授業詳細

CLASS


名古屋大学 留学生センター共催 ワークショップ
 ~長野県遠山郷「霜月祭」の舞と笛を学ぼう~

開催日時:2011年11月23日(水) 13時30分 ~ 16時30分

教室:名古屋大学留学生センター2F 207講義室

レポートUP

先生: 浮葉 正親 / 名古屋大学 准教授
下栗拾五楽坊(じゅうごがくぼう)のみなさん 野牧孝浩代表、胡桃澤拓己(高校生)他3名 /

カテゴリ:【歴史・文化】

定 員 :10人

※1:本授業は先着順にて申込いただけます。
※2:当日は13時15分より受付を開始しております。



今月5日〜6日は昨年度に引き続き、<南信州「下栗の里」社会見学 2011>
として長野県の南端に位置する遠山郷(飯田市上村)の「下栗の里」を訪れ
地元の方たちとの交流を楽しんできました。

その下栗の里では、来月12月13日に国の重要無形文化財に指定されている
霜月祭が行われます。

このお祭りは、スタジオジブリの長編アニメーション映画
「千と千尋の神隠し」で、神々が湯治に訪れるという発想のモデルとなった
とも言われ、宮崎駿監督はテレビでこの祭りの存在を知って強い影響を受けた
そうです。(天竜川流域の村々に霜月祭は伝わっています。)

下栗の里では、里の魅力をもっと知って、それを受け継いでいこうとする若者たちが
「下栗拾五楽坊(代表:野牧孝浩)」というグループを結成し、祭の継承や
里の発展のためにさまざまな活動をしています。

今回の授業では、下栗拾五楽坊のみなさんに来て頂き、霜月祭で行われる
「たすきの舞」や笛の吹き方を一緒に学びます。

昨年、ガイダンス授業の先生を務めて下さった、名古屋大学の浮葉正親先生によって、
名古屋大学留学生センターにて大ナゴヤ大学と共催という形で行われ、
留学生のみなさんも参加します。

日本の山村の伝統文化に直に触れる貴重な機会です。
昨年からの「下栗の里」授業にご参加頂いた方、興味をもったみな方、
今年の霜月祭りに参加を考えている方、留学生と一緒に学び現地の方々と交流しましょう。

【授業の流れ】
13:15 受付開始
13:30 開会挨拶
13:45 下栗の里や霜月祭に関する説明
14:00 ビデオ上映(「遠山霜月祭下栗編」ビジュアルフォークロア制作)
15:00 たすきの舞、笛の実演
15:30 たすきの舞、笛の講習
16:15 振り返り、アンケート記入
16:30 終了


主催 名古屋大学留学生センター
共催 大ナゴヤ大学
協力 下栗拾五楽坊(野牧孝浩代表、胡桃澤拓己(高校生)他3名)
    長野県飯田市

(授業コーディネーター : 市野 将行)
大ナゴヤ大学では、昨年度に引き続き2011年11月5日~6日に、【南信州「下栗の里」社会見学】として、長野県の南端に位置する遠山郷(飯田市上村)の「下栗の里」を訪れました。


本授業のタイトルにもある「霜月祭」は、国指定重要無形民俗文化財に指定されており、毎年12月13日に「下栗の里」で行われています。昨年度も、「下栗の里」が大好きな方々が有志で集まり、「霜月祭」に参加していました。


今回の授業は、前半は昨年「下栗の里」社会見学の事前ガイダンスを務めて下さった名古屋大学の浮葉先生による「霜月祭」に関する説明を聞き、祭りに関する知識を深め、後半は、下栗の里から「下栗拾五楽坊」(下栗地区の伝統文化・郷土芸能を楽しみながら継承し、里の魅力を他地域へも発信していくことを目的として結成され、霜月祭も支える若い担い手の団体)の皆さんに来て頂き、祭で行われる「たすきの舞」や笛の吹き方を一緒に学びます。


また、今回の授業は、名古屋大学留学生センターさんとの共催という形式で行われ、留学生の皆さんもたくさん参加してくれました。


【霜月祭ガイダンス編】

最初に、浮葉先生から、「下栗の里」の位置・地勢についてのお話を聞きました。

下栗の里がある飯田市上村地区は、現在の国道152号線にあたる秋葉街道沿いに位置し、秋葉街道は、海のないこの地区に塩を運ぶために使われ、さらに軍事的な重要性もありました。例えば、上洛を決意した武田信玄はこの道を通って遠州・三河を攻略しました。その後、諏訪と秋葉を結ぶ信仰の道として発展していったそうです。(静岡県浜松市の秋葉山の山頂に、秋葉神社があるそうです。)


下栗の里に、なぜ霜月祭のような祭が行われるようになったのかということがわかり、大変面白い話を聞くことができました。地域のことを知るのに、まずはその地域の歴史を学ぶことは大切だなと感じました。


