授業詳細

CLASS


ボランティアってなんでやるの?〜手伝う人、企画する人、それぞれの視点から考える

開催日時:2019年03月14日(木) 19時30分 ~ 21時00分

教室:港まちづくり協議会 港まちポットラックビル

レポートUP

先生: 白勢竜彦 / 森の映画祭実行委員会 実行本部
河口 哲也 / TEDxHamamatsu Founder/Organizer
岡西康太 / 港まちづくり協議会 広報

カテゴリ:【くらし】

定 員 :30人

【定員が満席になりましたので10席増席しました!】
参加費:500円
申込締切:3/13迄
「ボランティア」ってどういう意味?

現在、学校や、職場、地域のコミュニティ、あらゆる場所でボランティアの助けが求められているように思います。
震災やオリンピック、地域のお祭りやイベントにおいてボランティアの需要はなくならない。2018年には目を見張る活躍から「スーパーボランティア」という言葉さえ生まれた。

そんな中で、やはり疑問に感じるのは「ボランティア」という言葉。
どうも、ボランティアを求める人が口にする「ボランティア」と
ボランティア活動をする人が口にする「ボランティア」にはそれぞれ同じ意味ではないのでは?という違和感がある。
同じ疑問を感じる方は他にはいなかったでしょうか?

私自身も「ボランティア」を通して自分の生きる道が変わった一人。
そして、私の周りに「ボランティア」がきっかけで変わっていった人たちがたくさんいることも感じています。ただ、平成が終わる今、このままこの言葉の意味を曖昧にして次の年号に歩んではいけないような気がしています。

今回の授業は、あらゆる分野でボランティアスタッフの力を借り、そしてまた自分もボランティアの一員として活躍しているゲストを迎えて、改めてボランティアの意義を再認識する授業です。

大ナゴヤ大学もたくさんのボランティアに私たちの活動をサポートしていただいています。
ボランティアの方々の活躍のおかげで、私たちの授業、企画、イベントが何倍にも、何十倍にも魅力的なものになることを実感しているからこそここで足を止めて考えたい。

キーワードは、
「組織図」
「地域性」
「報酬」
「募集要項」


先生として当日来てくださるのは、
夜空と交差する森の映画祭を運営する森の映画祭実行委員会 実行本部の白勢さん、
浜松にて、TEDxHamamatsu Founder/Organizerとして活躍する河口さん、
そして、「港まちづくり協議会」の岡西さん。
以上の3人をお招きして、それぞれの活動で感じている「ボランティア」の可能性からその後のキャリアの話まで話を膨らませていきます。

・日程:3/14(木)
19:00 - 入場開始
19:30 - 趣旨説明・ゲスト紹介・クロストーク
20:20 - ディスカッション〜みんなにとってのボランティア
21:00 - 終了
・場 所:みなとまちづくり協議会 ポットラックビル
・参加費:500円
・定 員:20名→30席に増席しました!

【授業コーディネーター】
山田卓哉
3月のまだ肌寒い夜、「ボランティアってなんでやるの?~手伝う人、企画する人、それぞれの視点で考える~」が開催されました。平日にも関わらず、仕事終わりの社会人や学生が総勢30名集まりました。会場は名港線「築地口」から歩いてすぐ、港まちポットラックビルです。



まずは授業コーディネーターの山田さんによる趣旨説明、その後チェックインとして近くにいる4~5人で自己紹介をしました。

・今日集まったみんながそれぞれどんな想いでボランティアをやっているのか聞いてみたい!
・ボランティアをしていると言うと、高尚なことをしているように思われることがあって何かモヤモヤ…!
…など、集まったきっかけも想いもさまざまでした。大ナゴヤ大学の授業に初めて参加したという人もちらほら。



そして、本日のゲスト3名の紹介。
1人目は、TEDxHamamatsuのジャンボさんこと河口さん。何年か活動を続けていく中で、新しくボランティアに加わった人と継続的に関わってくれている人との意識の差を感じているそうです。新しく入ってきてくれた人が定着しないのも課題だと話されていました。



2人目は、サラリーマンをする傍らで自身もボランティアとして森の映画祭の運営をしているシロさんこと白勢さん。ボランティアを支える立場として、メンバーのモチベーション維持や責任のバランスなどに難しさを感じているようです。「どこまでボランティアに伴走するのか」という言葉が印象的でした。



3人目のゲストは、港まちづくり協議会のこうたマンさんこと岡西さん。この日の会場である港まちポットビルを拠点に活動しています。協議会の事業は日々ボランティアによって支えられています。その一方で、ボランティアは無償の労働力であってはならないとお話しされます。ボランティアとして関わるからこその価値を感じてもらい、一緒に走っていける仲間になれることが理想だそうです。



ゲスト紹介が終わったところで、3人のクロストークがスタート!

すべては書ききれないので、ボランティアの魅力が詰まった言葉をいくつか取り上げたいと思います。

(白勢さん)「一緒に何かやりたいけど、仕事だと関わりが難しいという人もボランティアなら一緒にやれることもあります。ボランティアは人との接点づくりの入口となることもあると思います。」

(岡西さん)「偶然まちの喫茶店で出会ったカメラが好きなおばちゃんに、広報誌の写真をお願いしました。1人の趣味がみんなのためになり、ボランティアは誰かの輝ける場所になると思いました。」

(河口さん)「ボランティアは楽しい、苦しいを含めていろんな経験を得られます。そういったことも全部ひっくるめて楽しんでほしいです。」

会場にも頷きながら話に耳を傾ける人がたくさん見られました。



クロストークを受けて、参加者からコメントが。

「NPOでボランティアをしていますが、活動の内容が好きというより、一緒にやっているメンバーが好きということもあります。仲がいいのはもちろん大切ですが、趣味のサークルではないので成果も求められてバランスが難しいと感じています。」

その言葉から、話のテーマはボランティアにおける「組織」という視点に移行していきます。「メンバー同士が関わる機会を意図的につくる」など、ゲストがそれぞれ「組織」を維持していくにあたって行っている工夫をシェアしました。

さらに参加者の中から、「ボランティアと報酬」というテーマについて話してみたいという声が複数挙がってきました。無償であるはずの「ボランティア」と「報酬」、一体どういうことなのでしょうか?

