授業詳細

CLASS


みりんを造り続けて150年。〜7代目蔵元から学ぶ”みりんのこと、日本酒のこと〜

開催日時:2019年01月12日(土) 10時00分 ~ 12時00分

教室:甘強酒造株式会社

レポートUP

先生:山田洋資 / 甘強酒造株式会社 専務取締役

カテゴリ:【食/くらし/歴史・文化】

定 員 :20人

※参加費:無料(サポーターの皆様からの寄付による寄付講座。)
※工場内(工場内で講義も実施)暖房設備がありませんので、暖かい服装でお越しください。
※公共交通機関でお越しください。
※本授業の抽選は2018年12月28日(金)に行います。
(抽選予約受付は12月28日(金)13時までとなります。)
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2019年1月11日(金)13時00分まで先着順でお申し込みを受け付けます。
愛知県尾張地方に位置する蟹江町は、水郷のまちとしても知られ、まちの4分の1が河川で占められています。

古くから河川を交通手段として、酒蔵や醤油蔵が多くありました。

そんなまちで、1862年(文久2年)から本みりんを醸造している甘強酒造。1954年から日本酒の醸造も始めます。

今も河川沿いに工場があり、使用している事務所は、昭和13年(1938年)に建てられ、当時の姿をとどめています。(※事務所の中には、入れません。)




今回の授業では、前半、7代目蔵元であり専務取締役の山田さんから、甘強酒造のこと、みりんや日本酒のことなどをお話いただき、後半は、工場の中を見せていただきます。

1月は、お酒づくりの時期。みりんと日本酒を作っているため、1月〜3月は日本酒、4月〜12月はみりんと時期を分けているそう。

蟹江のまちの当日の面影を感じつつ、みりんや日本酒造りを学んでみませんか?


【タイムテーブル】
9:45 受付開始
10:00 授業開始、導入・自己紹介
10:20 講義(山田専務)
11:00 工場見学
11:30 試飲・質問ふりかえり
11:50 写真
12:00 授業終了

授業コーディネーター:大野嵩明
みりん。日本の食文化ではかかせない調味料の中のひとつ。

今回の授業では海部郡蟹江町にある甘強酒造株式会社でみりんについての授業が行われました。先生は甘強酒造7代目蔵元、山田専務です。



まずは恒例の30秒自己紹介タイム。今回子どもから大人まで幅広い年齢層の25人もの参加がありました。

・発酵に興味がある
・蟹江町になじみがある
・みりん醸造の見学に興味がある
・最近愛知に来たばかりでまちのことを知りたい
などなどさまざまな動機で参加されている方が多かったです。



今回の授業の先生である7代目蔵元、山田専務からお話。

醸造業の全国的な分布について説明がありました。現在日本酒の醸造は日本全国で行われている一方、みりんを醸造しているところは全国で50軒ほどしかなく、愛知県でも5軒ほどだそうです。みりんの醸造は全国的には珍しい存在なのですね…。



次にビデオを見てみりんの概要、みりんの製造工程を学びます。

まずはみりんの歴史から。

日本でみりんが作られたのは400年前の戦国時代からで、当時みりんはお酒として飲まれていたそうです。調味料として使われたのは江戸時代中期からだそうです。

みりんが飲まれていたということに衝撃を受けました…

次に製造工程について。
①もち米の下処理…収穫したもち米を精米し、洗米し、水に漬け、蒸す、冷やす
②米麴生成…蒸したうるち米に麹(こうじ)菌を付ける
③仕込み…もち米・米麴・焼酎を混ぜてタンクへ入れ、60日以上熟成
④もろみ…麹菌の酵素によってうまみやコクが生成される
⑤攪拌(かくはん)…空気を数回混ぜて熟成させる
⑥しぼり…200㎏の重みをかけて一カ月半かけて搾る。
⑦熟成…6カ月ほど熟成。ろ過・調合などを行い、瓶詰めがされる。
1年ほどかけて作られているそうです。丹念こめて造られていることがわかりますね。



山田専務から補足説明。甘強酒造では1~3月酒、4~12月(8月除く)みりんを作り、みりんは一日3tのもち米、麹菌300㎏を使用して作られているそう。

米麹を見せてもらいました。



麹とは穀類を蒸し、麹菌を振りかけて繁殖させたもので、醸造には必須のもの。麹にはさまざまな種類があるそうですが、今回黄麹・白麹の二種類の麹を見せていただきました。

実際に触れてみると、乾燥していて固かったです。見た目は両方ともそっくりですが、酵素の働きの力に差があり、主に黄麹は日本酒・みりんなどに使われ、白麹は焼酎のように酸味の多いものに使われるそうです。

