授業詳細

CLASS


場づくりの向こう側〜思いをカタチにする場を誰もが実践するには?

開催日時:2021年06月12日(土) 10時00分 ~ 11時30分

教室:オンライン開催

レポートUP

先生: 藤本遼 / 株式会社ここにある代表取締役

カテゴリ:【大ナゴヤの日/オンライン/くらし/コミュニケーション】

定 員 :20人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※本授業の抽選は2021年5月10日(月)に行います。(抽選予約受付は5月9日(日)23時までとなります)
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2021年6月11日(金)13時00分まで先着順でお申し込みを受け付けます。
あなたの周りには、多様な人々が集まり、何かが起こりそうな予感のするワクワクする「場」ってありますか?
ぼくの場合、それはまちづくりの活動だったり、新しい商品や事業を開発するプロジェクトに高揚感を感じています。そしてそこに集まるメンバーも同じような気持ちで参加しています。

そんなワクワクする「場」の共通点は
・出会いや対話をきっかけに新しいことが生まれる
・アイデアをカタチにできる仲間が見つかる
・自分たちの未来を変えるキッカケがある
ということでした。

そして「やってみたい」という気持ちが見つかり、カタチにすることができるのは、場づくりをしている人がいるからだと感じています。

「やってみたい」という気持ちが生まれ、その思いがカタチになるような場がもっと増えればいいのに。誰もが場をつくれたら、誰もが思いをカタチにできたら、素敵なのでは?といつも考えています。


今回の授業は、そんな「思いをカタチにする場づくり」について実践している先生から学びます。先生は『場づくりという冒険 いかしあうつながりを編み直す』の著者、藤本遼さん。「まちにENGAWAを。」をテーマに掲げ、まちをおもしろがるためのさまざまなイベントや企画をプロデュースするプロジェクト「尼崎ENGAWA化計画」の代表も務めています。

「場を編む人」を職業とする藤本さんの活動は、尼崎を飛び越えて「場」をつくることも。お寺の住職と一緒に開催する、お寺でカレーを食べるイベント「カリー寺」や障がいのある人もない人もみんなが楽しめるフェス「ミーツ・ザ・福祉」などの「場」に活動は広がっています。

藤本さんが生み出してきた「場」は年齢や職業など、社会的立場に関係なくさまざまな人たちが集まる場ばかり。発想力豊かなアイデアが形になっていく藤本さんの活動には「次はどんなことが生まれるのだろうか?」と、誰もが目を離せなくなります。そんなバリエーション豊かな場が生まれ続けてきたのも、藤本さん一人でコトを起こしてきたのではなく、さまざまな人や場所を掛け合わせてきたからこそ生み出された「場」なのだと藤本さんは言います。

授業では、これまでの藤本さんの実践を事例にコトが生まれる場づくりの面白さや難しさをお伺いします。


生徒の皆さんにも所属している組織があったり、これからプロジェクトを起こそうという人がいたりと、大なり小なり「場づくり」を活かせる機会があります。

「場」を開いてみると、思いもしなかった企画が生まれたり、人が集まったり。
そして場づくりが丁寧に行われていれば、集まった仲間たちから更に新たなプロジェクトや「場」が生まれていくでしょう。

この授業は、そんなきっかけにしたいです。
皆さんのご参加お待ちしております。

<スケジュール> 
9:50 受付開始
10:00 授業開始・自己紹介
10:10 先生より自己紹介
10:30 クロストーク
 ・誰もが「最初の場づくり」があった
 ・場づくりの肝「余白のデザインと関係性のデザイン」とは?
11:10 まとめ
11:30 終了


【授業コーディネーター名】
山田卓哉
地域で行われているイベントやマルシェ、コミュニティサロンなどの「場」には多種多様な人が集まり、印象に残る交流や体験があります。そんな「場」には、その場を盛り上げるための企画や設計をする仕掛け人の工夫があってこそ盛り上がるものです。

今回の先生は、兵庫県の尼崎市を拠点にさまざまな「場」の企画運営やコンサルティングをお仕事とされている「株式会社ここにある」代表取締役の藤本遼さん。今まで携わってきた活動の経験をもとにお話しいただき、「場づくり」について学ぶ授業です。

授業の開始時間になり、ZOOMのオンライン上の教室に続々と入ってこられた生徒さん達。
建築を学んでいて、場づくりの視点をテーマに勉強している学生の方や既にイベントなどを企画・運営されている方、これからやろうと思っている方など、さまざまな年代や立場の方にお越しいただきました。



授業がはじまり、まずは藤本さんの自己紹介から。
尼崎市出身の藤本さん。子供の頃に両親の離婚を経験されたり、学生時代や就職した職場でもコミュニティに馴染めなかったりと、自身が既存の場の枠組みにうまく入り込めないような感覚を持っていて、それらの経験から自分で「場」をつくる活動を始めたそうです。

