授業詳細

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400年の歴史を誇る老舗料亭“河文”で餅花づくり~酉から戌へ~

開催日時:2017年12月28日(木) 10時00分 ~ 14時00分

教室:料亭 河文

レポートUP

先生: 香川絢子 / 河文 若女将

カテゴリ:【歴史・文化】

定 員 :30人

・参加費としてお一人様3,500円頂戴します(お料理代・餅花づくり体験代・お土産用の餅花代含む)
・開催3日前以降のキャンセルは、この日の為に準備を重ねてきた先生・コーディネーターともに、とても悲しい思いをいたします。キャンセルのないようお願いいたします。
2017年もいよいよあと少しとなりました。
あなたにとって、今年はどんな1年でしたでしょうか。
穏やかな日々を過ごされた方、大きな変化があった方、様々かと思います。

変わりゆくものと変わらないもの。
名古屋最古の料亭という歴史を持つ料亭”河文”は、登録有形文化財の指定を受ける建物で
尾張徳川家御用達の誇りと格式を受け継ぎながら、その歴史を今も刻み続けています。

そんな河文で3回目を迎えるこの授業。
若女将より、まずは河文にまつわる歴史や街の変化を教えていただきます。
続いて特別に建物の中をご案内いただきます。
料亭では本来お客様同士が顔を合わせることのないよう、見学自体がご法度なのです。
ここだけの機会、ぜひ写真撮影などお楽しみください。

続いて、お正月飾りの”餅花”づくりを行います。
柳などの枝に白やピンクのお餅がささった餅花は、一年の五穀豊穣を祈る意味合いではるか昔より作られてきたもの。
お土産用の枝もありますので、ぜひご自身の手でつくられた餅花をご自宅に飾ってみてください。

授業の最後には、長い歴史の中で守り継がれてきた名物料理の一部をご試食いただけます。
名物・花籠弁当を彷彿とさせる盛合せの一皿、江戸から続く河文の味・鮑の塩蒸、ご飯物、そして甘味。
年末の陽気の中で、老舗の料亭が作る本物の味を存分にご堪能ください。

河文を良く知る方、一度行ってみたかった方、全く知らなかった方、どなたでも大歓迎。
400年の歴史と伝統を感じながら
名古屋が誇る料亭・河文で、1年を締めくくりましょう。


【授業スケジュール】
9:45   受付開始
10:00  授業開始・自己紹介
10:10  若女将のお話
10:40  店内を見学/餅花づくり
12:30  お料理のご試食
14:00  記念撮影・授業終了


授業コーディネーター:井上 麻衣
2017年最後の授業は、今回で3回目となる、老舗料亭“河文”での餅花づくりです。毎年気持ちの良い晴天に恵まれるそうで、今年も、前日の寒さが嘘のように暖かい日になりました。

まずは今回の授業の先生、若女将の香川絢子さんから“河文”を紹介していただきました。料亭の見学、餅花作り、お料理の試食と、盛りだくさんなこの授業、若女将のトークが密かな魅力だと私は思っています。400年以上続く歴史を持つ料亭“河文”、その名前は初代の河内屋文左衛門さんの名前から来ているそうですが、それを「キムタクみたいな名前の付け方」と言って笑う気さくな若女将。この授業が2度目、3度目の方にも(私も2度目)、お話しする内容や話し方を変えることで、新しい発見があるように工夫されていて、どのお話も本当に楽しく聞くことができます。



お話の後は、料亭内の見学と餅花作りです。お客様同士が顔を会わせないようにするのが鉄則の料亭では、見学するというのは本来御法度ですが、今回は年末の営業がお休みの期間ということで特別に案内していただきました。

お話やお食事の会場となった「水鏡の間」は、近代建築の巨匠・谷口吉郎さん(博物館明治村初代館長!)の設計で、同じく谷口さんが設計されたホテルオークラ東京のロビーと同じ照明や文様が使われているそうです。照明にはアスタリスクのようなものが施されて小さな星形に輝いていて(うまく説明できずごめんなさい)、障子には麻の葉の文様が施されていてとってもおしゃれです。水鏡の奥には石で出来た床の間があり、そこを舞台のようにして、邦楽、能楽などを鑑賞できるイベントも開催されています。

中庭のさらに奥には、名古屋城築城時に真南の目印となったシイの木があります。通常、お城の完成とともにその木は切ってしまうものだそうですが(攻め込まれないように)、名古屋城は東の目印(東片端にあるあの木だそうですよ!)と南の目印(河文にある木)がいまだに残っていて、それはとても珍しいことだそうです。

