授業詳細
CLASS
心がつつしむ写経の時間 ~大須のお寺で写経体験~
開催日時:2017年06月10日(土) 10時00分 ~ 12時30分
教室:太治山安用寺
レポートUP
先生:
押田清秀 / 太治山安用寺副住職
カテゴリ:【くらし/コミュニケーション】
定 員 :15人
・参加費(志納料、書道用具貸出料を含む)として1,000円を頂戴します。
・写経用具はご用意しますが、使い慣れた書道用具(細筆)や筆ペンがあればお持ちください。(参加費は変わりません)
・集合場所:地下鉄上前津駅7番出口(9時30分)
普段、なにかと忙しさに追われ、文字を書くことですら効率を重視するために、・写経用具はご用意しますが、使い慣れた書道用具(細筆)や筆ペンがあればお持ちください。(参加費は変わりません)
・集合場所:地下鉄上前津駅7番出口(9時30分)
なぐり書きや略字にしてしまったりしていませんか?
また、最近はデジタルツールの発展によって、文字を書くということ自体が必要ではなくなり、
1日のうちで全く文字を書かないという日があるという方もいるのではないでしょうか。
そんな日常から少し離れて、お寺でお経を写し書きする「写経」をして、
「心を落ち着けて、ゆっくりと文字を書く」ことのよさを味わってみませんか?
今回は大須にある太治山安用寺にて、お坊さんの丁寧な指導のもと、写経を体験してみましょう。
安用寺では、書道用具をお借りし、各自で硯(すずり)に墨汁を擦って作るところからはじめる
本格的な写経体験として、毎月開催している写経会では多くの参加者で賑わっています。
写経するお経は「般若心経」です。
般若心経は、わずか270文字ほどの短いお経ですが、仏教の教えの真髄が凝縮されており、
書写するだけで功徳があると言われています。
また、写経は文字の上手下手は関係はなく、心をこめて書写することが重要です。
心を集中して写経の時間を過ごしたあとは、きっとなにか新しい気づきや、
日々の行動によい変化をもたらしてくれると思います。
さらに、今回は特別に安用寺副住職の押田先生より、般若心経の内容をもとに、
「日常を心おだやかに過ごすためのヒント」と題してお話をしていただきます。
お話を聞いた後は、お坊さんとの質問交流タイム。
・仏教でよくいわれる「色即是空」ってどういう意味?
・お坊さんは、どれくらいのお経を暗記しているの?
・お葬式で唱えるお経はどういった内容なの?
など、お寺や仏教の事について普段聞けないことも聞いてみましょう!
また、押田先生は書道六段の腕前ですので、書道についての質疑応答や、
普段文字を書くときのコツや悩みなどについても交流できたらと思います。
スケジュール
9:30 地下鉄上前津駅7番出口に集合。安用寺へ移動
9:45 受付、導入(写経するにあたっての事前説明など)
10:00 授業スタート、生徒さん自己紹介
10:10 先生のご挨拶、本堂で勤行(※読経は希望者のみ)、焼香
10:30 写経体験開始。写経後、お茶を頂きながら休憩&感想シェア
11:40 先生のお話~質問、交流タイム
12:25 記念撮影、アンケート
12:30 授業終了
授業コーディネーター:河津一輝
最近「文字を書く」ということを、まったくしないで一日を過ごすこと、ありませんか。
静かに、一時間半ほど、ただ文字を書く。それだけのことが、どれほど心を整えてくれるのか、今回の授業では感じることができました。
会場は、大須にある太治山安用寺さん。いわゆる清洲越しの際に大須にやってきた、江戸時代からの歴史がある古いお寺です。お隣にはお稲荷さん(豊福稲荷を祀っています)があり、こちらでは手をたたいてお参りしてよいそうです。(私は授業後にお参りして帰りました)
天気のよい、心地よい風の吹く土曜日の朝。先生は、副住職の押田清秀さんです。
授業は、生徒さんの自己紹介のあと、本堂での勤行から始まりました。般若心経は、目で、口で、読んでいくだけで功徳になる、と、押田さんから事前にお話がありました。
上手に読めないし、意味も知らないし…と思いながらも、実際押田さんについて読んでいくと、そのことだけに集中している自分に気がつきます。生徒さんたちも穏やかな表情で、お経をとなえます。
その後、焼香をして、各自写経を行いました。事前にいくつか注意するべき点を教えていただきました。
・筆は普段鉛筆を持つように持ってよいけれど、ちょっとだけ立てて持つとよい。
・墨を擦る際には水を入れすぎない(本当に少しでよい)。
・墨は左右が同じ減り具合になるように擦るのが理想的。
など、これから写経を体験される方は、ぜひ参考にしてください。
硯と墨に触れるのは小学校ぶり、という生徒さんがたくさんいました。墨を擦る音を聞くのも久しぶり。墨のにおいも久しぶり。
写経するのは、般若心経です。この写すという作業もまた功徳になるのです。般若心経はお経の中では短いものですが、その中には仏教の教えが凝縮されています。
短いお経とはいえ、これを書写するのには多くの人は1時間以上かかる、とのことで、今回の授業でも、約1時間半の時間をとりました。(最初は長くない?と思ったのですが、書き始めると、あっという間に時間が過ぎていきます。)
風通りのよいお部屋で、静かに集中して書き写すことができました。私も体験させていただきましたが、「心をこめて写していくこと」のみに集中し、それ以外の何も考えることのない時間は、かなり気力を要する作業だったにもかかわらず、不思議と心を整えてくれる時間だったように思います。
ただ、実は水を入れすぎて文字が薄くにじんでしまい、水をもっと少なくすればよかった、という後悔がずっとつきまとっていました(笑)