藤本さんの活動では、さまざまな人と関わりながら多くのイベントをつくってきたそう。
・街の銭湯を借りてお酒が飲めるバー
・ママさん達が出店するマルシェ
・お寺の境内にてみんなでカレーを食べるイベント
など、これまで企画してきたイベントをいくつも紹介してくださいました。

最近では事業として行政や商業施設のから要望にこたえる形で、尼崎の学びの場をつくる活動や街に興味をもってもらうようなカードゲームをつくったり、障害者であってもなくても楽しめる福祉のイベントなども手掛けてきたそうです。
また、農園をみんなでやろうと、現在も画策中とのことでした。



このように多種多様なテーマで人が集まる場をつくっている藤本さん。
「一つの場ですべての課題を解決するのはできないので、いろんなテーマ、ジャンル、世代が
関わるような場を複合的につくっていくことで、地域に新しい生態系が再編集されるのかなと思っている。
いろんな人がプレイヤーとなって活動していくなかでつながりが生まれるので、
やる人を増やすということを意識しながら場づくりをしている」と話されていました。

これらのお話を聞いた生徒さん達は、納得したうなずきをする方や、
真剣な顔つきで話に集中されている方もいました。チャットでの発言では

「イベント活発だね。楽しそう!」
「軸がしっかりしているなという印象。」

などの感想を書き込んでいる方もいました。

続いては、藤本さんが生徒さんからの質問を元に対話が進んでいきました。



Q.作った場を継続させてマンネリ化させずに盛り上げていく工夫などがあれば知りたい。

A.大きなイベントを1つつくるのは重要。また、一人の温度の高い人、着火するキーマンがいることがポイント。言葉ではなかなか伝わらないので、こんなことができるんだという景色を見せて、共有できるといいと思います。また、イベントなどがたとえ継続しなかったとしても、そのイベントに関わった人の熱意や想いは残っているので、次の場づくりの種となっていると捉えている。


Q.市民が必要としていないようなニーズに目を向けさせるには?

A.必要とされていない事に「これは必要です、だから興味をもってください」と伝えるだけで興味を持ってもらえるなら、そもそも問題になっていない。なので「楽しい、美味しい、ワクワクする」などの感性に訴えかける仕掛け作りが大事。裾野をどう広げるか、入り口のデザインが重要だなと思います。


Q.今は場作りの企画段階だが、藤本さんのはじめの一歩はどうだったのか?
A.なにかを始めるにあたっても、協力してくれる仲間が大事。そのためにも目的意識を持たず、いろいろな人と会うことを意識しています。まずはスモールに初めてみて、ちょっとずつ広げていくといいと思います。とりあえず、すぐにやってSNS、ブログなどで発信していくことも大事です。

上記のように多くの質問と回答のやりとりがありました。
質問する生徒さんも「場づくり」に興味がある方達なので、どの質問も深い内容で、藤本さんも多角的な視点で丁寧にお答えいただいていました。



また、藤本さんから生徒のみなさんにお伝えしたい、場づくりの思想として、
「集客も大事だが、それよりもその場で関わった人達にとって、何が得られたのか、
一緒にやって何が生まれたかの方が大事で、それを一番の評価指標として
の問いを持ってほしい」
という、熱意ある生徒さんに対して少し突っ込んだお話もされていました。

まだまだたくさんお話を聞きたいという雰囲気でしたが、気づいたら終了予定時間となってしまいました。最後に生徒さん達の感想として、

「質問に答えていただいて嬉しかったです!とても勉強になりました!!」
「今日は貴重なお話を聞くことができて楽しい時間でした!」
「尼崎にも行きたいです!」

といったことをチャット欄の書きこみや直接声でお話していただき、
みなさん大満足の様子でした。



今回の授業は参加された生徒さん達が、場づくりに熱心な興味をもっている方ばかりで、
もっと時間をとってじっくりお話できればと思うほど、とても有意義な授業だったと思います。
名古屋圏で場づくりをしている大ナゴヤ大学としても、大変勉強になる授業でした。

最後に、藤本さんご自身の各種SNSのアドレスを教えていただきました。
興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。
facebook
twitter
インスタグラム
note
株式会社ここにあるFBページ


レポート:河津 一輝

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

藤本遼 / 株式会社ここにある代表取締役

場を編む人。兵庫県尼崎市出身。「すべての人がわたしであることを楽しみ、まっとうしながら生きられる場づくり」を行う。主に尼崎と淡路島でプロジェクトを展開中。代表的なものに「ミーツ・ザ・福祉」「カリー寺」「生き博」などがある。『場づくりという冒険』著。

今回の教室

オンライン開催

住所:

※オンラインで行います。事前にZoomのインストールをお願いします。
PC(またはスマートフォン)、イヤホン(推奨)の準備をお願いします。
https://zoom.us/
※後日、申込みいただいた方に当日視聴していただくためのZoomのURLをお送りします。前
日になってもメールが届かない場合は dai-nagoya@univnet.jp までお問い合わせください。