続いて、「霜月祭」の貴重な映像を見ながら、祭の中で行われている様々な行事についてのお話を聞きます。


ちなみに祭は、毎年12月1日にきしめ仕込み(甘酒)づくりがはじまり、12月12日に宵祭り、12月13日には本祭りがはじまり、翌日の午前3時頃まで行われます。


行事は、開式、水迎え、釜清め、座揃い、神名帳、式の湯(拾五社の湯)等と続いていきます。

それぞれの行事に意味があるのですが、特徴的なものを紹介します。

 神名帳:日本国内66ヶ国の総社の神々名前を呼び、神々を祭に招待する儀式。

 湯立て(式の湯・天王の湯・村内安全祈願の湯など):釜で湯を煮えたぎらせ、その湯をもちいて神事を行う。霜月祭では、素手で湯を払うようにして、湯をまいていました。この湯を浴びると、1年間平穏で健康に暮らせるそうです。浴びたいですが、本当に熱そう。

神面:各神社に伝わる神の面を着けた舞人がおどる面おどり。祭の一番の見どころで、日付が変わる頃にはじまり、夜を徹しておどり明かすそうです。(午前3時頃まで)


【霜月祭体験編】

霜月祭のことを理解した後は、下栗の里から来て頂いた「下栗拾五楽坊」の皆さんに、舞と笛を教えてもらいます。

まずは、先生の実演をみんなで見学し、祭の雰囲気を体験しました。続いて、舞と笛を習う2つのグループに分かれて練習を開始。

笛や太鼓などの道具は、お宮の中で大切に保存されていて持ち出せないので、保存会から道具を借りてきていただきました。ありがとうございます。


笛の先生の胡桃澤さんは、若い時にUターンで下栗に戻り、祭で吹かれている笛や郷土の舞などが継承されていないこと知り、自分で笛を買って、聞きながら笛のメロディーを覚えていったそうです。ちなみに、譜面がないので指の使い方を見たり、何回も聴いて覚えたそうです。

「下栗拾五楽坊」に入った方は、必ず最初に笛を覚えるそうです。


祭で使われている笛は、しの笛(横笛)で、ほとんどの生徒さんは、吹いたことがない様子。音を出すことが難しく、生徒さんは苦戦していました。ずっと練習していたので酸欠になりそう、、、、という生徒さんもいました。


一方、襷(たすき)の舞を習っているチームは、先生の野牧さん・拓己くん(高校生)に、舞を習っていました。先生の舞を見ながら、太鼓や笛に合わせて何回も踊っていました。とんびの舞とも呼ばれていて、翼を大きく広げているとんびを表現しているそうです。何度も、音に合わせて踊っていたので、かなりハードだったと思います。


最後に、笛と舞チームが一緒になり、みんなで疑似霜月祭を体験。下栗の里の皆さん、大ナゴヤ大学の生徒さん、留学生の皆さんは、本当に楽しそうに踊っていました。


今回の授業を通して、下栗の里や霜月祭に対する理解が深まりました。本当に素晴らしい授業、ありがとうございました。


12月13日に開催される霜月祭には、大ナゴヤ大学からは有志で集まっていく予定。楽しみにしています。下栗の里の皆様、霜月祭でまたお会いしましょう!




(ボランティアスタッフ 大野嵩明)

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. 私の名前は浮葉です。2か所<場>になっています。直してください。

それから、<さらに武田信玄が遠州・三河を攻略するための軍用道路として発展>というのを、<さらに軍事的な重要性もありました。例えば、上洛を決意した武田信玄はこの道を通って遠州・三河を攻略しました。>と直してください。

よろしくお願いします。
2011年12月08日(木) 20時37分(ウキチャン)
2. レポートを担当した大野です。

浮葉先生へ

先日の霜月祭りでは、色々教えていただきありがとうございました。

レポートの件、訂正しました。失礼いたしました。
2011年12月22日(木) 9時24分(タカアキ)
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この授業への皆さんからのトラックバック

霜月に神々集う修験の里  今回参加した授業は、なんと名古屋大学で行われました。アカデミックですね。しかも、名古屋大学留学生センター共催のワークショップで、大ナゴヤ大学の生徒さんだけじゃなく、名古屋大学留学生の方々も生徒さんとして加わった、いわゆるコラボ授業
2011年11月25日(金) 5時42分【空想俳人日記】

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先生

浮葉 正親 / 名古屋大学 准教授

長野県安曇野出身、1960年生まれ、名古屋市天白区在住   大学教員、留学生への日本語・日本文化教育が主な仕事。 専門は文化人類学・民俗学、韓国で祭や占い師の調査をしたり、 在日朝鮮人文学の研究をしている。学生時代に長野県飯田市の 「下栗の里」に通い、明治末生まれの方々から貴重な話をうかがう。 その経験を買われ、「下栗の里」の魅力を多くの人に伝えるお手伝い をすることになった。 紹介URL http://www.ecis.nagoya-u.ac.jp/about/staff/ukiba.html

下栗拾五楽坊(じゅうごがくぼう)のみなさん 野牧孝浩代表、胡桃澤拓己(高校生)他3名 /

長野県飯田市上村、下栗地区の伝統文化・郷土芸能を楽しみながら継承し、 地元下栗の魅力を他地域へも発信していくことを目的として結成された 国の重要無形民俗文化財に指定されている「霜月祭り」も支える若手担い手団体。

今回の教室

名古屋大学留学生センター2F 207講義室

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地下鉄名城線「名古屋大学」下車
1番出口から徒歩3分

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