授業詳細

CLASS


26文字のラブソング 〜お座敷で三味線にのせて〜

開催日時:2014年01月31日(金) 19時00分 ~ 21時00分

教室:うなぎのやっこ

レポートUP

先生: 華房 真子(どど一 真子) / 端唄 華房流華の会 家元・甚富華と正調名古屋甚句を拡める会 代表・熱田神戸節どど一保存會会長
華房 小真(どど一 小真) / 端唄 華房流 華の会 家元・甚富華と正調名古屋甚句を拡める会 副代表・熱田神戸節どど一保存會 副会長

カテゴリ:【歴史・文化/NAMO.】

定 員 :16人

※ 飲食代として、お一人1,000円(ドリンク、おつまみセット)頂戴いたします。
※ 飲み物はお茶も準備しております。
※ 夕食の時間帯になります。お時間に余裕のある方は、授業前に教室となる「うなぎのやっこ」でお食事をお楽しみいただけます。
江戸時代、お酒の席でみんながみんな口にして唄っていた文字数。
26文字。
七七七五のリズムに合わせて、三味線にのせて♪

今回の授業はそんな七七七五の26文字で唄うお座敷唄「どどいつ」です。

漢字では「都々逸」と書く名古屋の熱田区で生まれたこの唄は
寄席やお座敷などで唄われて、男女間の関係をテーマにした色恋ものが多く存在していて。
お酒を交えながらお互いの持ち唄を披露するなど、
昔は都々逸の一曲でも唄えないと男は遊べなかったとか。

そして先生には、端唄・甚句・三味線の楽しさを
テレビやコンサートなどいろいろな舞台で伝えている華房真子さん・華房小真さんをお迎えしました。

伝統芸能というと、どうしても近寄り難さを感じちゃうけれど・・・すぐに唄えるのだろうか?
ちょっと不安に思った質問に口火を切ったかのように始まった二人の会話。

「とにかく何でもありよ。季語は無いし、細かい決まりも無い。
三味線のリズムに合わせて唄うだけ♪愛の告白だってあり♪」

次から次へと行き交う言葉に、今にも三味線の音が聴こえてきそうで。
二人の言葉から見えてくる都々逸に、当時の盛り上がりさえ感じちゃえました。

授業では、大正9年創業の老舗で、お酒を交えながら当時を再現しちゃいます。
昭和25年の趣がそのまま残るお座敷で、お酒を交えて三味線にのせて都々逸を唄って。
聴き心地の良いその音に、自然とあなたも饒舌に!?
26文字で何を唄って何を伝えようか♪

金曜日の仕事帰り、お座敷でお待ちしております。


(授業コーディネーター / 伊熊志保・森田和美)

【当日の流れ】
18:40 生徒さん受付開始
19:00 授業スタート
      司会挨拶、先生紹介&30秒自己紹介
19:15 コミュニケーション&乾杯
19:20 オープニング都々逸
19:25 都々逸について学ぶ
19:45 先生による都々逸披露
      一緒に都々逸を唄う
20:00 ワークショップ「オリジナル都々逸をつくろう」
20:40 授業の感想・まとめ
20:50 アンケート・集合写真
21:00 終了
「何でもありなのよ!」
名古屋で生まれた七七七五 26文字のお座敷歌、『どどいつ』を楽しみました!

皆さん、『どどいつ』って、名古屋発祥の伝統芸能だとご存知ですか?
江戸時代お座敷で唄われた26文字の恋唄、漢字で書くと『都々逸』。
今日は、普段馴染みのないこの伝統芸能の歴史を知り、楽しみます!

名古屋大須観音から仁王門通りを歩いてすぐにある「うなぎのやっこ」歴史を感じる大正9年創業の老舗の和食とうなぎのお店。こちらの2階のお座敷が今日の教室になります。
教室のとなりの控え室から三味線の素敵な音が聞こえてきました。
19時CLASS NAMO.「26文字のラブソング」授業、いよいよはじまります。
三味線を持った着物の似合う先生お二人とお弟子さんの入場で、お座敷の雰囲気が変わります。

先生は、名古屋伝統芸能を楽しく紹介されている、熱田神戸節どどー保存會 会長の華房真子(どどー真子)さんと、副会長の華房小真(どどー小真)さん。端唄 華房流華の会、家元と 副家元もつとめるお二人、舞台・ラジオ・テレビにも多数ご出演されていて、華があります。

まずは、今回の授業をコーディネートするNAMO.の伊熊さんからごあいさつ。
「名古屋で生まれた都々逸を、お酒を呑みながら持ち歌を唄う。歴史を感じながら体験して楽しんで欲しいと思って今回企画しました。」

