授業詳細
CLASS
感じたことを、言葉に〜アート作品の解説文をオリジナルで作ってみよう〜
開催日時:2020年12月12日(土) 10時30分 ~ 12時00分
教室:サステナブル・ミュージアム
レポートUP
先生:
大田雄之介 / 株式会社ヘラルボニー 海外統括オペレーションディレクター
カテゴリ:【大ナゴヤの日/アート/コミュニケーション/ものづくり】
定 員 :7人
※本授業の抽選は2020年11月30日(月)に行います。(抽選予約受付は11月29日(日)23時までとなります)
※授業運営の都合上、当選後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございません。
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2020年12月11日(金)13時00分まで先着順でお申し込みを受け付けます。
※授業当日はうがい・手洗い・消毒にご協力をお願いいたします。また授業中はこまめに換気を行います。
簡単そうに思えて、これがなかなか難しい…。
例えば1枚の絵画を見て、直感で「これいい!」と感じたとき、それをどんな言葉を使って、どうやったら相手に自分の感じたものを伝えられるのか。うまく言い表せない人も、少なくないかと思います。
そもそも、自分の直感は“正解”なのだろうか。
もしかして、その直感は人とずれているかもしれない。
正しく解釈できていないかもしれない。
自分の直感を“正解”と裏づけるものって、どこにあるのかしら。
そんな答え探しに迷い込んでしまう人もいるかもしれません。
(この答え探しが、言葉にする難しさにもつながっているのかも)
でも、ちょっと待って。
自分が感じたものに、“正解”も“不正解”もあるのでしょうか。
もしかしたら、多くの人は
「感じたことを、言葉にする」
を、難しく考えすぎているのでは?
正解を探すのではなく、自分の中にある答えを、言葉でかたちづくってみる。そんな体験を、この授業を通して楽しんでいただきたいと思います!
授業の会場となるのは、“サステナブル・ミュージアム”。
2020年9月にオープンしたRAYARDHisaya-odori Park内に、期間限定で出現しました。運営するのは「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニット「ヘラルボニー 」(岩手県花巻市)です。
人の背丈を優に超える大きさのターポリンシート(トラックの荷台などを覆うのに使われる厚手のシート)にプリントされた、知的障害のある作家さんが描いたたくさんの絵画が、ミュージアム内を彩っています。
「“普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性である」
これは、ヘラルボニーの理念にある一文です。
今回の授業の先生・大田さんに、この言葉に込めた思い、ヘラルボニーがめざすゴールについてお話しいただきます。併せて、各作品の解説も。そして最後には、作品の自分なりの解説文を作ってみましょう。
実際の展示物をただ見て、何を感じるのでしょうか。一人ひとりが感じたものを見聞きすることで、新たな発見もあるかもしれません。
自分の心に湧き上がった、あなただけの直感、衝動を、心ゆくまで楽しんでみましょう。
<スケジュール>
10:15 受付開始
10:30 授業開始、導入
10:40 作品観賞
10:50 ヘラルボニー って?
11:10 作品解説
11:30 解説文をつくってみよう!
11:45 発表
11:55 まとめ、集合写真
12:00 終了
【授業コーディネーター】
大野嵩明、伊藤ひでみ、齊藤美幸
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【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】
・飛沫感染防止のためマスクの着用をお願いいたします。
・受付時、非接触体温計等にて検温させていただきます。
・受付時、手指の消毒の徹底にご協力ください。
・ソーシャルディスタンスの確保をお願いいたします。
・ご参加より14日以内に新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、大ナゴヤ大学まで速やかにご連絡ください。また、濃厚接触者になった場合も同様とします。
・後日、参加者・関係者の新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、保健所等の公的機関へ個人情報を提供することがあります。
下記に該当する方は参加をお控えください
・37.5度以上の発熱がある方、または発熱が続いている方
・咳・くしゃみ・咽頭痛などの症状がある方
・新型コロナウイルス感染症陽性とされた方と濃厚接触がある方
・同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる方
・過去2週間以内に入国制限、入国後の行動制限がある国・地域への渡航歴および当該地在住者との濃厚接触がある方
・マスク未着用の方(2歳未満を除く)
9月にオープンしたHisaya-Odori Parkの一角にあるサステナブル・ミュージアムで、
「感じたことを、言葉にする」授業が行われました。
先生は、福祉実験ユニット「株式会社ヘラルボニー(以下、ヘラルボニー)」の大田雄之介さん。
自分の直感をうまく言い表すのは難しいことなのでしょうか?
