授業詳細

CLASS


珈琲と福祉の凹凸(デコボコ)のいい関係のつくり方~小さな焙煎工場からはじまったトリコプロジェクト~

開催日時:2018年08月25日(土) 10時00分 ~ 12時00分

教室:喫茶 神戸館

レポートUP

先生:尾藤 雅士 / 株式会社BEANS BITOU 代表取締役、焙煎士

カテゴリ:【FAAVO名古屋栄コラボ授業/くらし/食】

定 員 :20人

※参加費としてお一人様1,000円頂戴します。(コーヒー付き)
※この授業はFAAVO名古屋栄にチャレンジしている、
またはチャレンジをした方を先生としてお招きし開催するコラボ授業です。
人には、「できること・できないこと」、「得意なこと・不得意なこと」があります。

「できないこと・不得意なこと」を改善する努力をするよりも、「できること・得意なこと」を伸ばした方がいいのではないだろうか。「できないこと・不得意なこと」は諦めて、それを得意としている人と一緒に取り組めばいい。

そうすることで、多くの人と繋がり素敵なコトが起きていくのかもしれない。

そんなことを思わせてくれたのは、小さな焙煎工場からはじまった「トリコプロジェクト」。



プロジェクト名の「toricot(トリコ)」は、フランス語で「セーター」や「あみもの」という意味を持ち、名前には、「1人ひとりの力が合わさって生まれたコーヒーが、だれかの心をあたためられるように」という想いが込められています。

トリココーヒーで使用する豆は、産地の生活を応援するフェアトレードやダイレクトトレードという方法で仕入れ、豆の仕分けを担当するのは、障がい者施設の方々。

豆の選別には大変な集中力が必要で、担当してくれた方は「ひとつのことに熱中する」ことを得意としており、驚くほど丁寧に仕上げてくれるそうです。



今回の授業では、このプロジェクトを生み出した、珈琲の焙煎士でもあり、喫茶神戸館オーナの尾藤さんを先生に迎え、立ち上げた経緯、想いなどを中心にお話を伺いながら、「珈琲と福祉の凹凸のいい関係のつくり方」を学んでいきます。

美味しい珈琲にするためには、焙煎した後にコーヒーの風味に悪い影響を与える不良豆を取り除く豆の仕分け作業が欠かせません。

その作業を「ひとつのことに熱中する」ことを得意とする障がい者施設の方々に対価をお支払いしてお願いすることで、会社としては一緒に働くメンバーの作業を減らすことができ、障がい者施設としては、安定的に対価を働いてい方々に支払うことができる。ビジネスとして取り組むことで、継続が生まれます。そんな仕組みは、どのようにつくられていったのか?

途中、「豆の仕分け(ハンドピック)」のやり方などを、障がい者施設の方々から教えていただく時間もあります。

後半は、一人一人の個性を組み合わせてコトをつくるワークショップを実施し、一人一人の個性を組み合わせて価値をつくることについて考えていきます。

最後に、現在トリコのプロジェクを初めて3年目が経ち、もっと多くの人に届ける仕組みをつくるために、クラウドファンディング「珈琲と福祉の凸凹なイイ関係。トリココーヒーを広めたい!」に挑戦中のことなど、尾藤さんに、これからの展開のこともお話しただきます。

トリココーヒーに興味がある方はもちろん、共創でのものづくりに取り組むこと、福祉に興味がある方など、是非ご参加ください。

【スケジュール】
9:30 受付開始
10:00 授業開始、自己紹介
10:20 講義(トリココーヒー物語)
10:50 豆の仕分け(ハンドピック)など
11:10 ワークショップ
11:30 振り返り
11:50 トリコPJのこれからの話、まとめ
12:00 授業終了


授業コーディネーター:大野嵩明

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FAAVO名古屋栄との取り組みについてはこちらをご覧ください。

FAAVO名古屋栄コラボでチャレンジ中のプロジェクト「珈琲と福祉の凸凹なイイ関係。トリココーヒーを広めたい!

