授業詳細

CLASS


くらしを手づくりする〜いとしまシェアハウスから学ぶハレとケの新しい形

開催日時:2018年03月16日(金) 19時30分 ~ 21時30分

教室:LIB SPACE

レポートUP

先生: 近藤みなみ /
安田 佳弘 / アウトドアクリエイター
畠山 千春 / 新米猟師

カテゴリ:【環境/くらし/まちづくり】

定 員 :30人

※参加費として2,500円を頂戴します。(手作りの暮らしが体験できるワンプレートつき)
※入場時に1ドリンク(500円)オーダーを参加費とは別で、お願いします。
「くらし」の主役はいつだって私たちだ。
だからこそ、自分の「くらし」には自分の血肉が通った
手づくりのものにしたい!

一方で、お金を払うだけで手に入れる「くらし」はどこか無機質な気がしてならない。
自分だけのくらしを求めているのに、用意されたものだけを受け取っていて
それで自分のくらしをしているって言えるのでしょうか?

そんな中、自分たちのくらしを自分たちで手づくりしている方と出会いました。
いとしまシェアハウス」の皆さんです。
福岡県糸島市にあるシェアハウスは、猟師・料理人・翻訳家・ウェブデザイナーなど
多様な働き方をしている方々が集まっています。このシェアハウスは、
お金・食べ物・エネルギーを自給するということを目指して集まるシェアハウス。
食べるものも使う電力もほとんどを自分たちでまかなっています。

いとしまシェアハウスから新米猟師兼ライターの「ちはる」さんを
先生にお迎えして今回の授業を開催!
テーマは「くらしを手づくりする〜いとしまシェアハウスから学ぶハレとケの新しい形」

ナゴヤエリアは岡崎で手作りウェディングに挑戦したり、
シェアハウス&ゲストハウス「風と土」のオープン準備を進め、手づくりの
くらしを目指す近藤みなみさんが、
手づくりくらしのプロである、ちはるさんと、
三重県いなべ市で自給自足のくらしを営みつつ雑貨&喫茶店「MYHOUSE」の
店主安田さんのお二人に色々質問してしまう、クロストークをします!

また、くらしを手づくりする3名よりフード・ドリンクも提供させていただきます。
ぜひ、お楽しみくださいね!

【スケジュール】
18:45〜 会場設営、フードの盛り付け、ドリンク準備
19:10〜 開場
19:30〜 はじめに
19:35〜 いとしまシェアハウスの「ハレとケ」の話
19:50〜 手づくりの暮らし〜安田さんの場合
20:00〜 アウトドアウエディングってなんだ?〜
20:10〜 ブレイクタイム
 (MY HOUSE季節のワンプレート、ドリンクおかわりも!)
20:35〜 クロストーク〜それぞれのハレとケ
21:15〜 まとめ・記念撮影

【MY HOUSE季節のワンプレート】
獲った肉、手作りの調味料、採集した木の実・山菜、
栽培した野菜、仲間と物々交換した諸々の食材等を使って提供

【いとしまスペシャルドリンク】
・梅ジュース(H/I)
・梅ソーダ
・野菜茶

授業コーディネーター:山田卓哉、近藤みなみ

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キャンセル料について
安定的な運営のため、開催2日前以降のキャンセルはキャンセル料を申し受けます。あらかじめご了承ください。
やむを得ずキャンセルされる場合は、dai-nagoya@univnet.jpまでお早めにご連絡ください。
※電話連絡も可能ですが、打ち合わせなどで電話に出られない場合があります。留守電にメッセージを残してください。
Tel:070-5459-8213(受付時間:10:00~17:00 ※定休日:土・日・祝)

【キャンセル料】
2日前〜前日のキャンセル:参加費の50%
当日のキャンセル、無連絡不参加:参加費の100%
※電話でのキャンセルは当事務局の営業日、営業時間内にご連絡いただいた日を基準とします。
※代わりに参加できる方がおられる場合、キャンセル料は不要です。その旨をご連絡ください。
※無連絡不参加の場合、以後のご参加をお断りすることがございます。
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金曜の夜、いろんな椅子やソファが並ぶ、やさしい空間のサロンで今回の授業は行われました。ゲストは、新米猟師の畠山千春さんとアウトドアクリエーターの安田佳弘さん。

話が始まるのをワクワクしながら待っている生徒さんたち。会場後部では、スタッフが静かにワンプレート料理の準備を始め、コーディネーターの近藤みなみさんの挨拶から授業がスタート。



