授業詳細

CLASS


暮らしを旅しよう~カメラを通して日常に隠れた魅力に出会う~

開催日時:2020年10月10日(土) 10時00分 ~ 12時30分

教室:オンライン開催

レポートUP

先生: MOTOKO / 写真家
飯田 圭 / Okazaki Micro Hotel ANGLEオーナー

カテゴリ:【くらし/まち歩き/オンライン/大ナゴヤの日】

定 員 :30人

※台風が接近していることもあり、本授業は外出の予定を取りやめさせていただきます。また、終了時間もそれに伴い12:30とさせていただきます。(10/9(金)変更)
※本授業は「大ナゴヤの日」として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。

※本授業の抽選は2020年10月1日(木)に行います。(抽選予約受付は9月30日(水)23:59までとなります)
※授業運営の都合上、当選後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございません。
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2020年10月9日(金)17時まで先着順でお申し込みを受け付けます。

※当授業はオンラインで実施いたします。詳細は「教室」を参照ください

※当日はみなさんに写真を撮影していただきますので、携帯やカメラなど撮影出来るものをご用意ください。
今年に入り、新型コロナウイルスの影響で旅行やちょっとしたお出かけまで断念せざるを得ない状況になりました。私も旅行が好きで、今年も行きたい場所がたくさんあったのでちょっと残念な気持ちでした。

しかし、家の近くを気分転換に散歩するようになったら「家の周りも案外面白い」と気づきました。会う度に漬物をくれる近所のおばあちゃん。いつもヒップホップをかけて回る人気のわらび餅販売トラック。夕方になると夕日が反射して金色に輝く近くの池。

今まで全然気に留めなかったけれど、私の家の近くにはたくさんの面白い人やものがありました。そして同時に、このまちの魅力はここに暮らしてる私にしか見つけられないのでは?と思い、なんだか嬉しくなりました。

今回のテーマ「暮らしを旅する(=暮らし観光)」とは、地域の「暮らし」に注目した観光の形です。目を引く施設や豪華な食事といった非日常的な観光ではなく、地元の人が通う喫茶店や八百屋など、そのまちの「暮らし」を体験し、そこに住む人との交流が最大の魅力です。

この授業では、一日を通して「暮らし観光」を体験していただきます。この考えを提唱し全国で活躍する写真家MOTOKOさんと、今年岡崎で暮らし観光案内所となるMicro Hotel ANGLEをオープンした飯田さんを先生に、「暮らし観光」について深掘ります。

その後、まちの魅力の切り取り方をレクチャーしていただき、実際にみなさんにまちを散策して写真を撮ってきてもらいます。「何か撮るぞ!」と意識してまちに出てみることで、普段見逃していた隠れた魅力に出会うはず。

最後はみんなで写真を共有し、自分のまちの面白い部分だけでなく、他の人のまちの魅力も知ることが出来る一日です。
「家の周りなんて何もないから…」と言わず、一度一緒に探してみませんか?

<スケジュール>一部内容を変更して実施いたします。
9:50 -
zoomにて受付
10:00 - 12:00
「暮らし観光」を知る
まちの魅力の切り取り方をレクチャー
12:00 -12:30
グループワーク
12:30 - 終了

※以下の予定は今回実施しませんのでご注意ください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
12:00~17:50
自分たちのまちを歩いてみて、撮影する
※参加者各自で散策していただきます。
集まったり、zoomでお繋ぎすることはありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
18:00~
写真の共有会
19:00終了予定

【授業コーディネーター名】
堀場百華
2020年に入り、コロナウイルスの流行で遠くへ外出するのが難しくなってきました。

最近注目されている観光の概念があります。「暮らし観光」という概念をみなさんはご存じでしょうか。

「暮らし観光」とは、地域の「暮らし」に注目した観光のかたち。

「暮らし」を体験し、そこに住む人との交流が最大の魅力です。

オンライン開催にはなりましたが、その概要を知ってみよう!という授業です。



ローカルフォト写真を撮るMOTOKOさんと愛知県岡崎市でマイクロホテルを営む飯田圭さんを先生に、「暮らし観光」について話して頂きました。

まずはMOTOKOさんにローカルフォトについて、お話し頂きました。



MOTOKOさんは芸大を卒業後、都内でメディアに写る有名人を撮影するコマーシャルカメラマンをしていらっしゃいました。21世紀を迎え、デジタル化・「都市から地方へ」など社会の変化が起こったことを背景に、ありのままの暮らしを切り取る「ローカルフォト」に注目。瀬戸内国際芸術祭が開催された2013年より始まった「小豆島カメラ」を始め、東海地域では「岡崎カメラ」など、日本各地で「ローカルフォト」の活動を展開しています。特に「小豆島カメラ」では、在住の人々が撮影したありのままの暮らしの写真を見たことで移住者が450名もの増えたとのこと。移住促進にまで繋がった例もあるのですね。


「ローカルフォト」は次の6つの役割があります。
・人と人をつなげる写真で地域の魅力を発掘し、発信することで課題を解決する。
・「見たい」「食べたい」「会いたい」のキーワードで行動を促す。
・3歩先の未来を想像しながらシャッターを切る。
・シビックプライドを醸成する
・ローカルカルチャーを醸成する
・カメラを持ってまちに出ることでまちを見つめる。

さまざまな役割があるのですね。

この結果、写真を撮って発信をすることで、まちの歴史やかたらいを残すことができるそうです。

続いて、「暮らし観光」についての説明がありました。

コロナウイルスが流行する前には、観光都市京都ではオーバーツーリズムが問題になっていました。Withコロナの時代になった瞬間、遠くへ行くことが難しくなり、その問題は解消されました。さらに観光客を一時的な住人として扱うによって、地域コミュニティの一員としてのコミュニティ寄与も期待できるかもしれないそうです。



