授業詳細

CLASS


ただ冷たいだけじゃない!
老舗氷屋から覗く氷の世界

開催日時:2013年07月26日(金) 19時00分 ~ 21時00分

教室:かき氷屋 川久

レポートUP

先生: 川本 哲也 /

カテゴリ:【食】

定 員 :15人

参加費として1500円頂戴いたします。

今年も暑い夏がやってきました。
夏になると冷たい「氷」が欠かせませんよね。

最近、大須に一軒の「かき氷屋さん」ができました。
看板やロゴ、制服までもとってもオシャレでかわいい。
産地にこだわった数種類の自慢の氷。
氷を削る機械もシロップもお店のこだわりが見えてます。

とにかく気合入ってます。
「かき氷屋川久」
このお店を経営されるのは春日井で60年続く老舗氷屋の3代目、川本哲也さん。
なぜここまでこだわったお店をされているかと聞くと、
「水にこだわる人は増えています。氷はどう思われますか?」
突然の逆質問にびっくり。
確かに普段よく口にするものなのに、気に留めたこともありませんでした。
聞けば、氷の産地によっても氷の味が違ったり、
製氷機ではできない氷屋にしかできない凍らせ方があるのだとか…。
川本さんは氷屋の3代目として、同じことをしてるだけではダメになるという危機感。
そして、美味しい食材としての氷をもっと皆さんに知ってもらいたい。
そんな想いをこめて、美味しいかき氷を頑張って作っています。

今回の授業は老舗氷屋川久の3代目、川本さんを先生に、
美味しい氷のことから、氷屋がチャレンジする理由まで聞かせてもらい、
こだわりの機械で実際に氷を削らせてもらって、最後は美味しいかき氷まで食べれちゃう。
そんな氷づくしの夏らしい授業です。



【授業の流れ】
18:45 受付開始 
19:00 授業開始、ガイダンス、先生紹介&自己紹介
19:10 氷屋の想い
19:20 こだわりの氷ができるまで
19:35 氷の「飲み比べ」「食べ比べ」クイズ
20:15 実際にかき氷を作らせてもらおう
20:45 感想シェア&集合写真
21:00 終了



(授業コーディネーター : 加藤幹泰 ・ 青木奈美)

『氷屋の三代目です。川本と言います。
おじいちゃんの名が「ひさお」なので店の名は「川久」そして僕は哲也ですから、僕の代では「川哲」になります?』
と、最初のご挨拶から生徒さんを笑いに誘った今回の先生、川本さん。
春日井で60年続く老舗氷屋さんです。家業を継ぐ決心をされてから、これからの氷屋さんについて考えたそうです。
「氷屋って氷を割ると怒られる、溶けると怒られる、そして冬は需要が少ない。夏は忙しすぎてつらい。氷屋って面白くないな」
そんな中美味しいかき氷に出会い、楽しかったそう。そして大須に4月に「かき氷屋川久」をオーブンされました。
今回は授業の場としてお店をお借りし、モチロン美味しいかき氷も頂けましたよ。
これこそ夏だっ!かき氷だっ!・・大ナゴヤ大学流、氷屋さんの授業とはいかに??

① 氷が運ばれてきた!!

授業の写真で見て頂きたいのですが、男の方3人かがりで大きな氷をお店の入り口に設置。
130キロもある大きな氷に生徒さんの目は釘づけ!!
触ってもいいですよ、の声に「わあー冷たいー!」の声が上がります。
そしておもむろに彫師、平井さんが登場です。氷アートを作ってくださるのですって。
授業後が楽しみです!

② 氷屋さんのカタイ!固い、説明。

まずはお店の中で、最近の氷屋さん事情を聞きます。
氷屋さんは以前、町のあちこちにあったのですが、
最近は高齢化が進み廃業される方が多く、名古屋市内でも47店だけだそうです。
主に氷を卸すのは飲食店の水割り用・氷の彫刻などだそう。
ここで氷の作り方。130キロの氷を作るためにはこの氷の型となる缶を
マイナス10度のアンモニアのプールに200並べて作っているそうですよ。
ゆっくり丸二日かけると、固くていい氷が出来るそうです。
生徒さんから「凍らすことに苦労される点は?」という質問がありました。
氷の製氷は昭和の初期から変わらず続いていて作り方自体は簡単だけれど、設備を作る費用が大変だと川本さん。
またユニークな氷の使い方なども伺いました。とあるゴルフ場で50本の氷をプールに浮かべ、
水を冷たくしそれを芝に蒔いたそう。芝が命のゴルフ場ならではの出来事です。
また氷を食べる時に頭がきーんとなる理由(氷の温度の問題。川久さんでは一番氷が美味しく頂ける温度で提供するため、
頭がきーんとしないそうです。)など伺いました。