一部では、ゲストそれぞれの「暮らし」についてお話をしていただきました。

「当たり前の日常がガラリと変わった”3.11”がきっかけでした。お金が役に立たない世の中を経験し、今までの”消費するだけの暮らし”から”自分で作り出す暮らし”へ目が向くようになりました。」と千春さんのくらしの話が始まりました。



彼女が暮らす「いとしまシェアハウス」のコンセプトは、エネルギー、仕事、食べ物を作り出す暮らし。地域の使われていない資源、人材、時間、場所が色々と生かされています。エネルギーは、太陽光から頂いている。太陽光パネル発電機は、ワークショップで作ったもので、他にも薪やオンドルを利用してエネルギーを賄っています。

仕事を作り出しています。

例えば、農家さんが手放した梅畑で梅を無農薬栽培。これをネットで販売したところ既完売。また、1個2円にしかならなかった甘夏を「取り放題2,500円」の甘夏狩りとして企画し成功を収めています。その他にも古民家を利用してのワークショップやマルシェ開催、スタジオとして貸し出すなど、地域の自信にもなる仕事を作りだしています。

食べ物も作り出します。

お米は、3反ほどのたんぼで無農薬栽培。これは8人が一年間食べられる量になります。ここは、自然に恵まれた土地だから山では野草、海では豊富な海の幸が取れます。狩猟で得た食肉は100%頂き、養蜂も行っています。

例えば、7人の食費 1,500-3,000円、インターネット、ガス、電気等の生活費 8,000-9,000。これくらいあれば十分暮らしていけます。食料と寝所に困らない環境が揃っているのでお金がかからない。だから小さな仕事収入だけでも生活が可能なのだ。

彼女が目指しているのは、サスティナブルなシェアハウス。田舎暮らしの体験から村ができ、コミュニティーが生まれ、やがては3世代で暮らせる場所へ変っていくこと。

続いて、「自給自足の生活は、手作りや手作業で大変ではあるけれど、暮らしにストーリーがある」とアウトドアクリエーターの安田さんが魅力を語ってくれました。



エネルギーは、森で木を切ってつくる薪。それをストーブや風呂に利用しているし、炭も焼いています。食料は、無農薬で米を栽培。ヤギ3頭、ニワトリ24羽、ミツバチ箱は7つ所有。山に入ればキノコ、山菜、木の実、果実が取れ、猟もできる。海ではスピヤフィッシング(銛で突く漁)で獲物をとる。これらの食料は、自分たちだけの為ではなく、カフェでも使用し、料亭に卸すこともあるという。

田舎では、1つの仕事で30万円を稼ぐのは難しいが、3万円の仕事を10つ掛け持ちし30万円稼ぐことは可能だそうだ。そんな彼の仕事は、ネイチャースクール、兼業猟師、アウトドアクリエーター、アイドルコーディネート、カフェ経営、デザイン、大学でサバイバル学ゼミ、雑誌記事等、多様。

彼が友人と始めた「ぶつぶつ交換会」は得意分野をシェアする交流の場となっている。交換物は、狩猟物、採取物、手作り、栽培、情報、サービスなどで、条件さえ満たせば子供も参加することができます。自分が持っていった物が、何かに替わる面白さは子供にもウケています。交換会開催以降、仕事や家探しが、容易になるなど、別の効果ももたらしました。


さあ、お待ちかねのブレイクタイムです。

安田さんの「季節のワンプレート」メニューは、ケークサレ、ポテトサラダ、猪スモーク、人参ラペ、きんぴら、根菜サラダ、菜花お浸し。材料は自家製や交換会の食材。野菜はどれも美味しいし、狩猟の猪肉も頂けたのがうれしかったです。(スモーク肉はイケます!)

千春さんの「いとしまスペシャルドリンク」も梅ジュース、梅ソーダ、野草茶からチョイスできたので、私は爽やかな味の梅ソーダを頂きました。 



千春さんの物販品コーナーには、革製品雑貨やアクセサリーが並ぶ。納豆作りセット(\4000)は、藁、温度計まで揃った本格的なキットだ。解体方法も解説されている千春さんの著書「わたし解体はじめました」を手に取って閲覧する生徒さんの姿も。

女性に「かわいい」と人気だったのは、千春さんが背負ってきた猪の毛並そのままのリュック(非売品)。




安田さんの物販品コーナーには、鹿の角から作ったブローチ、ナイフなど。どれも素材を生かしたザインが魅力なものが並んでいました。



二部では、聞きたい話No.1の「狩猟」について、写真を交えながら安田さんに解説していただきました。以下に少しだけミニ知識をご紹介します。



・獲物は、鹿、ハクビシン、ヌートリア、キジバト、アナグマなど。特に、猪、アナグマ、ハクビシン、ヌートリアの肉は美味しい。(食べてみたい!)