「暮らし観光」では、従来の「観光業」「観光客」に加え、「地元民」が観光の担い手となり、観光は消費されるものから創造されるものへと変化し、観光資源は物見遊山から生活者になっていきます。

その結果、観光/暮らし/移住の3つはセットになっていき、その境界線が曖昧になっていきます。

続いて、岡崎市で今年6月よりOkazaki Micro Hotel ANGLEをオープンした飯田さんから、岡崎での「暮らし観光」について話して頂きました。



まず設立の経緯から。大学時代、地元文化やまちづくりを学んでいたことから、地元へ戻り、銀行に就職。地域との関係性を作りたいとの思いで入行しましたが、組織と個人との間に挟まれ、苦しい思いをしたそうです。そんな状態で出会ったのが、「甲府のまちの芸術祭」。これを機に、地域の内外の人と触れ合い始め、五月雨式にイベントを開催したりして、まちが楽しくなっていきました。

公私混同した生き方をしたい、と岡崎市のOka-bizへ転職すると同時に、コワーキングスペースでワークショップやイベントを開催していました。そうしている内に、宿泊場所としてビジネスホテルしか駅前に無かったりしたことや、まちの人と出会ったことによって、よくPRされがちな味噌や家康ではない、もっと素敵なまちのコンテンツがあることに気付き、もっと発信したいと思うようになりました。

移住して来たからこそ、まちのコンテンツの良さが分かり、それを丁寧に伝える場所が必要だと感じ、そこから地域内外の境界を滲ませたい。そこで、岡崎市で一番昔からあったカメラ屋さんだった空き店舗をリノベーションして、マイクロホテルをオープンしました。

「暮らし観光」の考え方に賛同し、Instagramや観光案内のWEBページの開設、まち歩きツアーなどを行っています。今後はどこまで岡崎を訪れた人がまちの中に入って良いのかの境界線を明文化したいなと考えているそうです。所謂観光地でないまちであっても、まちの人と出会えるとそのまちに対する見方が変わるのでは?と飯田さんはおっしゃっていました。


ここで参加者のみなさんから、質疑応答や感想の時間です。
特に話が盛り上がったのは、「地域の人とどう会話のきっかけ作りをすれば良いのか?」という質問です。

MOTOKOさんからは、カメラを持って外に出る。カメラがあれば、会話の理由になるのでは?という答えが、飯田さんからは他の誰かから紹介されたという理由づけをすれば良いのでは?という答えが出ました。
カメラや人からの紹介というのは、いい口実になりそうですね。


この後、カメラを持ってどこに行きたい?という話をみなさんでしました。皆さんから出てきたのは以下のような場所。
・家から歩いて10分ほどのところにある六十年近くやっているパン屋さん
・徒歩圏内にある移動販売かつHIPHOPを流している豆腐屋さん
・長く住んでいるのにも関わらず、最近まで気付かなかった家の近くの銭湯。
どんな写真が撮れるのでしょうか。楽しみです。

最後に先生からも授業をして見た感想を伺いました。
MOTOKOさんからは、まちを選ぶ基準として参加者の皆さんからの反応から、「モノ」ではなく「ヒト」と感じる人がいることを認識できたのが良かったとの感想を頂きました。
また「ほぼ日」のオフィスがビルが乱立する表参道から観光客と地元の人が同じように息づく神田へ移転したことを挙げていました。(該当記事はこちら)

飯田さんからは、まちの人と関わる一歩の踏み出し方が難しいのが質疑応答の時間で分かった。一人では難しいかもしれないけれども、複数人で訪れてみるのも手だと思った。また、暮らし観光によって、観光と移住の境界が無くなっていくことが大事だなとも思ったそうです。


「暮らし観光」はいまの時代に適合している観光の概念だと思いました。その土地の人の話を聞くことでその土地への理解も深まり、自分の印象に残るという点では、良い概念ですね。

レポート:どぅー
カメラ:かとさお・ちけ

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

MOTOKO / 写真家

大阪芸術大学美術学科卒業。1992年より2年間渡英後、1996年より東京で写真家としてのキャリアをスタート。CDジャケットや広告など幅広く活躍する。2006年より日本の地方におけるフィールドワークを開始。滋賀県のプロジェクト「田園ドリーム」、25年、小豆島在住の7人の女性のカメラチーム「小豆島カメラ」を立ち上げる。近年は“地域と写真”をテーマに「暮らし観光」という新しい概念で、まちづくりや公民連携のプロジェクトに参画。 主な事業に滋賀県長浜市「長浜ローカルフォトアカデミー」、神奈川県真鶴町「真鶴半島イトナミ美術館」、愛知県では「岡崎カメラがっこう」や「にしおイズム」を手がける。

飯田 圭 / Okazaki Micro Hotel ANGLEオーナー

平成元年生まれ 山梨出身。大学卒業後、山梨中央銀行にて勤務。同時期に「こうふのまちの芸術祭・ワインツーリズム参画」。空き家を友人と改装し、イベント実施やシェアスペースに。その他地域で多数イベント実施。NHK・Eテレ「U-29人生デザイン」出演。組織と個人の狭間で日々奮闘してきたが、平成29年1月より岡崎市Oka-Bizにて銀行時代の課題を解決するため転職。 2017年スノーピークビジネスソリューションズに関わり、osoto立ち上げ。空き家と道路を使った一箱古本市開催。2020年6月に「ぼくらの“アングル”をきっかけに、岡崎のまちを捉えるマイクロホテル」というコンセプトで、まちの日常と訪れる人を繋ぐOkazaki Micro Hotel ANGLEオープン

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