朝から天気に恵まれ……恵まれすぎて、午前中からうだるような暑さに見舞われた土曜日の朝に、伏見・喫茶神戸館にて、「珈琲と福祉の凹凸(デコボコ)のいい関係のつくり方~小さな焙煎工場からはじまったトリコプロジェクト~」が開催されました。



この日集まったのは、総勢17名。

ウェルカムドリンクとして振る舞われたコーヒーを味わいながら、大ナゴヤ大学の授業恒例・自己紹介タイムでは、簡単な自己紹介とともに、生徒の皆さんに授業参加のきっかけをお話しいただきました。

「コーヒーが好きだから」という方だけでなく、「障がい者支援施設で働いているから」「身近に障害のある人がいるから」と、“障がい者”や“福祉”をきっかけに参加した生徒さんが多く、皆さんの関心の高さが伺えます。



今回先生を担当するのは、トリココーヒーの生みの親・BEANS BITOUの尾藤さんです。はじめに、コーヒーができるまでの流れの解説とともに、尾藤さんと福祉との出会いが語られました。



トリココーヒーのはじまりは、“立ち話”だった
「ちょっと前まで、福祉の世界にはまったく縁がありませんでした」と語る尾藤さん。そんな尾藤さんと、縁が結ばれたきっかけは、ある日の立ち話でした。立ち話の中で、BEANS BITOUの焙煎工場の近くにある障がい者支援施設の職員さんから、「何か、利用者にできる仕事はないですか?」と相談されたことで、尾藤さんはコーヒーづくりの工程の1つ「ハンドピック」を依頼することに。

虫食いや割れ、発酵したコーヒー豆は、味わいを損ねる要因となるため、そんな豆を取り除くハンドピックは、上質なコーヒーとなる上で不可欠な工程です。一方で、目で見て選別する必要があるため、集中力と判断力を要します。さまざまな業務がある中で、集中して作業を行うことは簡単ではないと、誰もが想像できることでしょう。

授業の中でも、実際にハンドピック前後の豆の見比べをしてもらいましたが、生徒の皆さんも「……どこが違うんでしょうか?」と聞いてしまうくらいでした。



当時、BEANS BITOUとしても業務が増え、ハンドピッキングの作業はちょっと手間に感じるもの、面倒なものになり始めていたため、ある意味、施設からの相談は願ったり叶ったりの相談でもありました。

そして尾藤さんは、予想を遥かに超える作業精度の高さに、思わず目を見張ることになります。障がい者の方にとって、一つのことに集中して、「OK」のものを仕分けていく作業は、面倒どころか、とても得意なものだったのです。そして「これは商品にできるのでは?」とひらめいたことで、商品化をスタート。これが、トリココーヒーのはじまりとなりました。


トリココーヒーを、「また買いたい」と思ってもらえる商品とするために
誰かの苦手(凹)を、他の誰かの得意(凸)で解決する。そんな素敵な結びつきから生まれたトリココーヒー。そのコンセプトを伝えるため、そして一つの商品として魅力的なものとするために、尾藤さんはプロのライター・デザイナーさんの協力を得ながら試行錯誤を重ね、商品化を進めていきました。

障がい者の方に描いてもらったイラストを組み合わせたパッケージデザインはとても可愛らしく、特に若い女性の方に好評で、背景にある商品コンセプトを知ることで、より魅力を感じてもらえるようになったそうです。



また、経営者として、「自分たちの会社が元気であり続けることを大事にしてきた」と語る尾藤さん。ともすれば、障がい者の方と何かを行うことは、「ボランティア(奉仕)」の精神から、「まずは障がい者の方へ還元したい」という思いがよぎるでしょう。

