授業詳細

CLASS


暮らすように旅をしたい街〜脱・観光視点で関市の魅力をヒト・モノ・コト丸ごと味わう〜

開催日時:2019年01月20日(日) 19時00分 ~ 21時00分

教室:tt" a little knowledge store

レポートUP

先生: 林 未唯 / リトルクリエイティブセンター マネージャー
衣斐 七海 / 関市役所職員
山田 茂宏 / 株式会社SYNC代表取締役 / 一級建築士
井原 なみ / パン屋カフェ店主兼パン製造担当

カテゴリ:【くらし】

定 員 :25人

食事代として2,000円+1drink いただいております。
伝統が色濃く残る刃物のまち「関市」
モネの池をはじめとした自然の風景が美しい「関市」

近年「関市の魅力といえば」と耳にするようになったふたつは確かに納得の技術、納得の絶景ではあるのだけど、何故か自分とは程遠い世界のように感じてしまい身近に思えませんでした。

しかし、実際に関市に訪れてその土地で生活する人たちにまちを案内していただくと、有名旅行誌やネットでは簡単に見つけることのできない地元の人しか知らない情報、地域の魅力に触れることができて、まちの温かさや安心感に触れることができました。まさに、「暮らすように旅をする」体験でした。

そんな関市の魅力をまるごと名古屋で擬似体験してもらいたく、今回の授業を企画しました。
当日は、様々な角度から地域の魅力を伝えたく、3名のゲストをおよびしています。

一人目は、岐阜県を本拠地に活動するリトルクリエイティブセンターの林さん。
彼女は関市の出身ですが、大学進学から地元を離れ昨年、取材で関市に訪れたことをきっかけに、生活していた時には気づけなかった地域の魅力を知ったと言います。

二人目は、就職を機に関市に移り住んだ衣斐(いび)さん。
新社会人になり9ヶ月。まだまだ歴はこれから!というところですが、あっという間に関市の魅力にとりつかれ、「このまちで何かしたい!」と東奔西走、地域を盛り上げる活動を聞きつけては各地に足を運んでいます。そんな衣斐さんの目に映る関市の魅力って一体なんでしょうか?

三人目は、関市の建築事務所SYNCの山田さん。
”僕たちは建築を楽しくしているだろうか?建築はみんなを楽しませているだろうか?”という問いを立てながら住み手のライフスタイルに合わせた、質の高く心地よい空間を提案で活躍しています。
関市の豊かな自然の風景で表情の変わるカフェ「SO GOOD」も運営しています。
長く住んでいると言葉にしづらくなるだろう地元への思いを教えていただこうと思います。

その他にも、当日は関市からもこの授業を楽しみに足を運んでくださる方がたくさんいらっしゃいます、
参加生徒のみなさんで交流をしつつ、様々な角度から関市の魅力を伝えることができればと思います。


また、今回会場である"TT" a little knowledge store"さんのご好意で、当日は特別に関市の食材を使ったお料理を出していただきます。産地にこだわった食材と、味はもちろん、見た目までもこだわり抜いた食事を提供してくれるTT”さんの料理、想像するだけでもワクワクしてしまいます。

今回は、まさに五感もフル活用で丸ごと関市を感じていただき、参加した後、ふらっとみなさんが関市に訪れたいと思ってもらえたら嬉しいです。



【スケジュール】
18:30 - 開場
19:00 - オープニング・趣旨説明
19:10 - 登壇者紹介
19:40 - クロストーク
20:10 - 交流会
20:50 - エンディング
21:00 - 終了

【授業コーディネーター】
山田 卓哉

主催:関市
協力:大ナゴヤ大学・TURNS https://turns.jp/
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キャンセル料について
安定的な運営のため、開催2日前以降のキャンセルはキャンセル料を申し受けます。あらかじめご了承ください。
やむを得ずキャンセルされる場合は、dai-nagoya@univnet.jpまでお早めにご連絡ください。
※電話連絡も可能ですが、打ち合わせなどで電話に出られない場合があります。留守電にメッセージを残してください。
Tel:070-5459-8213(受付時間:10:00~17:00 ※定休日:土・日・祝)

【キャンセル料】
2日前~前日のキャンセル:参加費の50%
当日のキャンセル、無連絡不参加:参加費の100%
※電話でのキャンセルは当事務局の営業日、営業時間内にご連絡いただいた日を基準とします。
※代わりに参加できる方がおられる場合、キャンセル料は不要です。その旨をご連絡ください。
※無連絡不参加の場合、以後のご参加をお断りすることがございます。
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名古屋・星ヶ丘のカフェ「TT″ a Little Knowledge Store」。

