授業詳細
CLASS
若者が移り住むまち恵那 〜ほどほどの田舎で暮らす〜
開催日時:2016年02月10日(水) 18時30分 ~ 20時00分
教室:大垣共立銀行 OKB Harmony Plaza名駅セミナールーム
レポートUP
先生:
園原麻友実 / NPO法人えなここ おへマが編集部
カテゴリ:【くらし、まちづくり、はたらく課】
定 員 :30人
※参加費は無料。
この授業に興味を持ってページを開いてくださったそこのあなた。きっと「田舎ぐらしに興味がある」という方が多いのではないでしょうか。
まずは、こちらのWebサイトをご覧ください。
【岐阜・恵那山麓ローカルメディア おへマガ】
http://ohesoantenna.com/
いかがですか?トップページの
「恵那・中津川ほどほどの田舎から、ワクワクするローカルライフを発信中!」
という言葉のとおり、足を運んでみたくなるローカル情報がいっぱいですよね。
今回の授業の先生は、この「おへマガ」の編集長・園原麻友実さん。
5年前に生まれ故郷の岐阜県中津川にUターンし、恵那と中津川から田舎の魅力を発信しています。
発信だけでなく、田舎を体験できるイベントや場づくりにも関わる、岐阜で輝くアラサー世代のひとりです!
園原さんが出会った“恵那で出会える田舎の魅力”や“都会から恵那へ移り住んだ人たち”についてたっぷりお聞きします。
また、園原さんご自身も、大学時代に故郷を離れ、一般企業で働いた後に、地元で田舎暮らしをするUターン経験者。
「どんな想い地元へ戻り、働いているのか?」「一度離れたからこそ見えた田舎の面白さとは?」
「おへマガ」だけでなく、体験型地域活性化イベント「えなか」や、岐阜アラサー会議など、
様々なカタチで恵那を盛り上げる園原さんの経験談も聞かせていただきます。
「2016年は一歩踏み出す年にしたい」と思っている人。ヒントと勇気とやる気がもらえるかもしれませんよ。
「田舎ぐらしに興味がある」
「でも、いきなり田舎に飛び込むのは不安」
「田舎ぐらしって実際どんなものかもっと知りたい」
そんな方にこそ聞いていただきたいお話です。
「おへマガ」の紹介では、恵那市は“ほどほどの田舎”となっています。
山あり、川あり、湖や高原もあり、豊かな自然がすぐそばにあります。
他方で、名古屋からは車で1時間。日帰りで遊びに行くのにもちょうどいい、都会の隣にある田舎まちです。
実は今、恵那市に移り住む30代前後の世代は少なくないそうです。
これから結婚、出産・子育てという世代に移住先として選ばれる恵那市。
田舎暮らしがしてみたい人にとって参考になる情報が聞けるでしょう。
恵那市のまちづくりの最前線から田舎ぐらしを考える、
田舎への新しい発見があること間違いなしの授業です。
【授業の流れ】
18:00 受付開始
18:30〜18:35 挨拶
18:35〜19:35 恵那市での田舎ぐらしのお話
19:35〜19:45 質問タイム
19:45〜19:50 感想シェア
19:50〜20:00 アンケート、集合写真
なお、今回の授業は、岐阜県と大ナゴヤ大学のコラボ企画で、
「清流の国ぎふ暮らしセミナー」のプログラムの一つとして実施されます。
○ 清流の国ぎふ暮らしセミナーとは…
都市に住んでいて地方移住を検討している若者に向けて、地方で暮らす人たちの暮らしぶりや地方の魅力を発信するセミナーです。
“清流の国”岐阜県で活躍する方のお話を手がかりに、地方移住をよりリアルに考えるためのきっかけづくりをします。
【主催】岐阜県・大垣共立銀行
【企画・運営】大ナゴヤ大学、大ナゴヤ大学 はたらく課
(授業コーディネーター: はたらく課 小林優太)
レポートタイトル:あなたがそこで暮らす理由は何ですか?
質問です。
―次の中から当てはまるのはどれですか?
(1)地方移住の予定はいまのところない
(2)いつかは地方へ移住してみたい
(3)近々、地方への移住を予定
この授業の参加者は大体こんな感じです(参加者の皆さんには1~3のどの立場かわかるように名札にシールを貼ってもらいました)。
すぐに移住を考えているわけでない人が半数を超える一方で、真剣に移住を考え中という人も1割ほどいました。
また、20代の若い人からご年配の人まで様々な参加者が集まりました。
よく講演会の最後に「一歩踏み出しましょう」みたいなことがあるけど、
今日は「立ち止まって考えてもらう機会になれば」と話すのが今日の先生、NPO法人えなここの園原さん。
出身は恵那の隣にある中津川。「なにもない」と20歳の時に地元を離れて京都やカンボジアへ。
24歳で岐阜に戻るが、お金がなかったから帰らざるを得なかったというだけで理由はなかったとか。
まだ「Uターン」という言葉もあまり広まっていないとき、どうせ田舎で暮らすなら楽しくと思い、地域で働く仕事を始める。
「なにもない」と向き合うことのなかった田舎に目を向けるようになった園原さんに、移住について語っていただきました。
―今、あなたがそこで暮らす理由は何ですか?
