授業詳細

CLASS


あなたが輝く一足を育てる 〜革靴のお手入れ方法と靴との出会い方を学ぶ〜

開催日時:2020年02月08日(土) 14時00分 ~ 15時30分

教室:大ナゴヤ大学・事務所

レポートUP

先生: モニカ / 足と靴のアドバイザー

カテゴリ:【くらし】

定 員 :6人

※参加費:1000円(お土産の馬毛ブラシ代、靴クリーム代として)
※女性限定の授業です。
※汚れ落としで用いる馬毛ブラシは、授業後お持ち帰りいただけます。
※授業終了後、革靴を含む革製品のお手入れ方法に関する相談会を開催します(30分程度を予定)
※お手入れ方法のレクチャーに際して、手元が汚れる可能性があります。細心の注意を払って進めてまいりますが、念のため授業当日は汚れても大丈夫な服装、もしくはエプロンなどをご持参ください。
※レクチャーで用いるのは無色のデリケートクリームです。靴墨の使用を希望する場合は、個別にご準備ください。
※授業開催に際して道具類を準備する都合上、直前でのキャンセルはご遠慮ください。
いつだったか、こんな言葉を口にした人がいました。

「女性の輝きは、“先”に宿るんだよ」

毛先、指先、つま先……それらのお手入れが行き届いている女性は、確かにとても魅力的です。

髪の毛や手元など、人の目に触れやすい部分に気を配る人は多いですが、足元はどうでしょう。

実は後回しにしてしまう人が多い、靴のお手入れ。でも、靴のお手入れ方法をじっくり学ぶ機会って、考えてみたらなかなかありません。特に革靴は、お手入れ道具の種類もさまざまで、まずはどこから手を出せば良いのか迷ってしまう人も少なくないかと思います。

だったら一度、革靴のお手入れのイロハを、プロの先生に教えてもらいましょう!

今回先生を務めるモニカさんは、足と靴のアドバイザー。靴磨きの技術に加えて、タコやウオノメなどの足のトラブルに対するケアについても学んできた方で、靴選びや足のトラブルのケア方法や予防法などの知識もお持ちです。

授業では、革靴のお手入れ方法をデモンストレーションした後、実際にお手入れを体験していただきます。当日は普段お使いの革靴をお持ちください。革靴以外にも、名刺入れなどの革小物でもOKです。

もしも「革製品に興味はあるけれど、まだ持っていない」という方は、こちらで用意した革製品を使っていただくこともできますのでご安心を。

独学でお手入れしてきた方にとっては、答え合わせの機会にもなるかと思います。また「革靴は手入れが大変そうだし扱いにくい」と感じていた人も、実際にお手入れの手順を目にすると「意外とできそう」と感じるかもしれません。

おろしたての靴を履いたときのときめき、思わず口元がほころんで、足取りも軽くなってしまう気持ちを、ずっと守っていくための方法を一緒に学んでいきませんか。

【スケジュール】
13:45 受付開始
14:00 授業説明・自己紹介
14:10 革靴のお手入れの基本を解説&デモンストレーション
14:45 お手入れを実践!
15:15 “お気に入りの一足”に出会える方法とは?
15:30 終了

授業コーディネーター:いとうえん

●注意事項
※やむを得ずキャンセルを希望される場合は、お手数ですがdai-nagoya@univnet.jpまでお早めにご連絡ください。
実はわたくし、革靴を持っていない。
それどころか、お気に入りの靴すらほとんど無い。
理由は簡単。可愛い靴は疲れるからである。
ヒールが高い、幅が狭い、
爪や足首が痛くなる…。
先日も「いけるかも」と購入したパンプスを
手放してしまった。

お洒落とは忍耐ではないかと思う時がある。
身につけている時だけではなく、
お洒落なものは洗濯や乾燥も難しい(面倒な)
ものが多い気がする…。

「そんなことないですよ。
むしろ革製品は使っているうちに伸びるので、
履きやすくなってきますよ。」

えっそうなの?
大ナゴヤ大学恒例の自己紹介で
生徒さんからそう教えられ、いきなり目から鱗が落ちた。
聞けば、革の靴がお好きで、
20足くらい持っていらっしゃるらしい。
「良い手入れの方法を教わりたい」
と授業に参加されたそうだ。



モニカ先生も
「(履きやすさに加え)長持ちということを考えると、
やはり革製品は他と違いますよ」とおっしゃる。
先生は、きれい好き、
整頓好きが高じて靴磨きを始められ、
様々なトラブルに見舞われた靴を見る中で、
靴磨きのノウハウだけではなく、
トラブルそのものにも興味を持つようになったそうである。

まずは、
実際にお手入れをしてみましょうということで、
生徒の皆さんに靴を出していただいた。
思い思いに手入れされている靴がある一方で、
全く手入れしたことがないです…という靴も。
(先生は「やりがいがありますね」とにっこり。頼もしい!)
しかし、一緒に色々な所を歩いてきて、
大切にされていることが伝わる。
お気に入りの靴が無い身としては、
何だか羨ましい。



ポイントは、お化粧と同じように考えること。
よく考えれば、
革製品も、わたしたちと同じ「皮膚」だものね。

お化粧で最も大切なのは、汚れを落とすこと。
いくら疲れていても、面倒でも、
前日のメイクの上に更にメイクをするのは…
確かにめちゃめちゃ抵抗ある!

