ストリートダンスと聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか？
「カッコイイ！」、「最近流行ってるアレ？」、「なんか怖い！」…等々
様々なイメージをお持ちの事かと思います。

そんな「ストリートダンス」が何かを知り、なおかつストリートダンスの基礎を
学んで踊って楽しもうという授業が、晴れ渡る青空が広がった日曜日のお昼過ぎ、
JR鶴舞駅近くのダンススタジオ「NEXX」にて行われました。

今回参加して頂いた生徒さん達には、まず個性豊かなダンスファッションに
着替えていただき、待ち時間中は各自準備体操を行ってもらいました。

授業が始まると同時に、重厚なダンスミュージックと共に今回の授業の講師を務める
「RINO」先生が生徒さんの背後から颯爽と登場し、キレのあるダンスパフォーマンスを
披露して頂きました！
思いもよらぬサプライズな登場に、これがストリートダンスなのかと言った感じで
生徒さんたちも魅了されていました。

ダンスパフォーマンスを終えた後、RINO先生から自己紹介をしていただきました。
RINO先生は１０代の頃からストリートダンスを始め、様々なダンスコンテストに
出場し、多数の入賞をされてきたそうです。現在はデザイナーの仕事や、
ストリートダンス教室の講師などもされているとの事。
「最近ストリートダンスは人気が出てきて『グイグイ↑↑』きているので、今回は皆さんと
ダンスの楽しみを共有できたら」とおっしゃっていました。

次に、生徒さんたちの自己紹介と、本日着用しているダンスファッションについての
こだわりを語っていただきました。
今回参加された生徒さん達は、ストリートダンスの経験がほとんどなく、
やっていたとしても、フラメンコやサルサなど、ジャンルの異なるダンスで
未知のダンスに興味があるので、やってみたかったと言う方がほとんどでした。
また、ファッションのこだわりについては、

「とりあえず動きやすい格好重視でジーパンとかはやめておいた」
「おみくじで今年のラッキーカラーが赤なので、全身赤でキメてみました！」
「帽子がアクセントです！」
「ミッキーマウスのプリントTシャツを着てきたので、ミッキーと一緒に踊りたい」

等々、様々なこだわりを語っていただきました。

続いて、RINO先生からストリートダンスについての解説を行なって頂きました。
そもそもストリートダンスについてどんなイメージを持っているかを
生徒さんに尋ねたRINO先生。生徒さんからは

「若者がやっている、カッコイイ印象」
「やんちゃな人がやっている感じ。ファッションが素敵」
「夜に外で練習してるイメージ」
「地面に頭をつけてぐるぐる回ってるイメージ。芸能人がやってる印象。

といった意見がでました。

それらの言葉を紙に書き出し、ストリートという言葉と結びつけ、
ストリートダンスは文字通り、街発祥のダンスだと言う事と、
さらにストリートダンスにも綿密に言うと、いくつかの種類にわかれていて
ブレイクダンス、ヒップホップ、ロック、ポップダンス、ハウス等の種類があり、
それに対して、ジャズ、サルサ、バレエなどのダンスは別のジャンル
と言うことを説明されていました。

そして、ストリートダンスと密接な関係にある「クラブ」についてのお話も。
クラブの中にはラウンジスペースとダンスホールがあり、ラウンジスペースでは
お酒を飲んで社交したりする場で実際、踊らない人もいるそうです。
ダンスホールは、場をしきるMCとディスクジョッキーがかける音楽に
合わせてみんなで踊ったりするそうです。

クラブは、昨今「風営法」の取り締まりの関係で、営業時間も昔のようには
できなくなっているとの事。本当は朝5時まで営業したい所を現在は1時までという
制限で営業するようになってしまった事について、生徒さんに意見を聞いてみると、

「治安の観点からみると、仕方ないのでは？」
「朝までやってるというのは、やはりアブナイ感じがする」

という意見もあれば、

「中途半端に1時に終わっても終電ないし、むしろ5時までやっていたほうが安全では？」

という意見も出ました。


ダンスをやってよかったことは？
という質問に対して、ダンスを通じて様々な人と
出会い、ダンスで心が繋がる喜びを知ったというRINO先生としては、
風営法によって一律に規制されてしまうことは、あまり良いとは思っていないようで、
ダンスの人気が衰退してしまうのではないかと懸念されていました。

クラブは悪いイメージもあるが、今、大人気のEXILEも元々ストリートダンサー出身
であるし、クラブから様々な有名人も出ているわけで、昔のようなクラブの
営業形態がないと、新しいアーティストが生まれなくなってしまうのではないかとも
おっしゃっていました。

そしてついに、ダンス実践タイムです！

RINO先生の指導のもと、まずはみんなで手拍子をして、リズムの感覚をつかみ、
ストリートダンスの基本動作である、直立から少し膝を曲げる「ダウン」と
膝を曲げた状態から直立にもどる「アップ」の動作を練習しました。
次に、リズムにあわせて首を動かし、ダウンの動作をしつつ左右に移動するという
動作を行いました。

なれない生徒さん達はやはり最初はガチガチの固い動きになってしまっていましたが、
RINO先生が「難しい事考えずに」、「足で左右のボタンを押す感じで」など、
冗談などを交えた適切なアドバイスで生徒さん達を和ませていました。

さらに、先ほどの基本動作を行いつつ、ダウンのステップを踏みながら足を上げたり、
ポンプを押す感じで腕を下げる動作や、腕をぐるぐる回すなどの応用動作を行いました。

実際、私もこのダンスをやってみましたが、足だけの基本動作だけならまだしも
同時に腕を動かすことを意識したりすると、わけがわからない動きになってしまい、
思うようには踊れなかったので、軽快にダンスできる人って凄いなと思いました。

最後は、それらのコンビネーションで一連の動作を音楽にあわせて踊り、
ストリートダンスの基礎をしっかりと学ぶことができました。
授業終了後は、クラブイベントに興味をもった数名の生徒さん達が
実際に栄のクラブに出向き、イベントに参加してクラブデビューをしました。　

今回のダンスの授業を通して、私が感じた事としては、
ストリートダンスや、特に「クラブ」という言葉を聞くと、過去の様々な事件から
どうしても、マイナスのイメージを持ってしまいがちですが、
今回の授業を通じて、実際はそんなに怖いものでもないし１つのサブカルチャー
であるというだけで、そういった先入観がなくなればいいなと思いました。

実際に私自身、ストリートダンスをやっている人は怖いという先入観があって、
RINO先生も、どういう方が知らなかったので、授業中に少しでも不手際があったら、
蹴りでも飛んでくるような人じゃないかと心配していましたが、
実際はとても礼儀正しく、生徒さんに対しても終始明るく振る舞い、
場をなごませていて、ダンス以上の人柄の良さを感じました。

そんなRINO先生には、これからも活躍して頂き、ストリートダンスの価値観が少しでも
良い方向に変わっていって、EXILEを超える新しいアーティストが生まれてくると
いいなと思いました。

（ボランティアスタッフ　河津 一輝）