仕事、暮らし、生き方が多様化する中で、どこで、誰と、どんな風に生きていくのかは人それぞれだと思います。
「『移』る目的」×「『住』みたい場所」
この2つが結び付いて初めて「移住」を考えるようになるのではないでしょうか。
きっかけや、やりたいこと、場所の好き嫌いは人によってそれぞれ。実現したいことが何かによっても変わるでしょう。
―みなさんの田舎暮らしのイメージは?
いいイメージもよくないイメージもあると思います。恵那に目を向けると、人が面白いし、みんなクリエイティブ。
知って出会うたびに好きになります。都会はモノを消費するところだけど、田舎ではつくっている。
空き家の改修・リフォーム塾があちこちで行われていたり、山から木を切ってきて製材していたり、
「狩って」食べるジビエ女子がいたり、湧き水でコーヒーを入れたり…。いろいろな「つくりだす」が行われています。
「田舎ライフ最高!」というより、自分は自分で楽しみながら、どんな風に生きたいのか考えて、消化しながら暮らしています。
―実際の移住はどんな感じ?
移住について3人のエピソードを紹介してもらいました。
〈その1〉名古屋市出身、20代女性のケース
○移住の理由、きっかけ
農的な暮らし、地域に携わる仕事がしたいと思っていた。交流イベントに参加しながら移住を決定。
恵那から実家の名古屋が近いということもあった。
○今の暮らし方
平日は会社で週5の仕事をしつつ、週末は薪割りや、地域のおっちゃんと木を切ったり、
最近はイノシシの解体もしてみたり。月に3、4日は名古屋の実家に帰るけど…やることがない(笑)
○いいところ、不便なところ
いいところは「同世代の人が結構いる」ということと、「手作りあふれる暮らし」ができること。
逆に不便なところは今のところない。でも、産婦人科がないのは出産を考えると不便かも(隣の中津川や瑞浪に行かないといけない)。
〈その2〉名古屋で広告代理店に勤めていた30代男性のケース
○移住の理由、きっかけ
順調に仕事をしていたが、いつかは脱都会、ゲストハウスをやりたい、「衣食住」に関わる仕事をしたいと思っていた。
移住はタイミングが合致したから。親友のお父さんから「ゲストハウスをやらない?」と誘われて。
恵那を知ったのは誘いがあってから。親友のお父さんという「人のつながりがあった」ことが一番大きい。
○今の暮らし方
名古屋時代と比べて収入40%ダウンしたけど、家賃は半額。でも、光熱費・ガス代、ガソリン、市県民税、居酒屋が高い!
田舎だから安いと思うかもしれないけど、都会と全然違うところで出費がかかる。
○いいところ
湧き水が飲めることや、友人が遊びに来るようになっておもてなし精神が出てきたこと。
そして、ご近所や、幅広い年齢とのつながりを持てるようになったこと。
○分かっていたけどここが大変
移住した地区はまちづくり活動が盛んなところで、会議(セットで飲み会も)が多い。
まつりも多い。消防団の活動にも参加しないといけなくて、全然スローじゃない(笑)
〈その3〉家族(夫 神奈川出身/妻 恵那出身)で移住したケース
○移住の理由、きっかけ
山が好き!ということと、都会での生活に違和感があったこと。子育て環境が都会では不安だった。
最初は恵那を移住先に考えていなかったけど、家賃が安くて、山が近くて、都会へのアクセスが良い…
と条件を考えていたら、「全部恵那にある!」と夫から提案。タイミングよく仕事も決まったということもあった。
○今の暮らし方
移住した場所は本当に田舎な場所(全然ほどほどじゃない)で、水道も通ってなくて、お風呂も薪。
「循環する暮らし」ができている。自然が近い暮らしは恵みがある一方で、リスクもある(大雨で土砂崩れとか)ので、
このことを理解したうえで暮らさないといけない。
―田舎で暮らすということ
今の事例にもあったけど、全然スローライフじゃないし、思い描いたことが全部できるとは限らない。
空き家はたくさんあるけれど、貸してくれるところは少ない。コミュニケーション不足で起きるトラブルだってある。
田舎暮らしを楽しめるかどうかは、変化を楽しめるかどうか。
思い描いた生活がもしかしたら恵那で実現できるかもしれないし、違う地域かもしれない。
まずは足を運んで感じることが大切じゃないかなと思います。
―生徒から先生への質問
Q 田舎で生活していくのに仕事が必要だと思うが、生活していけるか不安
A どんな仕事をしたいか、どれくらいの給料があればいいのかにもよる。仕事がないわけではないので、
どのように自分の基準とバランスをとるかだと思う。仕事を見つけて移住している人はいる。
恵那市内で見つける必要はなくて、近隣の豊田市も瑞浪市も土岐市も車で1時間圏内になる。幅広く探せばいいと思う。
Q 園原さん自身の変化の楽しみ方は?