そこで、ゲストから参加者へ「あなたにとってのボランティアの報酬ってなんですか?」という問いが投げかけられました。

参加者から「自分にとっての報酬はお金ではなく、学歴や肩書き、年齢など関係なく、“自分”という人間そのもので話をできる仲間が見つかったことです。」「仕事だと出会う人が限られますが、ボランティアだと新しい世界の人と出会うことができるので、それが報酬だと感じています。」という回答がありました。

ボランティアの報酬は、「人や仲間との出会い」にあると感じている人が多いようです。

イベントも終盤となり、再び4~5人ほどでグループになり、ボランティアへの想いをシェアしました。わたしが参加したグループでの会話を少しお伝えしたいと思います。



●ボランティアを受け入れる側(企画する側)
「手伝いに来てくれる人たちはボランティアを通して自己実現をしたいと思っているのではないかと感じます。お金ではないので、手伝ってもらう人たちに丁寧に関わることを意識しています。」

●ボランティアをやる側(手伝う側)
「仕事をしているだけだと会社の歯車のように感じて、働き始めてからボランティアに目が向くようになりました。ボランティアをしていると社会の一員になれるような気がしています。」

「ボランティアを通じて、普通に暮らしているだけでは出会えない人たちとの出会いがありました。バックグラウンドは違っても、何か共通した想いを持っているので自然と分かり合えるんですよね。」

最後に授業コーディネーターの山田さんからコメントがありました。

「ボランティアの解釈は様々だけど、お金よりも「やりたい!」という気持ちからスタートするのがボランティアなのかも知れません。ボランティアに正解はなく、ずっと考え続けるテーマだと感じました。また期間を空けて、同じようなテーマで授業ができると面白いかも知れませんね。」

1時間半という限られた時間でしたが、ボランティアの魅力と可能性、そして奥深さを感じられる授業となりました。この授業に参加してみて、ボランティアはスポーツや音楽などの趣味と同じように、自己実現の1つの選択肢なのかなと思いました。また、人との出会いや経験を通して自分の世界が広がったり、仲間が見つかったり、家でも職場でもないサードプレイスにもなりうると感じられました。

「ボランティアってなんでやるの?」これからも考えていきたいテーマです。



レポート:古川春香
写真:堀場百華

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

白勢竜彦 / 森の映画祭実行委員会 実行本部

1988年東京生まれ 平日はサラリーマン "五感まるごとで楽しむ映画体験"を提供する数千人規模のオールナイト野外映画フェス、「夜空と交差する森の映画祭」の運営に週末や夜を使い参加。実行委員会では主に協賛、広報を担当。右投右打 夜空と交差する森の映画祭は2017年は愛知県佐久島での開催を行い、2018年は栃木県のサーキット場併設の施設ツインリンクもてぎで5周年を迎えた。

河口 哲也 / TEDxHamamatsu Founder/Organizer

1972年浜松市生まれ。 大学まではバスケットボールに明け暮れる日々すごす。 大学卒業後、カナダ・バンクーバーにて旅行会社勤務した際に、沢木耕太郎の『深夜特急』に感銘を受け、バックパッカーとして世界一周の旅へ。 帰国後、市内の老舗アパレルショップに店長として勤め、商品の仕入れ等を担当する。 30歳を境に自動車部品工場を営む父の会社に入社。 いわゆる零細企業だったため、生産品質管理、営業など多岐にわたる業務を経験したが、リーマンショックの煽りを受け会社は倒産。 同じ頃「何か自分にできることはないか?」と考え2014年10月、TEDxHamamatsuを立ち上げる。 ボランティア、コミュニティ運営のノウハウも人脈もなかったが、日本中のTEDxイベントや本場『TED』のカンファレンスに参加。 その過程で、コミュニティにおけるチームビルディングの大切さ、難しさを知る。 2015年9月に第1回目のTEDxHamamatsuを開催し、今年9月に第5回目を開催予定。

岡西康太 / 港まちづくり協議会 広報

1986年名古屋市生まれ 大学時代は“遊びを通して学びを”をテーマに、学生だけでなく、多種多様な人が関わる参加型イベントで企画運営を行う。その経験からイベント(ワークショップ)の企画やそれを運営するチームのあり方に関心を持つ。2013年から港まちづくり協議会でフリーペーパーの制作や賑わいイベントに携わる。現在は広報を中心に、事業の運営からバックオフィスなど全体の運営全般に関わる。

今回の教室

港まちづくり協議会 港まちポットラックビル

住所:〒455-0037 愛知県名古屋市港区名港1丁目19−23
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港まちづくり協議会 港まちポットラックビルは、商店街の旧文具店ビルを再生した港まちの新たな拠点スペース。
この場所で展開されるさまざまなプログラムを通じて、人々が思考や対話を実践し、お互いの違いを理解し共存できる、より豊かな土壌を広げていきます。