甘強酒造は140年前、文久2年(1862年)創業。濃尾平野で収穫される豊富なもち米を原料として味醂の蟹江町はまちの4分の1を河川で占めるまち。川で原料を運んで、作ったものを川で運べるという立地を生かし、甘強酒造はみりん製造を始めたそう。

主に大阪方面へ運ぶことが多く、その理由として上方料理にみりんが多く使用されていたことが影響しているそうです。地域の米、自社で作った国産原料の焼酎を使ってみりんを作っているのが特徴。

また、甘強酒造の敷地内には文化庁の登録有形文化財建造物がいくつかあります。みりん工場は明治時代初めの建築、住宅は大正時代の建築、事務所は昭和10年代のレトロなタイル作りの建築など。

見ていると歴史を感じさせる建築ばかりでした。特に川を挟んで眺めた事務所は圧巻な景色でした。



そして作業着などを着て工場内を実際に見学。

まずは仕込み蔵へ行きました。皆さんタンクの大きさにびっくり。そして階段を上がり、もち米に処理をかけたり、米麴を作ったりする場所へ。



もち米はベルトコンベアを通して蒸す蔵の中に運ばれている様子、麹を生成する機械をここでは見学しました。実際に中の様子も見せてもらい、皆さん驚きの表情でした。

そしてまちに待った試飲。今回は20年間かけて熟成された黒みりんを試飲しました。甘くておいしい!との声が多く上がりました。





参加者の皆さんと感想をシェア。
・みりんが長い時間かかるのは驚いた。
・みりんの工程が複雑だと思っていたが、こんなに単純化されているとは。
・自然の恵みを生かして、国産原料で作られていることはすごいこと!

皆さんみりんの作られ方を中心とした感想を述べられていました。



その後参加者の一部の方々と昨年瓦授業の先生をしていただいた脇田さんと一緒に蟹江町の瓦を巡りました。
(※脇田さんとの瓦授業(2018/09/22開催) http://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/453



甘強みりんの住宅には「甘強」の文字の瓦、寺のマークの瓦のあるお地蔵さんの箱建物、神明社の鬼瓦、三つ巴(どもえ)瓦、「火厄」の文字のある瓦、大根が左右対称に配置された瓦、宗派を現した瓦、寺院の名前の頭文字を取った大きな瓦などなど、さまざまな瓦を見に行きました。

瓦をまじまじと見るのは二回目でしたが、じっくり見てみると面白いです。



最後に蟹江町観光交流センター祭人へ足を運び、甘強みりんを加工して作られた味醂(みりん)サイダーが振舞われ、「おいしい」と絶賛していました。ちなみに観光交流センターでは須成祭という夏に行われる川のお祭りの宣伝もしていました。



地域の地盤を有効活用してみりんを造る酒蔵がある。さまざまな寺社がある。地元のものを利用したものがある。地域の祭りがある。

蟹江のまちはさまざまな魅力があるまちだな、というのが所感です。さまざまなまちへ足を運んでその魅力を発見していきたいと思いました。


レポート:進藤 雄太朗
写真:鬼頭 哲雄

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

山田洋資 / 甘強酒造株式会社 専務取締役

大学を卒業の後に、いきなり中国留学を経て、中国勤務になる。留学時代を含め、3年を中国で過ごす。日本に戻ってからは、甘強酒造でお酒造り、味醂造りに従事する。関東での営業経験も3年ほど経験し、現在は専務取締役として勤務。お酒や味醂は昔からの発酵食品であり、昔ながらの作り方をする味醂をより多くの方に知ってもらえるように広報活動をしている。現在では、海外からのお客様も見え、海外に営業に行くこともある。現在、日本酒の輸出は伸びている状況で、それにつれて味醂も複数国へ輸出をしている。世界中で流行しつつある和食は大きなビジネスチャンスだと思い、これからもより多くの方に日本酒、味醂と製造する発酵食品を知ってもらえるべく、尽力していく。

今回の教室

甘強酒造株式会社

住所:〒497-0040 愛知県海部郡蟹江町城四丁目1番地
※近鉄蟹江駅から徒歩10分
※JR蟹江駅から徒歩20分
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