A 田舎で育ってきたけど、これまでと田舎の感じ方が変わったということ。
長い時間の中で生かされているなと感じるようになったこと。NPOの事務所が築170年の家をリフォームしたところになる。
そこに使われている大きな木は、何十年とかけて育ったもので、数百年単位の中で生きていると感じるようになった。
先生のお話のあとで4~5人程度のグループに分かれて、今日の感想や移住について話し合ってもらいました。
程度の差はあるけど、同じ「移住」をキーワードに思っていることを話せる良い機会になったようでした。
受講生からは、「移住者の生活費の話など、実際の生の話が聞けて良かった」「『なぜその場所か』ということを考えてみようと思う」
「豊田への移住も検討しているが、恵那についても場所を考える参考にしたい」といった感想が聞かれました。
移住をすぐに考えていなくても、「なぜこの場所で暮らすのか(暮らしたいのか)」を考える時間になったのではないでしょうか。
もし、これをきっかけにご縁を感じたら、恵那を体験しに行くのもいいかもしれません。
(レポート担当 ボランティアスタッフ 加藤拓
カメラ担当 ボランティアスタッフ 神谷 祥代)
質問です。
―次の中から当てはまるのはどれですか?
(1)地方移住の予定はいまのところない
(2)いつかは地方へ移住してみたい
(3)近々、地方への移住を予定
この授業の参加者は大体こんな感じです(参加者の皆さんには1~3のどの立場かわかるように名札にシールを貼ってもらいました)。
すぐに移住を考えているわけでない人が半数を超える一方で、真剣に移住を考え中という人も1割ほどいました。
また、20代の若い人からご年配の人まで様々な参加者が集まりました。
よく講演会の最後に「一歩踏み出しましょう」みたいなことがあるけど、
今日は「立ち止まって考えてもらう機会になれば」と話すのが今日の先生、NPO法人えなここの園原さん。
出身は恵那の隣にある中津川。「なにもない」と20歳の時に地元を離れて京都やカンボジアへ。
24歳で岐阜に戻るが、お金がなかったから帰らざるを得なかったというだけで理由はなかったとか。
まだ「Uターン」という言葉もあまり広まっていないとき、どうせ田舎で暮らすなら楽しくと思い、地域で働く仕事を始める。
「なにもない」と向き合うことのなかった田舎に目を向けるようになった園原さんに、移住について語っていただきました。
―今、あなたがそこで暮らす理由は何ですか?
仕事、暮らし、生き方が多様化する中で、どこで、誰と、どんな風に生きていくのかは人それぞれだと思います。
「『移』る目的」×「『住』みたい場所」
この2つが結び付いて初めて「移住」を考えるようになるのではないでしょうか。
きっかけや、やりたいこと、場所の好き嫌いは人によってそれぞれ。実現したいことが何かによっても変わるでしょう。
―みなさんの田舎暮らしのイメージは?
いいイメージもよくないイメージもあると思います。恵那に目を向けると、人が面白いし、みんなクリエイティブ。
知って出会うたびに好きになります。都会はモノを消費するところだけど、田舎ではつくっている。
空き家の改修・リフォーム塾があちこちで行われていたり、山から木を切ってきて製材していたり、
「狩って」食べるジビエ女子がいたり、湧き水でコーヒーを入れたり…。いろいろな「つくりだす」が行われています。
「田舎ライフ最高!」というより、自分は自分で楽しみながら、どんな風に生きたいのか考えて、消化しながら暮らしています。
―実際の移住はどんな感じ?