・普段は、罠を仕掛けて、生け捕りにし、家で解体する。雪の季節は猟銃で撃つ偲び狩りを行う。

・獲物の足跡を追跡するが、鹿が通ったかどうか、葉っぱについた歯型で判断することがでる。上歯の無い鹿の歯型はケバケバしている。

・獣の寝床跡は草が倒れる。その形が丸ければ、首を曲げて寝る鹿。丸くなければ猪だ。

動物の死と係わる仕事をしている二人には動物愛護団体からのバッシングがあるという。最後に、「猟」や「解体」そして「命」に対する考えを伺いました。

「狩猟を勧めるわけではない。命に対しては、人それぞれの向き合い方があるもの。だからこそ、色々と知たうえで、選択して欲しい。」と語る安田さん。彼は、猟の後には毛ボカイ(マタギの鎮魂儀式)を行っています。

千春さんも「獣を捌くという一部だけで判断してほしくない。「食べる」とは、いろんなプロセスの末、たどりついたもので、自分が何の命によって支えられているのか、他の命とどう係わっているかを知ることである。そこには命に対する誠意がある。」と語っていました。

授業終了後、生徒さんに感想を伺いました。

・田舎暮らし、自給自足の生活に興味があり参加しました。

・仕事、食べ物、エネルギー、コミュニティーを作り上げている話を聞きこれこそが生活だと感じました。

・必要以上に食べ物もエネルギーも使いすぎている今の生活を見直そうと思います。

・実際に解体を見てみたくなりました。

今回の授業の続編が開催されるのを期待したいです。



レポート:中西淳子

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. 『暮らしにストーリー』 素敵な言葉ですね。
持続可能な社会というと 難しくなりますが、
『地域の自信』を生み出す、新しい価値観
魅力的な視点でだと レポートを拝読しました。
続編が開催されるのを楽しみにしております。
2018年05月04日(金) 20時47分(たみ)
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先生

近藤みなみ /

1990年三重県いなべ市出身。結婚を機に愛知県の三河エリアに活動拠点を移す。 国際交流が趣味であり仕事で、日本に住む外国人に日本語を教えたり、交流を通した体験型の英語のクラスを受け持つ。 岡崎で古民家を改装したシェア&ゲストハウス「風と土」のオープン準備進行中。2017年6月に物件近くの籠田公園でアウトドアウェディングを開催した。 ▼Happy Outdoor Wedding ▼風と土 ▼provi

安田 佳弘 / アウトドアクリエイター

13年前に大阪から三重県いなべ市に移住し、山の麓で妻と5歳の息子と一緒に、ヤギと鶏とミツバチと犬と猫を飼い、田畑を耕し、薪で風呂を炊き、鉄砲と罠で鹿やイノシシを狩猟して暮らしています。 キャンプ場でのキャンプライフクリエイターを経て独立し、現在は狩猟を生業の中心に起きながら、ネイチャースクール主宰、インタープリター業、アウトドア雑誌への執筆ライター、各種自然体感ワークショップの開催、大学非常勤講師、TV・CM等のアウトドアコーディネイター業、教育機関での講演、デザインなどを含めたアウトドアクリエイターとして展開する。 調味料を手作りし、自宅横に夫婦二人で建てた小屋にて雑貨カフェも営なむ。 鹿、イノシシ、山菜、キノコ、魚、カニ、エビ、木の実、鳥、果実、スッポン、山芋といった季節ごとの狩猟採集に、ソワソワする毎日。 ▼MY HOUSE ▼コロカル掲載記事

畠山 千春 / 新米猟師

3.11をきっかけに大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ、自分の暮らしを自分で作るべく活動中。2011年から動物の解体を学び、鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩りを始めながら、獲物の皮なめしなども行う。 現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る「いとしまシェアハウス」を運営。 2014年に木楽舎より『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』を出版。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。 ▼ちはるの森 ▼いとしまシェアハウスfacebookページ ▼いとしまシェアハウスのウェブサイト

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