授業詳細
CLASS
黄昏時の公園で、祭りの笛を吹く
開催日時:2013年06月08日(土) 18時30分 ~ 20時30分
教室:ヌンクヌスク鶴舞公園
レポートUP
先生:
新美 優 / 笠寺猩々保存会会員・知立神社神楽保存会会員・日本民俗音楽学会会員
カテゴリ:【歴史・文化】
定 員 :12人
※1:本授業の抽選は2013年5月30日(木)に行います。(抽選予約受付は2013年5月30日(木)13時までとなります。)
※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2013年6月6日(木)18時までに、先着順でお申し込みを受付いたします。
※3:18:00より受付を開始します。
※4:参加費として1,000円(ワンドリンク込み)を頂戴いたします。
お祭りといえば・・・※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2013年6月6日(木)18時までに、先着順でお申し込みを受付いたします。
※3:18:00より受付を開始します。
※4:参加費として1,000円(ワンドリンク込み)を頂戴いたします。
露店や花火、踊り、太鼓、そしてお祭りを楽しむたくさんの人たち。
「お祭り」という言葉からは、楽しい風景がいろいろと想像できます。
その中でも今回の主役は、「笛」。
お祭りの中心で凛として笛を吹く姿、とてもカッコいいですよね。
みなさんは、笛を吹いたことはありますか?
音は出せても、カッコよく吹くのはなかなか難しいものです。
試しに吹いてみたい。
できるならカッコよく、楽しく吹きたい。
そんな想いをこの授業で叶えちゃいましょう!
先生は、若き笛フリークの新美優さん。
大学時代に笛と出会い、今でも本業の傍ら、お祭りと聞けば笛を片手に各地を飛び回っています。
先生は、笛はもちろん、笛を取り巻くお祭り文化にも博識。
特に大好きな「熱田神楽」については、お腹いっぱいになるまで語り続けてくれます。
授業では、その「熱田神楽」についても語っていただきます。
先生秘蔵のお祭り映像をみながら、先生が思うお祭りの面白さ、そして「通」ならではの楽しみ方を伝授してもらいましょう。
お祭りの面白さを学んだ後は、いよいよ実践編。
お祭りで耳にする笛の音って、どんな音なんだろう?
どうやって音が出るんだろう?
先生いわく、「音の出る仕組みさえわかれば、なんでも笛になるよ」とのこと。
その仕組みを学びつつ、実際に笛を吹いてみます。
先生のコレクションしている笛、みなさんに持ち寄ってもらった、「いわゆる、笛ではない笛」。吹きながら、笛の世界の奥深さを感じるはず。
授業は、初夏の風が気持ち良い、公園内のカフェで行います。
みんなで笛の魅力を探り、できればカッコよく吹いてみましょう!
■授業の流れ■
18:00:受付開始
18:30 1)授業開始・自己紹介
2)お祭りを見て、聞いてみよう
3)笛トーク
4)いろんな音を聞いてみよう
5)いろんな笛を吹いてみよう
20:30:アンケート・記念撮影後終了
(授業コーディネーター / 吉塚定生)
昼間の暑さも和らいできた黄昏時。
笛の音色に誘われて少しずつ生徒が集まってきた。
場所は7月オープン予定のカフェ「ヌンクヌスク」。
鶴舞公園内にある。
「触っても良いですか?」
―「吹いてみますか?」と先生。
授業はまだ始まらない。それでも待ちきれずに笛を吹きだす。
ゴザが敷かれた会場の中央に笛が置かれている。その数およそ20。
生徒は笛を囲うように座りだす。
「お祭りの笛をみんなで吹いてみよう」「普通とは違うお祭りの楽しみ方は?」
これが本日の授業テーマ。
【先生と笛・まつり】
「ちなみに、笛の経験をしたことある人は?リコーダー以外で。」
(12人のうち3人が挙手)
「笛を吹く経験はあまりないので、いっぱい吹いてみてください」
開始のあいさつも早々にまずは先生のお手前を披露。
♪~ ♪~ ♪~
「この曲は「お天道カグラ」といって、カグラを習う人が最初にやる曲です」
―「カグラ」ってなんですか?
