授業詳細

CLASS


手仕事の職場体験〜オリジナルの貼箱をつくってみよう!〜

開催日時:2021年06月12日(土) 13時30分 ~ 15時00分

教室:野村紙器

レポートUP

先生: 野村力哉 / 株式会社野村紙器

カテゴリ:【大ナゴヤの日/ものづくり】

定 員 :5人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※材料費として、300円(下地の厚紙代)頂きます。

※貼箱に貼る紙を、当日お持ちください。
(それ以外の必要な道具は準備します)
※紙は、26cm×21cmサイズのものを2枚ご用意ください。
(失敗することが心配な方は、余分にお持ちください)
※紙の専門店(参考):
・ペーパーボイスヴェラム(丸の内):https://www.heiwapaper.co.jp/shop/nagoya.html
・紙の温度(熱田区):https://www.kaminoondo.co.jp/

※本授業の抽選は2021年5月10日(月)に行います。(抽選予約受付は5月9日(日)23時までとなります)
※授業運営の都合上、当選後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2021年6月11日(金)13時00分まで先着順でお申し込みを受け付けます。

※授業中は換気を徹底するなどして、感染対策に努めてまいります。生徒の皆様におかれましても、マスクの着用と手指消毒にご協力をお願いいたします。
誰もが経験してきた図画工作の授業のように「物を自分でつくる」機会は、社会に出てから減っているように思います。自分で作らないまでも、どのように物が作られているかを知り、「つくる」難しさを理解することで、物の背景にある人のおもいを感じ取れるようになるなど、見方が変わるのではないでしょうか。

今回の授業では、みなさんに、箱をつくり続けて100年以上の歴史を持つ「野村紙器」さんの工場で、「貼箱」づくりにチャレンジしていただきます。

貼箱は、主に和菓子・洋菓子等食料品、雑貨、贈答用の箱として使われ、ボール紙(厚紙)で箱の中芯をつくり、その上から紙などを貼ってつくられる箱のこと。
機械化されている部分もありますが、手作業の工程も残されています。



授業でつくる貼箱のサイズは、「15cm×10.5cm×H4cm(ハガキが入る大きさです。)」です。ボール紙は準備しますが、みなさんには、お好きな紙を各自準備いただきます。(※紙のサイズ:26cm×21cm)

どんなシーンで箱を使うかイメージし、それに合う紙の色や質感等を自分の感性を信じて選んでみてください!

最後に、作り手になった気持ちでオリジナルの貼箱をつくる体験を通して、感じたことを共有する時間をつくります。手仕事に触れて、改めて「つくる」について一緒に考えましょう!


【スケジュール】
13:15 受付開始
13:30 授業開始、自己紹介
13:40 箱の話
14:00 貼箱をつくってみよう!
14:50 共有
15:00 終了

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【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】
・飛沫感染防止のため、授業中のマスク着用をお願いいたします。
・受付時の、検温と手指消毒にご協力ください。
・ご参加より14日以内に新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、大ナゴヤ大学まで速やかにご連絡ください。また、濃厚接触者になった場合も同様とします。
・後日、参加者・関係者の新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、保健所等の公的機関へ個人情報を提供することがあります。

下記に該当する場合、当日の授業参加をお控えください。
・37.5度以上の発熱がある、または発熱が続いている
・咳・くしゃみ・咽頭痛などの症状がある
・新型コロナウイルス感染症の陽性患者の濃厚接触者に該当する
・同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる
・過去2週間以内に入国制限、入国後の行動制限がある国・地域への渡航歴および当該地在住者との濃厚接触があった
・マスク未着用(2歳未満を除く)

【授業コーディネーター】
大野嵩明
長年にわたって「貼箱」をつくり続けているという、「野村紙器」さんにて開催された今回の授業。

生徒のみなさんにはオリジナルの貼箱づくりに挑戦してもらうため、各自で好きな紙を持参してもらいました。最初の自己紹介タイムでは、「どこで買ったどんな紙を持ってきたのか」を一人ずつ聞かせてもらうことに。

「百円ショップでちょうどいいサイズの紙を見つけた」
「事務用品店に行ったら意外とオシャレな紙が売っていた」
「熱田区の『紙の温度』で気に入った柄の紙を選んだ」

など、紙を選ぶ過程もそれぞれ違っていた様子。みなさんが用意した紙からどんな貼箱ができるのか、楽しみです!

