や~」と叫びたくなりますが(笑)、どの工程も1杯のお茶を作るためには欠かせない工程です。
工場見学が終わった後は、実際にお茶を飲んでみようの時間です。今まで、お茶の手摘み、工場内での工程を目の前で見てきて、実際の味は・・・言うまでもありません。美味です。1杯に野場さんの叡智が結集しています。水出しを頂いたのですが、濃く甘みもあるというのが、素人の僕の意見です。濃く甘いというのは、矛盾した表現ですが、口に入れた時は苦みのある濃さ、のど越しは甘いかな。そんな表現が当てはまると思うのですが。伝わっているかな?
水出しだけではなく、茶葉をまぶした茶飯のおむすびも頂きました。一見見た感じは「わかめおにぎり」かと思いますが、茶葉がまぶしてあります。お米の美味しさと混ざり、これまた美味しい。飲んで食べる、何と贅沢な一時でしょう。
今回お邪魔した高香園さんでは、お茶の販売だけでなくお茶を使ったお菓子なども販売していました。お茶って飲むだけでなく、色々な使い方があるんですね。僕も当然ながら、高香園さんのお茶(お徳用)を購入して、現在飲んでいます。ホント、美味しいのはもちろんなんですが、1杯のお茶を口に運ぶために、どれだけの工程を経てきたのかが改めてわかりました。
畑で作られているため、自然との戦いでもあります。日本は四季がはっきりしていますが、毎年同じ平均気温になるとも限りません。気温・湿度・風にも気を配りながら、お茶の葉のために最善を尽くす。そんな地道な作業ですが、1つの工程で誤ればその年のお茶は全てが水の泡になるという現実。1日1日が真剣勝負で、研究に余念がない先生。何度も賞を受賞したけれど、まだまだ発展段階とも仰っていました。そういった謙虚で貪欲な姿勢が、この1杯のお茶に入っているんですね。有難い、有難い。
自分のお茶の概念を変えさせてくださった、野場先生と高香園のスタッフの方々、美味しいお茶とおにぎりを用意して頂きありがとうございました。「豊田は車だけじゃない!銘茶もあるんだぞ!」と声を大にして言いたいです。
レポート:石坂喜和
写真:井上麻衣
先生
野場義尊 / 高香園3代目園主
愛知県内では最高位の、茶審査技術六段を獲得。平成9年、第68回京都府茶審査技術競技大会、個人の部で優勝。手がけるお茶は県内外の品評会で、高い評価をいただいています。