次に、大ナゴヤ大学恒例の30秒自己紹介。今回の授業に参加するきっかけ・意気込みを発表します。

「大学で俳句、和歌に馴染んできたんですけど、都々逸は初めて。楽しみです。」
「昨年から芸能を学びたいと思い、アイリッシュなどを学んできました。今回日本の芸能を学べるのは楽しみです。」「名古屋が都々逸発祥の地と知り、参加しました。」「日本文化が好きで、日本酒が好きなんです。楽しみます。」「着物が好きで、着物を着て日本文化を学びたい。」
「都々逸のこと全く知らない、自分で唄えるか心配です。」「ふだん使っていない頭を使います。」

日本文化に馴染んできた人もそうでない人も、都々逸は初めてで不安なのに期待でワクワクしたコメントいっぱいです。

自己紹介が終わると皆でカンパーイ!絶品鰻巻きを食べてお酒(ドリンク)を呑みながら都々逸を聴いて江戸時代 のお座敷気分を味わいます。
テーブルの上には、「うなぎのやっこ」さんのご好意で特別メニュー鰻巻き2つにドリンクが用意されました。※希望に応じて好きなドリンク、お酒1合、ビール中瓶、ウーロン茶(2杯)。

小真さんの「のどを潤し、足を気楽に。お酒にちなんだ都々逸を」のコメントで三味線の演奏が始まりました。
「酔わせてください 今夜は酔って 存分いいたい 胸 のうち」
「思ふお方に 盃さされ 呑まぬうちから 赤い顔」
本当の自分のことや親しい友達恋人のことを。また、日頃の鬱憤も語ってくださいね!と先生の解説を聞きながら、艶っぽい恋唄「都々逸」に触れます。

続いて、伝統的な都々逸を2曲
「宮の宿から 雨降る渡り 濡れて行くぞえ 名古屋まで」
「神戸伝馬町 箒(ほうき)はいらぬ 鯛屋のお仲の 裾で掃く 」
熱田神戸伝馬町にあった宿で生まれた熱田神戸節。
2曲目の都々逸の意味は、鯛屋という料亭は繁盛していて中居をしていたお仲の裾で掃くぐらい忙しかったとのこと。七里の渡しの前に旅籠が300軒ほどあり、酒宴で疲れを癒す人が多かったそうです。その中でも鯛屋は、お仲の人気もあり6つの楼の中でもすばらしい評価が、江戸に伝わるきっかけとなったそうです。

歴史を交えて、真子さんがわかりやすく解説してくださいます。

また、草創期と熱田神戸節 江戸節は、調子も曲調も違い明るい調子になります。
曲調を変えて唄ってくださいました。全く違う唄です。
はじめは語りから始まった都々逸は、江戸末期、名古屋熱田の宮の宿で流行した熱田神戸節をベースに江戸に渡り、都々逸坊扇(どどいつぼうせん)さんが寄席や落語のような場所で唄い、広まったそうです。
投げ節も特徴で、節を投げることでいったきり帰ってこないような節。先生と一緒に唄ってみます。
「咲いた桜に なぜ駒つなぐ 駒が勇めば 花が散る」さいたあ〜あんと色っぽく。歌いながら生徒さんの顔がほころびます。

生徒さんの笑顔に、真子さんの調子が出てきました。どんどん楽しい唄をご紹介されます。
「論語読み読み 吉原通い 曰くはこうしの 中にある」途中、にっと笑って口角あげると、先生が声をかけます。「にわとりは たまごの (なんでしょう?)おやおや たまごはにわとりの(なんでしょう?)こやこや」手拍子も交え、熱田神戸節の合いの手が入ります。「そいつはどいつだ どどいつ どいどい」 お座敷唄が盛り上がります。

20時 ワークショップ開始です。

今度は、都々逸の楽しさを知った生徒さんが唄づくりに挑戦します。
4つのグループに分かれて一つの唄をつくりはじめました。○が7775と並ぶ用紙とにらめっこ。
とまどう生徒さんに対して先生からのアドバイス。
「真剣に考えていかんよ!バラバラでも面白い。キーワードをポンと入れて愛があれば、なんだってイイ。例えば、東京だったら山手線の駅ばかり入れてもいい。字余りでもいい。都々逸は何でもいいいのよ!好きなもの探してみて」
小真さんが見本でつくりました。「美魔女 キレイと褒められ 化粧落とせば ただの魔女」
先生の唄を聴いて笑いながら、各テーブルで楽しい都々逸が生まれました。

20分のシンキングタイムが終わり、三味線に合わせて発表タイム 。

「駅で別れて ツルツル落ちる 桜の涙 吹き上げる 」
地下鉄の駅名 吹上 沿線名 桜通 鶴舞 を使った、素敵な都々逸に拍手!

「逢瀬の夜たびに 泣く男には ひやーきおーがん くれてやる」
ひやーきおーがんが入っていることで驚きと笑いもある都々逸に歓声!