「もともと神様が宿る場所のことを言っていましたが、
そこで奉納する芸能すべてが『神楽(かぐら)』になります。」
先生は一番説明が難しい…と言いながらも話を続ける。
笛のことなら2時間でも3時間でも喋れるという。
舞うのが神楽、巫女が舞うのが神楽、獅子舞のことが神楽・・・
「神楽」と言っても地域によってそれぞれ違う。共通するのは神様の芸能ということ。
熱田神楽のように、名古屋だと笛と太鼓のお囃子自体を神楽ということが多いです。
話し出すと止まらなくなりそうな先生。
笛に関わりだしたのは二十歳の時からだとか。
大学で民俗学の研究をしているうちに、地域のお祭りやそこで使われる笛に引き込まれていった。
今でも笛やお祭りを本職でやっているわけではない。
「祭りの間に仕事をしているんじゃないか、と言われたりもしますが」と苦笑い。
【笛を楽しむ】
約20本の用意された笛は全て先生の私物。ヨコ笛もあればタテ笛もある。
日本の笛はもちろん、アイルランドの笛、南米の笛など世界の様々な笛がある。
「順番に吹いてみましょう」
それぞれ手にとって笛を吹きだすと・・・
ピィー ビョォ~ ヒュー フィー ピー フー ピュー
ブゥー! ピィピィ ホォォ ピェ~エ! ヴォ――
それぞれ個性を持った音。吹き方によっても音色が違う。
色々な世界の笛を一通り楽しむ。
「筒であれば何でも鳴らせます」
今日は各自が筒状のものを持ってきている。
見かけは笛ではないけれど、先生の手にかかれば・・・
小さなグラスだと、ガラスのきれいな音。
ストローでも、立派に音が出る。
ペットボトルのキャップも紙コップもそれぞれの音を持っている。
先生は簡単に音を出しているけど、今日初めてチャレンジする生徒さんには難しい。
自分で音を出したい。チャレンジを続けているうちに「習得した!」と声が。
先生ほど器用に吹けなくても、自分で音を出せると楽しい。
「笛を発見した時の喜びを体験してもらいたくて。」
先生の思惑はうまく伝わっている。その証拠に、休憩中も笛吹きにチャレンジする人が大勢。
【まつりを楽しむ】
「熱田神楽」とはどんなものか?映像を見ながら雰囲気を知る。
同じお祭りの中でも2つのシーンがある。
移動している時のBGMになる「道行きばやし」、それから止まって奉納をする「神楽」。
「これは何か分かりますか?」
と、映っているのは鬼のようにもお化けのようにも見える「猩々(しょうじょう)」。
名古屋南部では熱田神楽とセットで登場することが多いらしい。
そして、一番の特徴が「一人で2つの太鼓を叩くこと」。
これを知っているとお祭りの見方が変わります。
―と、県内の別の地域で行われる「宮流神楽」の映像を見る。
これは巫女さんの舞いが付くので違うように見えるけど・・・
よく見ると、太鼓を叩いている人が一人で2つの太鼓を叩いている。
「多くの人は巫女さんの舞いに目が行きがちですが、これをみれば熱田神楽と同じ系統のものだというのが分かります。」
愛知県内の神楽を意識してみると、同じとかちょっと違うなとかマニアックな楽しみ方ができるようだ。
地域のお祭りはもともとそこに住む人だけでやっていた。伝統的なところほど女人禁制というところもあった。
でも、今は良くも悪くも過疎化が進んで、色々な人が関わらないとお祭りができないような時代。
女性も子どもも、地域外の人もそれぞれ活躍できる場が生まれた。
普段は何ともないおじいちゃんだって、太鼓を叩くとかっこよく見える。
「誰でも主役になれる。それがお祭りのいいところ。」
【自分で楽しむ】
「笛もお祭りも分かってきたところで、自分たちでやろうって気になりましたか?」
少しざわつく会場。
映像を見ているだけではつまらない。神楽を少しだけ体験しましょう、とまずは太鼓から。
右ひざを小太鼓、左ひざを大太鼓と思って練習しましょう。
「トコトン」と「トコトコトン」のリズムでできているから分かりやすいです。
・・・というものの初めてのことは難しい。
みんな先生をよく見て手の動きを真似る。