まず、ミュージアム内の12の作品を鑑賞しました。鑑賞後、自己紹介タイム。
授業の参加動機は以下のようなものでした。
・アートが好き
・営業職で左脳ばかり使っているので、右脳を使いたい。
・直感を言い表すことをやってみたい。
一番印象に残った作品の感想もお聞きしましたが、選んだものがみなさんバラバラだったのが印象的でした。
この後、大田さんによる「ヘラルボニー」についての説明がありました。
「ヘラルボニー」は、全国の福祉施設にいる知的障害がある方々のアート作品を用いて、さまざまな事業を展開しています。例えば、アート作品を大きく引き伸ばして、ターポリンシートにプリントして展示したり、展示用につくられたシートを利用したプロダクトを展開したりしています。
目指すのは、未来の循環型経済をかたちづくること。展示が終わったらシートを廃棄するのではなく、プロダクトに変えて再活用するのも、プロダクトを販売しそれで得たお金をアーティストへ戻すというシステムのひとつなのです。
会社名の由来は、創設した松田崇弥さん・松田文登さん(おふたりは一卵性双生児だそうです)のお兄さんが自由帳に書いた言葉「ヘラルボニー」。当時、この言葉をインターネットで検索しても0件だったそうです。一見意味がないと思われる思いを、企画して世の中に価値として創出したい、という意味が込められています。
「ヘラルボニー」は、福祉とは関係ないスキルを持つメンバーを中心とした組織体制をとっているのも、特徴のひとつ。大田さんは通関士の仕事を経て、入社しました。
ミッションに掲げるのは「異彩を、放て。」というフレーズ。
障害は欠落なのか。普通ではない個性は可能性ではないのか。
福祉を起点に新たな文化を作りたいというのが「ヘラルボニー」の未来です。
授業では、大田さんによる、ひとつひとつの作品解説も。作者さんの情報や、作品を描いているときの状況を作品ごとに教えてもらいました。
その後は、解説文作成タイムです。作品を1つ選んで、題名をつけ、100字以上140字以内で解説文を書きます。
みなさん作品の前に立ち、細部まで観察しながら解説文を書いていました。
書き終えたら、選んだ作品の前に立って発表タイム。
6人中3人の方が同じ作品を選び、それぞれが違った視点で作品を捉えていたのがとても印象的でした。いろいろな見方があって面白いなと思いました。
発表後は、作品リストをお配りして実際にタイトルを確認します。タイトルと自分の感性が似ていた方もいらっしゃいました。
大田さんから、作者さんの写真や作品を描いている時の写真を見せていただく時間がありました。視覚情報が加わったことで、解説の際の情報がより具現化されました。
最後に大田さんから、一言を頂きました。
「障害がある人への偏見を無くしたい。“その人がどういう人なのか”を見るような世の中にしたい」。
今回の授業に当てはめると、作品を見るだけでなく作者さんの情報を知ることによって、「その人がどういう人なのか」がよく分かりました。見た目ではなく内面を見ることが大切だと再認識しました。
自分の直感を信じてそれを言葉にするのは本当に難しいことなのでしょうか。自分が思ったことを言葉にすることで、いろいろな発見がありました。どんどん言葉にしていきたいと私自身感じました。
サステナブル・ミュージアムは、当初より会期を延長して2021年1月31日(日)まで開館しています。本レポートでは、作品の詳細については記述をしていません。みなさん是非作品をこの目で見て自分の直感を言葉にしてみたり、出来あがったプロダクトを買ったりしてみてくださいね。
レポート:どぅー
カメラ:伊藤成美
先生
大田雄之介 / 株式会社ヘラルボニー 海外統括オペレーションディレクター
海外統括・オペレーションディレクター。通関士として物流業界の最大手スタートアップを経て現職。主にSBOを担当するが、EC事業、海外販路拡大、現在は名古屋出店の立ち上げから運営を並行して担当。学生時代は卓球に打ち込み、宮城代表として東北大会に出場、岩手代表・両代表の松田双子とはよく対戦するライバル。
今回の教室
サステナブル・ミュージアム
住所:〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3丁目15番10号先
RAYARD Hisaya-Odori Park(ヒサヤオオドオリパーク)内
名古屋テレビ塔 南西側
地図を見る
知的障害。その、ひとくくりの言葉の中にも、無数の個性が存在します。
豊かな感性、繊細な手先、大胆な発想、研ぎ澄まされた集中力…
“普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性だと思う。
そんな異彩を、放つ作家たちと共に、
未来の循環型経済を提案します。
何故?それはこの不思議な空間が、美術館でもあり、店舗でもあるからです。
アートの作品を、鑑賞する。
アートの作品を、アップサイクルする。
アートの作品を、チケットにする。
これは、人間、社会、地球環境の持続可能な発展を目指していくための、
福祉を起点に新たな文化をつくりだす挑戦です。
サステナブル・ミュージアム:
https://www.heralbony.com/sustainable_museum/