その後の手順やポイントも
メイクになぞらえて教えていただいた。
【手順】
①クレンジング…埃や汚れをきれいに落とす
②スペシャルケア…
デリケート(保湿)クリームを馴染ませる。
③メイク…靴磨きクリームを軽く塗る。
④仕上げ…ブラシで軽くこする。

【各工程のポイント】
①クレンジング
マストの工程。
特に馬毛ブラシを用いての埃落としは、
帰宅後ごとにササッと行うだけで持ちが変わるそうだ。
月1回程度の頻度で、
専用のクレンジング剤を用いての汚れ落としを行う。
紐がついている靴は紐をほどいてやると良い。
また、シューキーパーなどを入れると、
埃がさらに取りやすくなる。



②スペシャルケア
クレンジング剤にも保湿効果があるが、
使用頻度や革の状態によっては
少し物足りなく感じることも。
そこで登場するのがデリケートクリームだ。
肌のお手入れでいうところの美容液の役割。
布を指に巻いて、デリケートクリームを
靴の内側(土踏まずあたり。
万が一色の変化が起こっても目立ちにくいため)
から全体に塗っていく。
布は布団シーツなど、
綿素材で埃などが出にくいものであれば何でもOK。
肌のお手入れと一緒で、ゴシゴシこするのはNG!

③メイク
靴の色味にあった靴クリームを塗る。
今回は小さな丸いブラシを使った。
デリケートクリームと同じく、
優しく馴染ませることがポイント。
なお、クリームをブラシで取った後に
蓋の内側でくるくる回してから塗ると、ダマになりにくい。

④仕上げ
豚毛ブラシでこする。
ここでは、逆に全体をゴシゴシこする方が良い。
これをメイクで例えると、
化粧下地やリキッドファンデをハンドプッシュで
肌を温めて馴染ませる工程にあたるらしい。
なるほど!摩擦熱で温めるのか!
加えて、ストッキングや専用のグローブなどで
こすることによってツヤ出しの効果もあるらしい。
手早く行うことがポイント。



思ったよりお手軽な4工程。
特に最初の2つが大切なのだそうだが、
慣れれば10分くらいで出来そうである。

「しっとりしてきた!」「潤ってる!」
工程をクリアするたびに、
うきうきした声があがる。
確かに、表面が滑らかになり、
色も明るくなっていく。これは楽しい。
持参された靴たちは、
生徒さんの丁寧なケアによって
どんどんつややかになっていった。



そして、次第に質問が飛び交うように。
「どれくらいの頻度でお手入れすると良いのか」
「雨対策には何が良いのか」
「馬毛ブラシと豚毛ブラシの違いは」etc…
一つ一つモニカ先生に答えていただいたが、
総合すると、気になった時に(簡単で良いので)
手入れすることが長持ちの秘訣のようだ。



一通り磨き終わったところで、
授業コーディネーターのいとうえんさんが
3足の靴を紹介した。
フラットシューズ、ローヒールの紐靴、
ヒールが高めのブーティー。
全て彼女の私物である。
「問題です。この中で、
私が一番履きやすいと思っている靴はどれでしょう?」
正解はヒール高めのブーティー。
なんと全員はずれ。



「一般的にヒールの高い靴は疲れやすい
と言われていますが、
この靴はヒールがしっかりしていて
重心が取りやすい上に、
私の足の形に合っているので、
長時間履いていても疲れないです。
とても良い出会いでしたね」とのこと。
逆に、ヒールが全く無くても足に合わなければ、
かえって足を痛めてしまうこともあるそうだ。
実際に、いとうえんさんが
一番歩きづらいと感じているのは、
フラットシューズとのこと。

「裸足で歩くネアンデルタール人にも、
外反母趾の骨が見つかっているそうです。
ヒールが低ければ良い、というものではなく、
踵の広さや足の幅などをきちんと計測して、
自分の足の個性に合ったものを
探すことが大事になります。」

「歩き方の癖や腰、首の歪みがあると、
靴底の一部がすり減ってより重心が取りにくくなり、
歩きにくくなります。
身体全体と相談するという観点も大切でしょう。
個人的には五本指の靴下やストッキングがお勧めです。
足の指が解放されることで、
しっかり踏ん張れるようになりますよ。」

モニカ先生からも補足していただき、
思わず自分の履いてきた靴をまじまじと見てしまった。
防寒重視の重たいブーツ。
無意識にもち上げようとしているから、
足首が痛くなるのだろうか…。

お洒落とは自分が我慢することではなく、
自分を知ることだったのだ。

「自分に合う靴を探すのは大変かもしれない。
でも、自分の個性を見つめて、
それにフィットするものを探すことは、
一種の自分探しとも言えるでしょう。
そして、自分に合うものに出会ったら、
大切に使っていく。
そうやって自分を大切にすることで
悩みが減っていくのではないだろうか。」

私は革靴を持っていない。
けれど、今日は帰ったら
靴箱にある靴の埃をはらってみよう。
素敵な出会いに
胸をふくらませて歩き出す日のために。



レポート:まつじゅん
写真:鬼頭哲雄

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先生

モニカ / 足と靴のアドバイザー

清潔にする、整えることへの関心が強い“きれい好き”。もともと革製品が好きだったことから、靴をきれいに保つために欠かせない靴磨きの技術を学び始める。また、タコやウオノメ、巻爪といったトラブルに対するフットケアの専門的なスキルも持つ。将来の目標の一つは「足や靴のトータルケアを提供すること」。

今回の教室

大ナゴヤ大学・事務所

住所:愛知県名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201号室
※地下鉄上前津駅 8番出口 徒歩3分程
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