ドアをくぐると、6枚のポスターが目に留まった。関市のポスターだが、よくみる観光名所のものではない。



参加者は受付を済ませると、ウェルカムドリンクをもらいにカウンターへ。関市でとれたキウイやゆずの、しぼりたてジュース。



壁には映像。個人商店の軒先で、背中を丸めて談笑する人たちが映っている。関市の街角だ。参加者はいよいよ、関市に迷い込んでいく。

まずは全員で自己紹介タイム。4名のゲストも入り混じり、4~5人のグループを作る。



今回の参加者は40名。そのほとんどは関市に行ったことがあり、「もっとディープな魅力を知りたい」と参加した。

ゲスト自己紹介。

「トークに慣れてなくて・・・」

はにかみながら話し始めたのは林さん。



岐阜市のデザイン会社、LITTLE CREATIVE CENTERに所属。広告やwebのグラフィックデザイン、商品の企画開発なども手掛けている。

「私は関市出身ですが、絶対に地元を離れたくて、他県の大学へ進学しました。」

そんな林さんが、関市へのUターンを決めたのは、仕事がきっかけだった。

「ある日、地元の小さな工場を取材したんです。通っていた中学校のナナメ前で、何度も前を通ったことがありました。その中で作られていたのは、思いもよらない、おしゃれな鉄製品でした。初めて、仕事目線で地元を見ました」

そして、生活していたときには気づけなかった関市の魅力に、気づいたという。



衣斐さんは、関市役所に勤めて9か月目。

「私は大学のころから、地域とつながり盛り上げることに興味がありました。公務員になることは決めていたから、あとはどの自治体にするかの問題でした。」

言葉に芯のある女性だ。目が輝いている。

「関市の市長を知って、この人のもとで働きたい、と思いました。すごく熱い方なんです。就職前に関市へ“下見”に行って、いい意味でゆるい地元の人たちに親しみを感じ、ここにしようと決めました。」

就職とともに、関市へ移住した衣斐さん。

「週末には、時間をみつけて関市を歩いています。パンフレットには載っていないような、隠れた名所を探すのが楽しい。一人でもどんどん行くし、市役所の同期たちを巻き込むこともあります。関市役所の職員として、みんな関市のことを知っていたらいいな、という思いがあるので。でも、無理はさせない程度にしています(笑)」

衣斐さんのお気に入りスポットは、「幸せの氣の森」にある池。



山田さんは、関市で建築事務所SYNCを営んでいる。

「関市で起業したのは競争相手が少なかったから。関市にはおしゃれな建物を作る建築事務所が少なかったので、ここなら若造でも勝負できるかな、と思いました(笑)」

赤裸々に語ってくれた。笑顔がさわやかだ。

「関市は、ICが近いので、車で移動する人にとっては大変便利です。客先にすぐアクセスできるので有利でした。」

事務所にはカフェ「SO GOOD」を併設。おしゃれな建築と、奥様の料理に定評がある。実際に、参加者の中には「SO GOOD」の大ファンだから参加した、という女性もいた。

スクリーンに、その店内が映し出された。大きな窓から一面の田んぼが見える。

「関では当然の景色だけど、外から来た人には特別な世界なんじゃないかと、ふと思ったんです。それを窓というフレームで切り取って。別の味がでるかなと。」

夏にはまぶしい緑色、冬には静謐な雪景色になる田んぼ。鮮やかな借景に、参加者は釘付けになる。



井原さんは、関市(武芸川町)でパン屋「panbiyori hu-」を経営している。そして、お母さんでもある。

「関市の魅力は、“ちょうどいい”ところ。子育てをする上で、都会すぎず田舎すぎないのは大切です。自分としては、本当は超田舎が好きだけど、喘息持ちの子供にとって、夜中に救急医療に掛かれる環境は必須。その点、関市は総合病院へのアクセスが良いので。」

食の専門家としても、関市を的確に分析する。

「パン作りの上でも、関はちょうどいい。きれいな水と、新鮮な野菜や肉に恵まれています。これは、郡部と都市部が合併した恩恵ですね。郡部の新鮮な野菜が、関市の中心地に流通しやすくなりました。それに、観光資源という点でも、魅力が増えたと思います」

関市は平成17年に旧武儀郡町村と編入合併して、現在のV字型になった。洞戸村のキウイ、上之保村のゆず、武儀町のしいたけ。板取村のモネの池も、合併によって関市の顔となったのだ。