その中庭を臨むお部屋や有形文化財となっている新用亭(ここでお節を詰めるそうです。極寒!極寒でない時はわざわざお部屋を冷やして行うそう)、母屋の1階、2階のお部屋、カウンター割烹など、若女将の楽しいお話を聞きながら見学させていただきました。名古屋城とつながっていた(という話もある)井戸や、歴史上大切な会合などが行われてきた2階の上座敷の秘密(書かずにおきます)など…興味深いことばかりでした。



見学の後は、餅花作り。“河文”での餅花作りは、先代の女将さんがかつて飾っていた餅花を復活させたいという想いから7年前に始まったそうですが、今では3日間料亭の営業を停止して行っているそうです。葉を落とした栁の枝に、小さくちぎったお餅をつけていきます。名前の通り、お餅をお花に見立てているので、お餅の大きさやつける場所は均等でないほうが自然できれいにみえるそうです。おおざっぱな私にはちょうどよい!と張り切ってスタート。



生徒さん何人かで1グループになり、仲居さんがやり方などを教えてくださいます。始めはみんなでワイワイおしゃべりしながら作業していましたが、時間が経つにつれ全員無言に…集中して餅花作りに取り組みました。仲居さんたちは1分に60個ものお餅をつけるそうで、「一番速いのは誰ですか」と尋ねてみたところ、「若女将!」とのお答え。さすがです。



お食事の時間となり、「終了です~」と仲居さんが何度言っても「あとちょっと!」と続きをやってしまうほど、みなさん餅花作りに熱中していました。



そして、最後は、お待ちかねのお食事の試食です。見学と餅花作りですっかり打ち解けた生徒さんたち。席について、みなさん楽しそうにお話しになっています。和気あいあいとした中で、ゆったりと料亭のお食事をいただく、贅沢な時間になりました。



食前酒は、忍冬酒(にんとうしゅ、と読みます)。忍冬(スイカズラ)をつけ込んだお酒で、身体にも良いそう。すごく甘いのですが、後に残らないすっきりとした甘さで、飲みやすいです。お食事は、江戸から続く名物鮑の塩蒸しやお出汁がほっとして泣きそうになるほど美味しいしんじょう、これもほっとするお味の湯葉ご飯など。



甘味は黒豆の載ったきなこのカタラーナ(これは私の人生史上最も美味しいデザート、と同じテーブルのみなさまに熱弁してしまったほどの絶品です!)。お酒と甘味に熱が入ったレポートになっていますが、どのお料理も本当に美味しく、老舗料亭の味を堪能させていただきました。



授業の終わりに、恒例の、河文の仲居さんによる餅花作りが上手だった生徒さんの表彰をしました。素早く丁寧で美しい出来映えで3名の生徒さんが表彰され、最後に呼ばれたのは何と私!「若女将並みに速い」とスピードを評価していただきました。おおざっぱなのでスピードだけ…ですが褒めていただきありがとうございます。



そして、そのコメントを見た若女将は、お食事の間30分ほどお姿を見なかった間に、立派な栁の枝に餅花をつけ終えていました。速くて丁寧なお仕事ぶりに、みんな感動。(集合写真の後ろに写っているものが、若女将が短時間で仕上げたものです!)



この授業のリピーターの方が、最後に「ここに来ると年末だなぁと感じます」とおっしゃっておられて、そうやって季節を感じることができる出来事がひとつ増えるのは、単純に嬉しいことだな、と思いました。それがこんな素敵な時間ならなおさら!

お節料理や畳替え、とにかく忙しい年末に、そんな時間を作っていただいた河文のみなさま、ありがとうございました。2018年もよろしくお願いいたします。

レポート: 鈴木梨恵子
写真:酒井悠行

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. この講座を仲間を誘って2名で参加したいですが、ここでの申し込みは1名しかできないでしょうか。
2017年12月09日(土) 22時33分(キリン)
ご質問・ご感想など、コメントをお書きください。
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先生

香川絢子 / 河文 若女将

広島市出身 安芸 熊谷家の客分「中屋(なかのや)」の長女。龍谷大学文学部史学科卒業、ROHM株式会社にて秘書業務を経て株式会社Plan.Do.Seeにウエディングプランナーとして入社。THE KAWABUN NAGOYA開業のため2007年に名古屋に異動。仲居見習いから京都「萬亀楼」にて女将見習い、その後2011年3月より河文若女将に…現在に至る。中部広島県人会 常任役員

今回の教室

料亭 河文

住所:〒460-0002 名古屋市中区丸の内2−12−19

※名古屋市営地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅下車、2番もしくは4番出口より徒歩約5分


地図を見る

webサイト:https://www.thekawabunnagoya.com/kawabun/
※店内バリアフリー(車椅子も大丈夫です)