移住について3人のエピソードを紹介してもらいました。
〈その1〉名古屋市出身、20代女性のケース
○移住の理由、きっかけ
農的な暮らし、地域に携わる仕事がしたいと思っていた。交流イベントに参加しながら移住を決定。
恵那から実家の名古屋が近いということもあった。
○今の暮らし方
平日は会社で週5の仕事をしつつ、週末は薪割りや、地域のおっちゃんと木を切ったり、
最近はイノシシの解体もしてみたり。月に3、4日は名古屋の実家に帰るけど…やることがない(笑)
○いいところ、不便なところ
いいところは「同世代の人が結構いる」ということと、「手作りあふれる暮らし」ができること。
逆に不便なところは今のところない。でも、産婦人科がないのは出産を考えると不便かも(隣の中津川や瑞浪に行かないといけない)。
〈その2〉名古屋で広告代理店に勤めていた30代男性のケース
○移住の理由、きっかけ
順調に仕事をしていたが、いつかは脱都会、ゲストハウスをやりたい、「衣食住」に関わる仕事をしたいと思っていた。
移住はタイミングが合致したから。親友のお父さんから「ゲストハウスをやらない?」と誘われて。
恵那を知ったのは誘いがあってから。親友のお父さんという「人のつながりがあった」ことが一番大きい。
○今の暮らし方
名古屋時代と比べて収入40%ダウンしたけど、家賃は半額。でも、光熱費・ガス代、ガソリン、市県民税、居酒屋が高い!
田舎だから安いと思うかもしれないけど、都会と全然違うところで出費がかかる。
○いいところ
湧き水が飲めることや、友人が遊びに来るようになっておもてなし精神が出てきたこと。
そして、ご近所や、幅広い年齢とのつながりを持てるようになったこと。
○分かっていたけどここが大変
移住した地区はまちづくり活動が盛んなところで、会議(セットで飲み会も)が多い。
まつりも多い。消防団の活動にも参加しないといけなくて、全然スローじゃない(笑)
〈その3〉家族(夫 神奈川出身/妻 恵那出身)で移住したケース
○移住の理由、きっかけ
山が好き!ということと、都会での生活に違和感があったこと。子育て環境が都会では不安だった。
最初は恵那を移住先に考えていなかったけど、家賃が安くて、山が近くて、都会へのアクセスが良い…
と条件を考えていたら、「全部恵那にある!」と夫から提案。タイミングよく仕事も決まったということもあった。
○今の暮らし方
移住した場所は本当に田舎な場所(全然ほどほどじゃない)で、水道も通ってなくて、お風呂も薪。
「循環する暮らし」ができている。自然が近い暮らしは恵みがある一方で、リスクもある(大雨で土砂崩れとか)ので、
このことを理解したうえで暮らさないといけない。
―田舎で暮らすということ
今の事例にもあったけど、全然スローライフじゃないし、思い描いたことが全部できるとは限らない。
空き家はたくさんあるけれど、貸してくれるところは少ない。コミュニケーション不足で起きるトラブルだってある。
田舎暮らしを楽しめるかどうかは、変化を楽しめるかどうか。
思い描いた生活がもしかしたら恵那で実現できるかもしれないし、違う地域かもしれない。
まずは足を運んで感じることが大切じゃないかなと思います。
―生徒から先生への質問
Q 田舎で生活していくのに仕事が必要だと思うが、生活していけるか不安
A どんな仕事をしたいか、どれくらいの給料があればいいのかにもよる。仕事がないわけではないので、
どのように自分の基準とバランスをとるかだと思う。仕事を見つけて移住している人はいる。
恵那市内で見つける必要はなくて、近隣の豊田市も瑞浪市も土岐市も車で1時間圏内になる。幅広く探せばいいと思う。
Q 園原さん自身の変化の楽しみ方は?
A 田舎で育ってきたけど、これまでと田舎の感じ方が変わったということ。
長い時間の中で生かされているなと感じるようになったこと。NPOの事務所が築170年の家をリフォームしたところになる。
そこに使われている大きな木は、何十年とかけて育ったもので、数百年単位の中で生きていると感じるようになった。
先生のお話のあとで4~5人程度のグループに分かれて、今日の感想や移住について話し合ってもらいました。
程度の差はあるけど、同じ「移住」をキーワードに思っていることを話せる良い機会になったようでした。
受講生からは、「移住者の生活費の話など、実際の生の話が聞けて良かった」「『なぜその場所か』ということを考えてみようと思う」
「豊田への移住も検討しているが、恵那についても場所を考える参考にしたい」といった感想が聞かれました。
移住をすぐに考えていなくても、「なぜこの場所で暮らすのか(暮らしたいのか)」を考える時間になったのではないでしょうか。
もし、これをきっかけにご縁を感じたら、恵那を体験しに行くのもいいかもしれません。
(レポート担当 ボランティアスタッフ 加藤拓
カメラ担当 ボランティアスタッフ 神谷 祥代)
先生
園原麻友実 / NPO法人えなここ おへマが編集部
1986年生まれ、中津川市出身。京都での着物バイヤー、カンボジアでのボランティアを経て、5年前に地元中津川へUターン。わくわくする田舎を体験を テーマにした恵那山麓博覧会えなか事務局、地域商品の開発やローカルメディア運営、全国各地で岐阜をテーマにした場づくり、東濃初の古民家シェアオフィス 計画など、人と地域を繋ぐ様々なプロジェクトを実践中。