クロストーク
Q.関市のいいところは?
山田さん:いつバーベキューをやっても怒られないところ。(会場、笑い)

衣斐さん:個人経営のお店が多いところ。しかも、老舗が多い。チェーン店にはない良さがあり、そこにしかない商品・人に出会える。

Q.関市の楽しみ方
井原さん:モネの池+α。hu-にパンを買いにきたカップルが、「このあと関市で評判の肉屋さんのハムを買い、サンドイッチにしてモネの池のほとりで食べる」と楽しそうにしていた。

林さん:トキワのオムライスがおすすめ。フォルムや焼き印の可愛さと、ふわふわの卵。真ん中で割って食べる。

山田さん:板取川。とにかく透明度が高い。シュノーケリングで潜ると、鮎だらけです。

衣斐さん:本城山。関を一望できる、歴史のある山です。そのあとは「香川」でサクサクのカラアゲを。お店のご主人はケイちゃんの焼き方に強いこだわりがあり、お客さんに対しても厳しい指導が入ります。


交流会
皆さんお待ちかね、次々に運ばれる、関市の食材を使った料理。これを楽しみに来た参加者も多い。



話の中に何度も登場した、しいたけ。なんて美味しいのだろう。シンプルに焼かれただけなのに、風味ゆたかで、歯ざわりもなめらかだ。

キウイはTT゛シェフオリジナルの、白和えにアレンジされている。TT゛名物のチーズケーキは、関市のゆずで装いを新たにしている。





自然に笑顔になる味。

参加者の会話も弾む。



衣斐さんに憧れ、自らも町おこしに関わっている大学生が、衣斐さんと話している。ゆっくり話すのは初めてだとか。

彼氏が関市出身という、カップル。カウンターで肩を並べて、関市の記事を眺めている。「こんどモネの池でサンドイッチ食べようよ。」彼女がほほ笑んでいる。

関市市役所から、今回の授業を見守りにきた、マツケン似の職員さんが、TT゛オーナーと話している。動画が、関市の日常そのものだと、感動したらしい。

実は、ポスターも動画も、広告デザイン専門学校の学生さんがこの日のために作ったものだ。オーナーはその取材に同行し、学生さんのサポートをした。初めて関市を訪れた名古屋の学生が、若い目で切り取った関市。それが関市の大人の心を動かしている。



関市に関わった人たちの間に、自由な交流が生まれ、夜が更けていく。

それぞれの関市をアップデートして。

新たな興味を胸に、暮らすように旅をする姿が目に浮かぶようだ。



レポート:高橋秋香
写真:中上敦幾

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

林 未唯 / リトルクリエイティブセンター マネージャー

岐阜県関市生まれ。名古屋市立大学経済学部を卒業後、入社。経営や社内のスケジュール調整、プロジェクトの進行管理を担当。そのほか、草叢BOOKS各務原店「ぎふのモノ」ブースの商品セレクトなど幅広く担当。 https://licrce.com

衣斐 七海 / 関市役所職員

岐阜大学地域科学部卒業、現在は関市役所に務める。関市在住9ヶ月目。今まで何のゆかりもなかった関市に、市役所の職員として働くことをきっかけに移住。 趣味はまちあるきと胃を強くすること。目の前の目標は、関市の人を面白くすることで、関市という地域を面白くすること。人生の目標はかっこいい大人になること。

山田 茂宏 / 株式会社SYNC代表取締役 / 一級建築士

岐阜県関市生まれ 2007年に一級建築士事務所 SYNCを設立、2013年株式会社SYNCを設立。 関市に籍をおきながら、中部圏域の各地にて自由で楽しい建築を提案。 住み手のライフスタイルにあった、質の高く心地よい空間を提案し続ける。 関市千疋にてカフェSO GOODも運営している。 ●SYNC http://www.i-sync-so.jp ●SOGOOD http://www.sogd.jp/

井原 なみ / パン屋カフェ店主兼パン製造担当

子どもからお年寄りまでお店に足を運ぶ様々な人に寄り添って、飾らない panbiyori hu- らしいパンを意識してつくる。安心安全なパンづくりが関市内外に根強いファンも。 ドイツ風揚げパンのお店、hu + KRAPFEN STAND 〈 GIFU JAPAN 〉 フゥ+クラップフェンスタンド も手がける。 http://hu-pan-gifu.com/

今回の教室

tt" a little knowledge store

住所:名古屋市千種区星が丘元町16-50 星が丘テラスEAST3F
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