「君にだけだよ おみやげ渡す かわいいこには 誰にでも」
結婚願望ある女の子にプレゼントする都々逸、リアリティあります!

「ういよりあまい あなたとわたし ゆびをなびかせ まねきねこ」
ういろうという名古屋名物をイメージして大須の街中を歩く二人がイメージでき素敵です。

真子先生からのリクエストでスタッフチーム
「あんなに好きな 君を抱きしめ 桜が咲けば 涙出る」 艶っぽい恋唄の都々逸です。

お座敷唄はまだ続きます。唄いたい方が手を上げます。

「バレバレ好きよ チョコも溶ける 追いかけるのは ストーカー」
「ビールやお酒 ワインに焼酎 桜もいいが 風立ちぬ」
「文字でつながる あなたと わたし 今宵大須でふたりきり」
「塩尻ワイン 〆張鶴 酔ってより夢 まだ続く」

好きなものや経験?をイメージさせる都々逸を楽しみます。

真子先生、小真先生も絶賛。楽しい唄を1曲唄ってさらに盛り上げます。
「紙がないよと 坊主を呼んだら あとから坊主が 何枚だ」

お座敷が笑いにつつまれ楽しかったワークショップはここで終了、授業の感想をシェアします。

まずは生徒さんからの感想
「難しいと思っていたが 好きなものを並べるだけでも素敵なものができて感動しました。」
「言葉で遊び面白い、臨機応変に考えることができる先生に憧れます。」「名古屋の熱田で始まった伝統芸能が好きになりました。少しでも広められたらいいなと思います。」

先生からもコメントをいただきます。
「テレビがない時代、こうやってお酒を呑みながら言葉で遊んだんですよ。
今日経験された若い方、若い熟年に興味を持っていただき、楽しい文化を伝承して欲しい。」
「今日素敵な都々逸をつくっていただきありがとうございました。また、 都々逸を作って楽しんでください。」

最後の締めは、授業コーディネーターの伊熊さん。想いを伝えます。
「今回、こだわってこの場所で開催でき、江戸時代をイメージして宿場町のお座敷で唄われていた恋唄を体験できたこと。先生、生徒さんのおかげで伝統芸能の硬いイメージを壊すことができました。歴史・文化に対するイメージが、NAMO.で出会って、変わっていたら嬉しいです。ありがとうございました。」

最後にもう一度、熱田神戸節を皆で唄います。
「神戸伝馬町に ほうきはいらぬ 鯛屋お仲の裾で掃く。」
そいつはどいつだ どどいつどいどい うきよはさくさく。はやしことばを交えて、繰り返します。

三味線の音が心地よく、お座敷唄を最後まで満喫しました。

今回の授業では、先生・生徒の皆さんの終始笑顔だったことが印象に残っています。歴史を知り、楽しみながら体験することで、今まで敷居の高いと思っていた都々逸も身近に感じることができました。伊熊さんがコメントされたように、私たちは伝統芸能に対するイメージを壊す体験ができたように感じます。今後「都々逸、楽しい」とコメントされた生徒の皆さんからの広がりが楽しみです。毎晩 三味線の音が響き渡り「都々逸」で盛り上がる名古屋の街、楽しそうです。

(レポート担当:ボランティアスタッフ 若尾和義
 カメラ担当:三浦有喜)

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

華房 真子(どど一 真子) / 端唄 華房流華の会 家元・甚富華と正調名古屋甚句を拡める会 代表・熱田神戸節どど一保存會会長

名古屋で永年にわたり端唄・小唄・三味線の指導発展につとめ、特に名古屋の伝統芸能である「都々逸」「正調名古屋甚句」に力をいれ、舞台、テレビなど多数出演。 市内東区の稽古場にて熱心な指導を行い、名古屋市文化のみち二葉館での甚句と三味線の無料体験講習は評判となっている。 http://www.jinku-jp.net/index.html

華房 小真(どど一 小真) / 端唄 華房流 華の会 家元・甚富華と正調名古屋甚句を拡める会 副代表・熱田神戸節どど一保存會 副会長

端唄・三味線・名古屋伝統音楽(甚句、都々逸)の演奏家として舞台・テレビなどに多数出演。 日本小唄連盟「若樹賞」、日本伝統文化振興財団「市丸賞」受賞。 NHK文化センター講師、椙山女学園大学の外部講師をつとめ、多くの人に日本文化の楽しさと素晴らしさを伝えるために精力的に活動中。

今回の教室

うなぎのやっこ

住所:〒460-0011
名古屋市中区大須2-30-1
市営地下鉄「大須観音駅」2番出口から徒歩3分
市営地下鉄「上前津駅」8出口から徒歩約5分

地図を見る

大須観音近くの仁王門通りにある大正9年創業の老舗の和食とうなぎのお店です。
建物には昭和25年当時の趣が残っています。