授業詳細
CLASS
いま各地で生まれるコミュニティ農園はパンクか日常か〜橋ノ下農園で考える
開催日時:2021年07月10日(土) 10時00分 ~ 11時30分
教室:橋ノ下農園
レポートUP
先生:
林 剛 / 美岳小屋 代表
加納実久 / 新とよパークパートナーズ 代表
カテゴリ:【ものづくり/大ナゴヤの日】
定 員 :15人
※本授業の抽選は2021年6月28日(月)に行います。(抽選予約受付は6月27日(日)24時までとなります)
※授業運営の都合上、当選後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2021年7月9日(金)14時まで先着順でお申し込みを受け付けます。
※持ち物として動きやすく汚れてもいい服装、靴、軍手、タオル、飲み物、帽子など
「橋ノ下農園」は橋の下世界音楽祭に携わるメンバー「火付け ぬ組」をはじめに、新しいカタチの畑づくりに賛同する有志が集まり日々畑を耕しています。
彼らが大切にしていることは自分たちで判断して、自分たちで決めていくこと。閉塞的な世の中に対して精神を解放できる、生きていくための場所づくりを目指しているそうです。畑を通じて、学んだことを関わる人々と共有していく。そんな場づくりを目指していることを林さんは教えてくれました。農園では何をつくるべきかより、何を食べたいのかを大切にし、複数の種類の作物を育てる計画を立てているのだとか。
「橋ノ下農園」の姿勢には、当たり前に対して声をあげたり行動を起こすパンクの精神を感じます。パンクといえば、反体制とか反骨精神といった意味を持ちます。一方で「コミュニティ農園」で食物を育てていく生活からは、日常や平穏な日々というイメージを彷彿とさせられます。二つの相反するイメージは両立するのでしょうか?皆さんにはどのように感じますか?
授業では、二人の先生に登壇いただき、現代社会において人々はコミュニティ農園を通じてどんな暮らしを選択しているのか考えます。
先生の一人は橋ノ下農園を運営する美岳小屋の林さん。もう一人は、豊田と宮城県石巻市と二拠点居住をしながら最近愛知で育てたい作物があるという加納さん。今「コミュニティ農園」に携わり、作物をつくる社会的意義や想いをお話しいただきます。
参加生徒の皆さんには、実際に畑の土に触り、畑仕事で作物づくりを擬似体験。その合間には「みんながつくるなら何を植えたい?」をテーマに交流したり、植えたい作物から、他にどんな食物の利用方法があるのか参加者全員で考えてみたいと思います。
私たちにとって畑に関わることや、自ら食物を生み出すことが、人生にとってどんな意味をもたらすのか一緒に考えましょう。
<スケジュール>
9:40 受付開始
10:00 授業開始・自己紹介
10:10 橋の下農園とは?
10:30 土を触ろう、畑づくりを考えよう
11:00 フリカエリ
11:30 終了・集合写真
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【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】
・飛沫感染防止のため、授業中のマスク着用をお願いいたします。
・受付時の、検温と手指消毒にご協力ください。
・ご参加より14日以内に新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、大ナゴヤ大学まで速やかにご連絡ください。また、濃厚接触者になった場合も同様とします。
・後日、参加者・関係者の新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、保健所等の公的機関へ個人情報を提供することがあります。
下記に該当する場合、当日の授業参加をお控えください。
・37.5度以上の発熱がある、または発熱が続いている
・咳・くしゃみ・咽頭痛などの症状がある
・新型コロナウイルス感染症の陽性患者の濃厚接触者に該当する
・同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる
・過去2週間以内に入国制限、入国後の行動制限がある国・地域への渡航歴および当該地在住者との濃厚接触があった
・マスク未着用(2歳未満を除く)
【授業コーディネーター名】
山田卓哉
梅雨時で天気が心配されましたが、無事晴天の中の開催となりました。
参加者は7名。さらに、取材で名古屋工業大学の学生さん5名が参加してくれました。
参加動機は様々ですが、農業に関心がある方が集まりました。
・友達が農業をやっている
・家庭菜園をやりたい
・定年後に農業がしたい
・SDGsに関心があり、農業はSDGsにおいて重要であるから
・農業大学校に現在通っている
先生はクリスマスなカラーのTシャツのお二人。
今回の教室である橋ノ下農園を運営する美岳小屋の林さん(写真左)
豊田市と宮城県石巻市の2拠点居住をしながらビールの原料であるホップを生産しようと考えている加納さん(写真右)
橋ノ下農園は橋の下世界音楽祭に携わるメンバーとの出会いがきっかけで今年5月にオープン。音楽活動するメンバーが新型コロナウイルスの影響でライブ等できず困っている中、林さんがおじいさんから継いだ畑で農園をすることになったそうです。農家ではない30〜50人ほどが農園に携わっていて、この日も作業されていました。
自己紹介の後は、林先生の畑を案内していただきます。
さつまいもやきゅうりやパプリカ、トマトなどを栽培しています。
さつまいもは依頼を受けて作っているもので、秋に香嵐渓で食べられるとか、、、
続いて、実際にさつまいも畑の草取りをします!