♪~「トコドン トコドン トコトコドン トコドン ・・・」
なんとなく様になってきたところで次は笛の練習。
楽譜の見方や指使いを教えてもらう。
「音を鳴らせるだけでもすごいけど・・・」
と、ほとんどの生徒が笛を吹けることに驚く先生。
休憩中も笛を吹いていた成果かもしれない。
皆ができてきたところで笛と太鼓のパートにわかれて演奏をして締めくくり。
♪~「トコドン トコドン トコトコドン トコドン」
♪~「ピィ~ピィピ ピィ~ピィ~ ピィ~ピィ~ピィ~ ピィ」
* * * *
「面白くなってきたところなのに」
「音出すのも、指づかいも難しかった。でも楽しかった。」
「リコーダーとは違う、和笛の魅力を知った。」
あっという間の2時間。名残惜しそうな生徒さんも、最後は演奏もできてご満悦な様子。
音を文字で表現するのは非常に難しい。
是非とも地域のお祭りに出かけて楽しさを味わってもらいたい。
(レポート:ボランティアスタッフ 加藤拓
写真:ボランティアスタッフ 篠本 リエ)
笛の音色に誘われて少しずつ生徒が集まってきた。
場所は7月オープン予定のカフェ「ヌンクヌスク」。
鶴舞公園内にある。
「触っても良いですか?」
―「吹いてみますか?」と先生。
授業はまだ始まらない。それでも待ちきれずに笛を吹きだす。
ゴザが敷かれた会場の中央に笛が置かれている。その数およそ20。
生徒は笛を囲うように座りだす。
「お祭りの笛をみんなで吹いてみよう」「普通とは違うお祭りの楽しみ方は?」
これが本日の授業テーマ。
【先生と笛・まつり】
「ちなみに、笛の経験をしたことある人は?リコーダー以外で。」
(12人のうち3人が挙手)
「笛を吹く経験はあまりないので、いっぱい吹いてみてください」
開始のあいさつも早々にまずは先生のお手前を披露。
♪~ ♪~ ♪~
「この曲は「お天道カグラ」といって、カグラを習う人が最初にやる曲です」
―「カグラ」ってなんですか?
「もともと神様が宿る場所のことを言っていましたが、
そこで奉納する芸能すべてが『神楽(かぐら)』になります。」
先生は一番説明が難しい…と言いながらも話を続ける。
笛のことなら2時間でも3時間でも喋れるという。
舞うのが神楽、巫女が舞うのが神楽、獅子舞のことが神楽・・・
「神楽」と言っても地域によってそれぞれ違う。共通するのは神様の芸能ということ。
熱田神楽のように、名古屋だと笛と太鼓のお囃子自体を神楽ということが多いです。
話し出すと止まらなくなりそうな先生。
笛に関わりだしたのは二十歳の時からだとか。
大学で民俗学の研究をしているうちに、地域のお祭りやそこで使われる笛に引き込まれていった。
今でも笛やお祭りを本職でやっているわけではない。
「祭りの間に仕事をしているんじゃないか、と言われたりもしますが」と苦笑い。
【笛を楽しむ】
約20本の用意された笛は全て先生の私物。ヨコ笛もあればタテ笛もある。
日本の笛はもちろん、アイルランドの笛、南米の笛など世界の様々な笛がある。
「順番に吹いてみましょう」
それぞれ手にとって笛を吹きだすと・・・
ピィー ビョォ~ ヒュー フィー ピー フー ピュー
ブゥー! ピィピィ ホォォ ピェ~エ! ヴォ――
それぞれ個性を持った音。吹き方によっても音色が違う。
色々な世界の笛を一通り楽しむ。
「筒であれば何でも鳴らせます」
今日は各自が筒状のものを持ってきている。
見かけは笛ではないけれど、先生の手にかかれば・・・
小さなグラスだと、ガラスのきれいな音。
ストローでも、立派に音が出る。
ペットボトルのキャップも紙コップもそれぞれの音を持っている。
先生は簡単に音を出しているけど、今日初めてチャレンジする生徒さんには難しい。
自分で音を出したい。チャレンジを続けているうちに「習得した!」と声が。
先生ほど器用に吹けなくても、自分で音を出せると楽しい。
「笛を発見した時の喜びを体験してもらいたくて。」
先生の思惑はうまく伝わっている。その証拠に、休憩中も笛吹きにチャレンジする人が大勢。
【まつりを楽しむ】
