授業詳細

CLASS


おとなの社会見学 ~中部経済圏唯一の鉄鋼一貫製鉄所 新日鐵住金株式会社~

開催日時:2012年12月27日(木) 13時30分 ~ 16時45分

教室:新日鐵住金 名古屋製鉄所

レポートUP

先生: 新日鐵住金 名古屋製鉄所の職員さん /

カテゴリ:【ものづくり】

定 員 :12人

※1:当授業の対象は、安全管理のため、高校生以上で、階段の上り下りができる方とします。
※2:本授業の抽選は2012年12月10日(月)に行います。(抽選予約受付は12月10日(月)13時までとなります。)
※3:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2012年12月12日(水)18時まで、先着順でお申し込みを受付いたします。
※4:受付は、名鉄「新日鉄前駅ロータリー」でおこないます(出口は1箇所のみ)。
※5:参加料は無料です(授業終了後に大ナゴ大学の運営のための寄付・募金をご協力いただくことがあります)。


今回は、知多半島キャンパスの協力を受け、「おとなの社会見学」として、生産規模世界第2位!の鉄鋼メーカー「新日鐵住金株式会社」の一翼を担う、東海市にある名古屋製鉄所の工場見学をおこないます。 

日本だけではなく、世界を代表する会社の普段は入ることも、観ることもできない「鉄」が造られる、まさに生産現場の最前線を教室として工場見学を開催します。 
 マグマのように溶け流れる「鉄」が見たこともない大きな機械で、冷やされ、そして、延ばされ、「鉄」と成る様子などを見学します。
 見学したことがあるスタッフいわく「地球の成り立ちを感じた!まさに、宇宙だ」
とのこと。ぜひ、ぜひ、みなさんも体感してください!
運が良ければ、製鉄会社の構内などでしか見ることのできない巨大な運搬車やクレーン車などを見ることができるかも?
 また、鉄も溶けるほど熱い!?鉄鋼マンのお話も楽しみの一つです。
 ときには熱く、ときには固い「鉄」ができるまでを学ぶ「大人の社会見学」で今年を締めくくりましょう。

※ 鉄鋼一貫製鉄所
  鉄鉱石から鉄を取り出し,これをもとに鋼板,鋼管,形鋼,棒鋼,亜鉛鉄板などの最終製品を作り出す製鉄工場

【教室】:新日鐵住金株式会社 名古屋製鉄所

【受付】:名鉄「新日鉄前駅」 午後1時30分(時間厳守)
      ※ 普通電車のみ停車しますので、ご注意ください

【時間】:2012年12月27日(木) 午後1時30分

【スケジュール】
  13:30 集合・受付開始(新日鉄前駅・出口は1箇所のみ)
  13:35 徒歩にて、新日鐵公園へ
  13:45 30秒自己紹介
  14:00 バスにて移動
  14:10 工場見学開始
  16:00 工場見学終了
  16:10 質問タイム
  16:45 授業終了

【その他】
 授業終了後、生徒さん&スタッフで自由参加・実費負担の懇親会を予定しています。

【交通アクセス・集合時間参考】
  名鉄「新日鉄前駅」 午後1時30分(時間厳守)
  ※ 普通電車のみ停車しますので、ご注意ください
   
■名鉄名古屋 (参考:名古屋方面より)
|  名鉄常滑線急行(河和行) 16.4km
|  12:56-13:06[10分]
|  390円
◇大江(愛知) [8分待ち]
|  名鉄常滑線(知多半田行) ↓
|  13:14-13:28[14分]
|   ↓
■新日鉄前


【注意事項】
※原則、参加者の方の授業内の撮影は禁止とさせていただいていますが、写真撮影が可能なスポットなどでは、授業の進行を妨げない範囲で撮影をしていただくことができます。

※お申込者1名につき、1名の参加となります。ご家族などの同行、同伴につきましては、抽選によってお応えできない事がある旨を了承ください。

授業コーディネーター: 岩間 貴司・大橋 あゆ美・加藤 慎康
 2012年最後の授業は、東海市にある新日鐵住金(株)名古屋製鐵所で行われました。
見学者センター内での自己紹介と広報担当者による簡単なガイダンス、質疑応答を除い
ては、全て工場内を見学というスタイルで行われました。

 まずは、ガイダンスで新日鐵住金の沿革や事業内容、名古屋製鐵所の立地環境、雇用
状況、勤務体系などの説明がありました。また、具体的な製品説明や緑化などの社会
貢献活動についてのお話もありました。
 ここで驚いたのは、名古屋ドーム130個分という広大な敷地面積や、働く人々の
多さ(13500人)です。桁違いの数字に、「鉄を作るのって大変なんだなぁ」ぐらいの
ことしか考えられませんでした。