農業大学校に通うお二人は華麗な草取りをしていました。皆さん農業トーク?に華を咲かせながら、草をむしっていきます。
草取りのあとは、フリートーク。日陰はとっても涼しい〜!
加納さんからはホップについて話していただきました。ホップのTシャツにホップのピアスでホップ愛が溢れている、、、
被災地である宮城で農業でリフレッシュするため精神保健福祉士の方が代表となりホップ栽培が始まったとのこと。輸入品より高価ではありますが、独自性を出したい醸造所から購入の希望があるそうです。
さらに、ホップにはビール以外の活用法があり、パンのホップ種やヨーロッパでは美容やアルツハイマー予防のある薬草として使われているとのこと。
ホップの成長の様子を写真で見せていただきました。5mほどの緑のカーテンのようになるそうです。なかなか見る機会がないので、興味深かったです。
また、加納さんは新豊田駅前の広場「新とよパーク」パートナーズの代表をしており、新とよパークで何か育てたら面白そう、、、と。
この話を聞いて、建築について学ぶ学生さんからは「建築と農業は関係がないと思っていたが、街の景観と農業が関係しているのは発見だった」という気づきもありました。
今回の授業のタイトルである「コミュニティ農園はパンクか日常か」について、先生方お二人は、パンクと日常の両方があると感じているそうです。
反体制とか反骨精神といった意味を持つパンク、それと相反するイメージを持つ日常は両立することができるようです。
最後に参加者の皆さんから一言ずつ感想をいただきました。
・農業って孤独なイメージだったけど、そうではないと思った
これに対し林さんは、「3年ぐらい孤独だった」と言います。
栽培から加工・販売まで全て自分で行うことで、飲食店や建築関係、ライターやカメラマンなど農業以外の様々な業種との関わりができたそう。その中で、加納さんや今回の授業のコーディネーターである大ナゴヤ大学学長の山田さんとも出会ったとのこと。
その他には
・今後の自身の農業に活かせる情報が得られた
・祖母の農業を手伝おうと思った
など皆さんそれぞれの学びがあったようです。
各地で生まれるコミュニティ農園。ご近所の農園を探してみるのもいいかもしれませんね。
レポート:オシム
カメラ:てつ
先生
林 剛 / 美岳小屋 代表
元消防士の農家。オーガニックパンクを掲げ、肥料や農薬に頼らず、自然の力でイチゴや落花生を育てている。自然栽培を通して世の中を面白くしている農家の一人。
加納実久 / 新とよパークパートナーズ 代表
ホップ農家の端くれ。地域と関わることや美味しいものの「つくりて」と繋がることに魅力を感じるホップとビールの人。地元豊田と宮城県石巻市の二拠点暮らし再考中。
今回の教室
橋ノ下農園
住所:〒470-0206 愛知県みよし市莇生町舟ヶ峪58
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豊田市を拠点に海外でも活動しているバンド「TURTLE ISLAND」代表の永山愛樹さんと、みよし市でオーガニックパンクを掲げている農家「美岳小屋」代表の林剛さんとが2021年5月にオープンしたコミュニティ農園。
地域の内外から農園を耕しに人が集まり、作物を育てている。
・移動手段:車
・駐車場 :あり、当日現地にてご案内します。