生徒さんたちはみなさん、本当に文字を書くのが上手で、書き写されたものを見せていただいただけで、どれだけ心をこめて丁寧に書かれたかがよくわかりました。集中しすぎて肩がこったり、手が疲れたり…という様子でしたが、みなさんやり遂げた顔で、よい表情でした。
出していただいたコーヒーで一息ついた後は、押田さんのお話を聞きました。
印象に残ったのは、私たちは毎日変化している、ということ。人も、物事も、毎日変化しており、毎日同じことをすると、同じことをしているように見えて、変化に気がつくのだ、ということです。私たちが日々行っている何気ないことでも、同じことを繰り返すことの意味は、毎日の自分の変化に気がつくことなのだな…と。
今日の自分の変化に気がつけば、それだけ心が落ち着きます。
最初の自己紹介で、「最近心がすさんでいる」というようなことを口にされた方が何人もみえて、ストレスフルな現代社会ではゆったり心を落ち着ける時間や自分と向き合う時間がとれない人がたくさんいるのだと感じましたが、今回は、自分からそういった時間を作っていくのはいいな、と思っていただける時間になったのでは、と思います。
一度体験していただくと、「心がつつしむ写経の時間」がどういうことか、感じていただけると思います。
安用寺では、毎月第4土曜日の10:00〜12:00に写経会を行っていらっしゃるそうです(予定通りでないこともあるため、事前にお問い合わせされたほうがよいとのことです)。興味を持たれたら、一度、足を運んでみてください。
レポート:鈴木梨恵子
写真:浅野健一
静かに、一時間半ほど、ただ文字を書く。それだけのことが、どれほど心を整えてくれるのか、今回の授業では感じることができました。
会場は、大須にある太治山安用寺さん。いわゆる清洲越しの際に大須にやってきた、江戸時代からの歴史がある古いお寺です。お隣にはお稲荷さん(豊福稲荷を祀っています)があり、こちらでは手をたたいてお参りしてよいそうです。(私は授業後にお参りして帰りました)
天気のよい、心地よい風の吹く土曜日の朝。先生は、副住職の押田清秀さんです。
授業は、生徒さんの自己紹介のあと、本堂での勤行から始まりました。般若心経は、目で、口で、読んでいくだけで功徳になる、と、押田さんから事前にお話がありました。
上手に読めないし、意味も知らないし…と思いながらも、実際押田さんについて読んでいくと、そのことだけに集中している自分に気がつきます。生徒さんたちも穏やかな表情で、お経をとなえます。
その後、焼香をして、各自写経を行いました。事前にいくつか注意するべき点を教えていただきました。
・筆は普段鉛筆を持つように持ってよいけれど、ちょっとだけ立てて持つとよい。
・墨を擦る際には水を入れすぎない(本当に少しでよい)。
・墨は左右が同じ減り具合になるように擦るのが理想的。
など、これから写経を体験される方は、ぜひ参考にしてください。
硯と墨に触れるのは小学校ぶり、という生徒さんがたくさんいました。墨を擦る音を聞くのも久しぶり。墨のにおいも久しぶり。
写経するのは、般若心経です。この写すという作業もまた功徳になるのです。般若心経はお経の中では短いものですが、その中には仏教の教えが凝縮されています。
短いお経とはいえ、これを書写するのには多くの人は1時間以上かかる、とのことで、今回の授業でも、約1時間半の時間をとりました。(最初は長くない?と思ったのですが、書き始めると、あっという間に時間が過ぎていきます。)
風通りのよいお部屋で、静かに集中して書き写すことができました。私も体験させていただきましたが、「心をこめて写していくこと」のみに集中し、それ以外の何も考えることのない時間は、かなり気力を要する作業だったにもかかわらず、不思議と心を整えてくれる時間だったように思います。
ただ、実は水を入れすぎて文字が薄くにじんでしまい、水をもっと少なくすればよかった、という後悔がずっとつきまとっていました(笑)
生徒さんたちはみなさん、本当に文字を書くのが上手で、書き写されたものを見せていただいただけで、どれだけ心をこめて丁寧に書かれたかがよくわかりました。集中しすぎて肩がこったり、手が疲れたり…という様子でしたが、みなさんやり遂げた顔で、よい表情でした。
出していただいたコーヒーで一息ついた後は、押田さんのお話を聞きました。
印象に残ったのは、私たちは毎日変化している、ということ。人も、物事も、毎日変化しており、毎日同じことをすると、同じことをしているように見えて、変化に気がつくのだ、ということです。私たちが日々行っている何気ないことでも、同じことを繰り返すことの意味は、毎日の自分の変化に気がつくことなのだな…と。
今日の自分の変化に気がつけば、それだけ心が落ち着きます。
最初の自己紹介で、「最近心がすさんでいる」というようなことを口にされた方が何人もみえて、ストレスフルな現代社会ではゆったり心を落ち着ける時間や自分と向き合う時間がとれない人がたくさんいるのだと感じましたが、今回は、自分からそういった時間を作っていくのはいいな、と思っていただける時間になったのでは、と思います。
一度体験していただくと、「心がつつしむ写経の時間」がどういうことか、感じていただけると思います。
安用寺では、毎月第4土曜日の10:00〜12:00に写経会を行っていらっしゃるそうです(予定通りでないこともあるため、事前にお問い合わせされたほうがよいとのことです)。興味を持たれたら、一度、足を運んでみてください。
レポート:鈴木梨恵子
写真:浅野健一
先生
押田清秀 / 太治山安用寺副住職
1973年名古屋大須生まれ。曹洞宗大本山総持寺で修行後、副住職として働く一方で、劇団員、護身術講師などの活動にも力を入れている。書道六段の腕前を持つ(雅号:天外)。現在は二児のパパとして子育てに奮闘中。