 さて、いよいよ工場見学です。
 で、ここで忘れてはいけないのが、見学必須アイテムです。工場内は安全第一なので、
ヘルメット、軍手、イヤホン(説明を聞くため)をお借りしてバスに乗り込みます。
見学者センターがある新日鐵公園は福利厚生施設で、工場はここにはありません。
公園からバスで数分のところにある埋立地が工場になります。

 名古屋製鐵所はまるでひとつの街のように機能していて、事務所、工場以外にも、
コンビニ、ATM、病院などがあり、驚くことに火力発電所までもがあります。
一日に1万台が通過するという門をくぐると、原材料や溶かした鉄を運ぶための鉄道が
設けられ、スラブ(溶かした鉄を固めたもの)を運ぶための不思議な形をしたキャリア
カーが行き来しています。説明によると、このキャリアカーは1億7000万円もするとの
こと。そのスケールの大きさに、いちいち驚いてしまいました。
 また、同じく驚きだったのは、周辺住民あるいは環境への配慮です。従業員による緑化、
工場敷地内から原材料が飛散しないための散水車や防塵ネットの設置、利用水のリサイ
クルなどなど。種から育てたというどんぐりの木は大きく育ち、熱田神宮の8倍もの森に
成長していました。

 名古屋製鐵所は銑鋼一貫製鉄所なので、原材料の調達から最終製品の仕上げまでを
行います。その工程は、
「製銑工程」(原材料を混ぜて溶かす)→「製鋼・連続鋳造工程」(製錬し固める)
→「厚板工程」(厚い板に延ばす)or「熱延工程」(薄く延ばしコイル状に巻く)
(ほかに、お客様のニーズにあわせてメッキ処理などを施す場合もあります。)
そして、敷地内には工程ごとに巨大な建屋があります。
 今回の見学では、敷地が広大であることと安全第一のために、バスで移動し、車窓
から眺めること多かったのですが、製鋼と厚板は工場内で説明を聞きながら、見学
させていただきました。
 製鋼工場は製錬と鋳造を行うのですが、ここでの最終製品である巨大な鉄の塊
(スラブ)が出てくるところと、その端を切断する処理は圧巻です。あまりの高温に
半透明にみえる真っ赤な鉄の塊が、少しずつ少しずつ現われ、ローラーの上を移動
していきます。そして製品としては不安定な端を、これまた巨大なバーナーでゆっくりと
切り落とします。大きな機械音と飛び散る火花、離れてみていても伝わってくる熱気に
圧倒されました。
 この工程はほとんどが無人化されているのですが、スラブが出てくるところは、
従業員が間近で見守ります。一歩間違えば大惨事になるであろう現場で、潜水服の
ような作業着と手袋、安全靴、ヘルメットを身に着けた従業員の方たちの姿を目にし、
作業の安全を願わずにはいられませんでした。

 次の厚板工場では、熱したスラブをお客様の注文に応じ、いろいろなサイズに延ばし
ます。もとが大きなスラブなので、それをさらに延ばすと、巨大な鉄板が出来上がります。周囲の声が聞きとれないほどの大きな音をたてながら、鉄板がローラーの上を移動して
は延ばされ、90度回転してはまた延ばされ・・が繰り返されます。
 製鋼工場と同様に、ここもコントロール室からの遠隔操作で作業が行われ、現場には
ひとがいません。しかし、そこには大きな「安全第一」の看板があり、そこかしこに
事故防止を呼び掛ける注意書きがありました。

 見学を終え、工場内から見学者ルームに移動するときに、同行の広報担当者から教えて
頂いたのは、門を通るときに守衛さんに「ご安全に。」と敬礼することでした。工場内
では声では伝わらないので、敬礼で挨拶を交わすからだそうです。やはりここにも
「安全第一」がありました。

 最後の感想、質疑応答ではいろいろな発言がありました。「スケールの大きさにびっくり」
「コンピュータ化されていても安全対策の意識が高い」「かっこいい芸術品をみるよう
だった」「仕事をする上でのプライドは?(生活に欠かせない鉄を作っているという
プライド)」「お客様のニーズをどう把握するのか?(専門部署が企業と打ち合わせする)」
などなど。

 この授業に参加するまで、「ハウルの動く城」を連想させるような巨大な高炉に象徴
される製鐵工場に対して、とても無機質なイメージを持っていました。しかし、製鐵に
誇りを持ち、現場の安全を第一に作業する人々に出会い、ここはひとの血が通った
素晴らしい製造の場だと感じました。

 どうかこれからも「ご安全に!」

ボランティアスタッフ:加太 恵

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

新日鐵住金 名古屋製鉄所の職員さん /

今回の教室

新日鐵住金 名古屋製鉄所

住所:〒476-8686 愛知県東海市東海町5丁目3番地
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1964年(昭和39年)に鉄鋼一貫体制を確立して以来今日まで、中部経済圏唯一の鉄鋼一貫製鉄所として、優れた製造技術と商品開発力で多様なご要望にお応えしてきています。