「熱田神楽」とはどんなものか?映像を見ながら雰囲気を知る。
同じお祭りの中でも2つのシーンがある。
移動している時のBGMになる「道行きばやし」、それから止まって奉納をする「神楽」。
「これは何か分かりますか?」
と、映っているのは鬼のようにもお化けのようにも見える「猩々(しょうじょう)」。
名古屋南部では熱田神楽とセットで登場することが多いらしい。
そして、一番の特徴が「一人で2つの太鼓を叩くこと」。
これを知っているとお祭りの見方が変わります。
―と、県内の別の地域で行われる「宮流神楽」の映像を見る。
これは巫女さんの舞いが付くので違うように見えるけど・・・
よく見ると、太鼓を叩いている人が一人で2つの太鼓を叩いている。
「多くの人は巫女さんの舞いに目が行きがちですが、これをみれば熱田神楽と同じ系統のものだというのが分かります。」
愛知県内の神楽を意識してみると、同じとかちょっと違うなとかマニアックな楽しみ方ができるようだ。
地域のお祭りはもともとそこに住む人だけでやっていた。伝統的なところほど女人禁制というところもあった。
でも、今は良くも悪くも過疎化が進んで、色々な人が関わらないとお祭りができないような時代。
女性も子どもも、地域外の人もそれぞれ活躍できる場が生まれた。
普段は何ともないおじいちゃんだって、太鼓を叩くとかっこよく見える。
「誰でも主役になれる。それがお祭りのいいところ。」
【自分で楽しむ】
「笛もお祭りも分かってきたところで、自分たちでやろうって気になりましたか?」
少しざわつく会場。
映像を見ているだけではつまらない。神楽を少しだけ体験しましょう、とまずは太鼓から。
右ひざを小太鼓、左ひざを大太鼓と思って練習しましょう。
「トコトン」と「トコトコトン」のリズムでできているから分かりやすいです。
・・・というものの初めてのことは難しい。
みんな先生をよく見て手の動きを真似る。
♪~「トコドン トコドン トコトコドン トコドン ・・・」
なんとなく様になってきたところで次は笛の練習。
楽譜の見方や指使いを教えてもらう。
「音を鳴らせるだけでもすごいけど・・・」
と、ほとんどの生徒が笛を吹けることに驚く先生。
休憩中も笛を吹いていた成果かもしれない。
皆ができてきたところで笛と太鼓のパートにわかれて演奏をして締めくくり。
♪~「トコドン トコドン トコトコドン トコドン」
♪~「ピィ~ピィピ ピィ~ピィ~ ピィ~ピィ~ピィ~ ピィ」
* * * *
「面白くなってきたところなのに」
「音出すのも、指づかいも難しかった。でも楽しかった。」
「リコーダーとは違う、和笛の魅力を知った。」
あっという間の2時間。名残惜しそうな生徒さんも、最後は演奏もできてご満悦な様子。
音を文字で表現するのは非常に難しい。
是非とも地域のお祭りに出かけて楽しさを味わってもらいたい。
(レポート:ボランティアスタッフ 加藤拓
写真:ボランティアスタッフ 篠本 リエ)
先生
新美 優 / 笠寺猩々保存会会員・知立神社神楽保存会会員・日本民俗音楽学会会員
名古屋生まれ。愛知に伝わるお囃子の世界に魅せられ、熱田神宮起源の熱田神楽、宮流神楽を習得中。
お囃子好きが高じて、他県のお囃子やお祭りを見に行くこともしばしば。お囃子ときけばどこへでも。
現在、尾張付近のお囃子を重点的に調べています。笠寺では、笠寺猩々保存会の会員として西松池地区の笛太鼓をお手伝いしています。
ブログ: http://blogs.yahoo.co.jp/kamuiupopo
Facebook: http://www.facebook.com/#!/yuu.niimi
今回の教室
ヌンクヌスク鶴舞公園
住所:愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目1−168
鶴舞公園内緑化センター横
地図を見る
鶴舞公園の中にある焼き菓子カフェ、毎日美味しいケーキやパンが楽しめます。
ホームページ:http://www.nuncnusq.jp