手を動かす作業に入る前に、まずは箱にまつわるお話を聞かせてもらいます。登場してくれたのは、野村紙器に嫁いで企画や営業を担当しているという菜月さん。



そもそも、貼箱とはどんなものなのでしょうか?

「箱にはさまざまな種類があります。よく見かける段ボール箱、印刷に適していて組み立てやすい折箱など…。野村紙器でつくっている“貼箱”は、厚紙に紙や布を貼ってつくる箱のことです。しっかり丈夫で、見た目も美しく高級感があるのが特徴。和菓子の箱や贈答品の箱などによく使われています」

その他、幼稚園のお道具箱や、身近なところではiPhoneを購入したときの付属の箱も、貼箱なのだそう。普段意識したことがなかったですが、意外と身近にあるものだったのですね。



複雑な形の貼箱は、手作業での工程が必須。職人の技術が重要となります。

貼箱ができるまでの一連の流れを、動画で紹介してもらいました。

1. 製作する箱の展開図面を書き、寸法出しをする。
2. 展開図をもとに厚紙を裁断し、折れ線をつける。
3. 箱を組み立て、紙テープで角を留める。
4. 箱の形に沿うよう、貼り付ける紙に切れ込みを入れる。
5. ニカワという自然素材の糊で紙を包み貼りしていく。

大まかにはこのような工程に分けられますが、各工程に細かなコツがたくさんあるそうです。

続いて、野村紙器の社長自ら、実際に貼箱をつくっている工場を案内してくれました。大きな断裁機や、折れ線を入れる機械、切れ込みを入れる機械など、初めて見るものばかりで生徒のみなさんも興味津々です。



過去に製作した貼箱を見せてもらうと、引き出し型の箱、お重のように段が重ねられた箱など、多彩なバリエーションにびっくり。手仕事ならではの繊細さを感じられます。



そしていよいよ、貼り箱づくり体験へ。生徒さんには、箱を組み立てるところからチャレンジしてもらいます。テープで角留めをして、しっかり固定。紙にまんべんなく糊を塗ったら、紙の上にそーっと箱を置きます。ここで箱の位置がずれてしまうと、仕上がりが不格好になってしまうため、ぴったり真ん中に置くのがポイント。







「ただ置くだけだと思われるかもしれませんが、結構難しいんです。私もまだまだ慣れないですが、社長は素早く正確にこなしていきますよ」と菜月さん。

紙で箱を包んだら、空気が入らないように伸ばしながら貼り付けていきます。内側までしっかり曲げ込んで。上箱(=蓋)と下箱(=身)の両方に紙を貼れたら完成!

みなさんがつくった箱を並べてみると、カラフルで個性豊かな写真が撮れました。選んだ紙によって、仕上がりの印象が全く異なります。自分だけの貼箱に愛着もわきますね。



最後に、一人一言ずつ感想をシェアしてもらいました。

「綺麗につくるのは思った以上に難しい。貼り付ける紙の厚さによっても、仕上がりが違うことがわかった」
「お店で貼箱を見かけたら、職人さんがつくっている光景が頭に浮かぶと思う」
「貼箱の技術や文化がずっと続いていってほしい」



これまで知らなかった貼箱の世界。小さな箱にも、作り手の技術と想いが詰まっているのですね。体験を通じ、職人さんへのリスペクトが感じられたのではないでしょうか。

ちなみに野村紙器さんでは、企業から依頼を請けて製作する貼箱のほか、さまざまな企画商品も生み出しています。最近では、貼箱の技術を応用し、洋室に合う神棚として「紙の神棚」を開発したそうです。新しいかたちで伝統を残していく活動に、今後も期待したいですね。



レポート:齊藤 美幸
カメラ:まっきー

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

野村力哉 / 株式会社野村紙器

ゼネコンでの現場監督を経て、明治より続く実家の貼り箱屋をつぐ。人の思いを形にするため、仕上がりにこだわりを持ち、頭の中で平面図を描き立体にしていく職人技術を受け継ぎながら、今までの概念に囚われない様々な貼り箱に挑戦している。

今回の教室

野村紙器

住所:名古屋市中区千代田五丁目15番10号

JR鶴舞駅より徒歩1分。北出口を出て西に向い、鶴舞西の交差点を渡って、右方向にすぐ見えます。

地図を見る

明治創業の貼り箱屋。一枚の厚紙から、職人の手により、オーダーメイドのギフトボックスを小ロットから製作。