③ まずは氷の素、水を飲み比べてみよう。

川久さんが用意してくださった水は6種類。どれが美味しいか飲み比べてみました。
名古屋の水
上高地の水
三重の美里村の水
富士山麓の水
製氷機の水
名水百選の水
・・・生徒さんたちは首をかしげながら試飲されていました。比べてみると同じ水と言っても甘かったり、
水自体が硬かったり、少し臭みがあったりいろんな水があるのですね。
川久さんでは「銘水」にこだわり、おいしい氷を作っていらっしゃいます。

④ かき氷を自分で作ってみよう

ついにお待ちかねのかき氷の時間がやってきました。
生徒さんたちのテンションが上がっていくのがわかります。
かき氷機に氷のセットの仕方~削り方までレクチャーを受けた後、左手にはマイカップ、右手にはシロップを持ちます。
・・氷の音ってなんと表現したらいいのでしょう?
サラサラサラ・・・サクサク・・・しゃりしゃりしゃり?
とにかく削れていく氷、その下でカップで受け止めながら尚かつ、シロップも合間に投入します。
左手にはカップ、右手にはシロップ・・・氷はまっすぐ下には落ちてくれず偏るようで素直にカップに降り積もってくれません。
生徒さんは四苦八苦しながらかき氷作りに挑戦していました。
だんだん出来ていくマイ・かき氷たち。そして出来た人から試食タイム♪
「ふわふわだぁ♡」
「頭がきーんとしない」そしてそして圧倒的に多かった感想はこれ。
「美味しーい。おいしすぎるー」嬉しそうな声がたくさん聞こえました。

授業の最後に生徒さんたちの感想を伺いました。
かき氷がますます大好きになった方、
水の飲み比べやシロップのかけ比べをして面白かった、
氷屋さんの裏事情が聴けて嬉しかった。
氷の削り方がうまいねと褒めてもらえて嬉しかった方などなど。
そうそう、彫師平井さん(川久さんの社員さん)の作品も授業終了時に出来上がりました!
写真でご覧くださいね。美しい白鳥です。
みんなでわーっと歓声を上げながら白鳥に直に触ったり、平井さんの彫る時の感想を聞いたりしました。
「氷屋に入って3年、氷が好きです。社長有難うございます」と川本さんと社員の皆さんとの素敵な交流も見られました。
「川久これからもがんばります。氷の楽しさと美味しさこれからも伝えていきたい、応援よろしくお願いします。」
と川本先生の言葉に授業は終了となりました。
・・終了後授業アンケートに答える生徒さんたちは静かに書いて下さってます。
ここでスタッフが小さな声で一言。
「みなさん固まって真剣だね。」
「・・・氷屋だけにね」

氷は時間が立つとすぐ溶けてしまいます。
その一瞬の限られた時に、美味しさや、涼しさを氷屋さんは私たちに提供してくださいます。
川久さんはこれからも皆が喜ぶ氷作りを目指します。
また生徒さんたちも氷に触れ、笑顔一杯の楽しい授業が過ごせたようです。


(レポート:ボランティアスタッフ 松田直子
  写真:ボランティアスタッフ うーな)

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. かき氷を自分で作って食べたり、かき氷の素となる水を当てる利き水をしたり、氷の彫刻が見れたりと、色々な感動がありました。かき氷を食べると頭がキーンとする仕組みも教えていただきました。もちろん、川久さんのかき氷はサクサク食べれて、キーンとすることはありませんでした。

それと同時に、家族経営、従業員の高齢化、後継者問題、資金繰り、氷の卸売価格の低迷と、他の業種の個人事業、中小企業にも共通するさまざまな課題についても触れました。

これに対して川本さんは、若さを武器に、全国の名水を使って氷をブランド化するとともに、自らその氷を使ってかき氷を作ることによる高付加価値化と、そのかき氷を海外展開することに活路を見出そうとしています。

あの小さな一杯に、巨大な世界が見えた気がしました。とても楽しく、勉強になりました。
2013年07月28日(日) 16時39分(スギ)
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先生

川本 哲也 /

春日井で60年の老舗氷屋「氷屋川久」の三代目。
日本のかき氷を世界に広めたいという想いで活躍中。
HP:http://www.kawaq-ice.com/

今回の教室

かき氷屋 川久

住所:名古屋市中区大須3-32-12
※最寄駅:地下鉄名城線・鶴舞線「上前津」駅下車8番出口より徒歩3分


■授業について全ての連絡・お問い合わせは、大ナゴヤ大学までお願いいたします。
 TEL:070-5459-8213(代表)
 E-mail:dai-nagoya@univnet.jp
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