しかしそれでは、(誤解を恐れず言えば)搾取の関係にもなってしまい、企業はだんだんと疲弊してしまいます。そうではなく、新たな取組を通して、まず自社の社員が活気ある状態を維持できるようにすれば、新たな仕事が生まれるきっかけともなります。尾藤さんは、そのサイクルを作ることを大事にしてきたのです。

現在は第2弾商品が発売されるだけでなく、ハンドピック以外の業務を依頼できるよう、新たな仕組みづくりをしているとのこと。今後の発展も期待できます。


「凸」と「凹」が組み合わさると、どんなことが「できる」?
トリココーヒー誕生までのあらましを説明いただいたところで、質問タイムスタート。

質問タイムと並行して、BEANS BITOUと提携を結ぶ「かかぽ」の皆さんに、コーヒーを振る舞っていただきました。丁寧に、きっちりとコーヒーを淹れる様子はまさに職人さん。生徒の皆さんもコーヒーを味わいながら、尾藤さんや、現在福祉の立場からトリココーヒーの展開を支える伊藤さんと会話を重ねていました。



それぞれの「凸」と「凹」を組み合わせて、できることとは?
授業のメインイベントでもあるワークショップでは、3〜4人1組になって、それぞれの凸(得意、好き)と凹(苦手、嫌い)を出し合い、何か新しい「コト」を生み出すことを体験。誰かの苦手を、誰かの得意で補い、つなげていくグループや、得意なことを上手に組み合わせていくグループなど、さまざまな「答え」が出てきました。



「なかなか難しかった〜」という声もありましたが、同時に「でも意外とカタチにできるものだね」という声があったのも、とても印象的でした。

最後は「コーヒー」を合図に、集合写真を撮影。
授業終了後も、生徒の皆さんが思い思いに言葉を交わしていました。



授業を振り返って
何かをしようとする時、人は思わず自分の「凸」の部分ばかりに目を向けてしまうのではないでしょうか。でも、自分にとって好きなこと、得意なこと、できることは、他の誰かにとって、嫌いなこと、苦手なこと、できないことであり、それらをパズルのピースのように組み合わせていくことで、新しい「コト」が生まれる。その可能性を感じる授業となりました。

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FAAVO名古屋栄でチャレンジ中のプロジェクト「珈琲と福祉の凸凹なイイ関係。トリココーヒーを広めたい!」(9/9まで)

レポート:伊藤 成美
写真:鬼頭 哲雄

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

尾藤 雅士 / 株式会社BEANS BITOU 代表取締役、焙煎士

喫茶店生まれ喫茶店育ち。9年前に家業の喫茶ポピーを継ぎさらに専門性を高めるために株式会社BEANS BITOUを設立、喫茶神戸館をオープン。名古屋市内、東京、広島などなど全国約50店に焙煎豆を卸している。産地として注目度の低いミャンマーの少数民族とのコーヒー作り、障がい者施設とフェアトレードを掛け合わせたトリココーヒーなどコーヒーの未だ見ぬ可能性を形にしている。幼少期から相撲をテレビ観戦して相撲ファン歴30年。コーヒーよりも相撲を熱く語る。 http://b-bitou.com/

今回の教室

喫茶 神戸館

住所:住所:名古屋市中区錦1-13-36
TEL:052-222-2422
地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅から、錦どおり沿いに名駅に向かって歩いて徒歩5分





地図を見る

喫茶神戸館は今日もあなたを気さくにおむかえするオフィス街のオアシス。「いってきます」と「ただいま」が言える場所。出勤前の心にゆとりを。レトロモダンな店内で珈琲と昔懐かしい喫茶飯を。

喫茶神戸館の珈琲は煎りたて、挽きたて、淹れたての鮮度にこだわった香り高き一杯。豆選びから焙煎まで、香りと味を確かめながら焙煎する焙煎士の職人技。是非、喫茶神戸館で本格自家焙煎珈琲をお楽しみください。

http://b-bitou.com/shop/