授業詳細
CLASS
【昼の部】400年の歴史を誇る老舗料亭『河文』で餅花づくり 〜丑から寅へ〜
開催日時:2021年12月28日(火) 10時00分 ~ 14時00分
教室:料亭 河文
レポートUP
先生:
香川絢子 / 河文 若女将
カテゴリ:【歴史・文化】
定 員 :36人
・参加費としてお一人様3,500円頂戴します(お料理代・餅花づくり体験代含む)
・お料理のご用意がありますので、キャンセルの無いようお願い申し上げます。体調不良等でやむを得ず欠席される場合、必ず事務局までご連絡をお願いいたします。
・当日はマスクの着用をお願いいたします。また発熱等の風邪症状のある方・体調の優れない方は参加をお控えください。詳しくは本ページ最下部の【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】をご覧ください。
・緊急事態宣言の発令など、状況によっては直前に開催中止の判断をする可能性があることをご理解ください。
気がつけば、2021年も残すところあと僅か。・お料理のご用意がありますので、キャンセルの無いようお願い申し上げます。体調不良等でやむを得ず欠席される場合、必ず事務局までご連絡をお願いいたします。
・当日はマスクの着用をお願いいたします。また発熱等の風邪症状のある方・体調の優れない方は参加をお控えください。詳しくは本ページ最下部の【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】をご覧ください。
・緊急事態宣言の発令など、状況によっては直前に開催中止の判断をする可能性があることをご理解ください。
昨年に続き大変な年でしたが、徐々に明るい兆しも見えてきました。来年はもっと良い年になると期待を寄せておられる方も多いのではないでしょうか。
名古屋最古の料亭という歴史を持つ料亭『河文』は、登録有形文化財の指定を受ける建物で
尾張徳川家御用達の誇りと格式を受け継ぎながら、その歴史を今も刻み続けています。
ここで開催される本授業では、若女将より『河文』にまつわる歴史や街の変化を教えていただきます。
続いて特別に建物の中をご案内いただきます。
料亭では本来お客様同士が顔を合わせることのないよう、見学自体がご法度なのです。
ぜひ写真撮影などお楽しみください。
続いて、お正月飾りの餅花づくりを行います。
柳などの枝に白やピンクのお餅がささった餅花は、一年の五穀豊穣を祈る意味合いではるか昔より作られてきたものです。
仲居さんたちに教えてもらいながら、餅花づくりを楽しみましょう。
授業の最後には、長い歴史の中で守り継がれてきた名物料理の一部をご試食いただけます。
名物・花籠弁当を彷彿とさせる盛合せの一皿、江戸から続く伝統の味・鮑の塩蒸、ご飯物、そして甘味。
年末の陽光の中で、老舗の料亭が作る本物の味を存分にご堪能ください。
お食事の席ではクリアボードをご用意しておりますのでご安心くださいませ。
400年の歴史と伝統を感じながら
名古屋が誇る料亭『河文』で、1年を締めくくりましょう。
【授業スケジュール】
9:45 受付開始
10:00 授業開始・ご挨拶
10:10 若女将のお話
10:30 館内を見学/餅花づくり
12:30 お料理のご試食
14:00 記念撮影・授業終了
授業コーディネーター:大野 嵩明、小林つぐみ、井上 麻衣
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【感染症予防および拡散防止対策へのご協力のお願い】
・飛沫感染防止のためマスクの着用をお願いいたします。
・受付時、非接触体温計等にて検温させていただきます。
・受付時、手指の消毒の徹底にご協力ください。
・ソーシャルディスタンスの確保をお願いいたします。
・ご参加より14日以内に新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、大ナゴヤ大学まで速やかにご連絡ください。また、濃厚接触者になった場合も同様とします。
・後日、参加者・関係者の新型コロナウイルス感染症への罹患が確認された場合には、保健所等の公的機関へ個人情報を提供することがあります。
下記に該当する方は参加をお控えください
・37.5度以上の発熱がある方、または発熱が続いている方
・咳・くしゃみ・咽頭痛などの症状がある方
・新型コロナウイルス感染症陽性とされた方と濃厚接触がある方
・同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる方
・過去2週間以内に入国制限、入国後の行動制限がある国・地域への渡航歴および当該地在住者との濃厚接触がある方
・マスク未着用の方(2歳未満を除く)
前日まで降り積もっていた雪も止み、絶好の授業日和となりました。
大ナゴヤ大学2021年最後の授業は、江戸時代から続く料亭「河文」で行われます。
今回参加した生徒さんのうち、約7割の方は初めて河文を訪れました。
迎えてくださった今回の先生は、河文の若女将・香川さん。ダウンコートでの登場です。
「実は今、河文は新年の準備として畳を入れ替えています。そのため、場所によってはとても寒いです!防寒してくださいね!」
とのこと。どうやら今日は、河文のもう一つの顔を覗くことができる貴重な日のようです。
ここからは、2つのチームに分かれて、「館内見学」と「餅花づくり」を満喫しました。
【館内見学】
改装工事を経た河文を見学させていただきました。
まずは玄関から。河文は国の登録有形文化財に指定された建物も多いため、改装といえど外観を変えることはできません。そのため、瓦屋根を支える釘や部品のほとんどは再利用されているそうです。また、配管は雨水に強い銅を使用して作り直したものの、元の色合いと同じような緑青が生成されるかは分からず、未来へのお楽しみなのだとか。河文だからこそ伺えるお話の多くに、生徒の皆さんからも驚きの声が上がっていました。
続いては玄関から一階。伊勢海老が添えられた名古屋ならではの華やかな鏡餅が迎えてくれます。
奥は蓬莱山という金沢のお正月の飾りです。河文がバリアフリーの工事をした際に、金沢の飲食店さんが様子を見にいらっしゃったことがきっかけで飾られるようになったそうです。背景を知ると、互いにエールを送りあっているように見えてきますね。
割烹河内屋の室内も見学させていただき、二階に上がります。
あちこちに餅花が飾られており、新年を迎える実感が湧いてきました。
二階の個室では、無双窓や月の字欄間といった建具や調度品にまつわる話から、料亭・河文ならではの裏話まで、様々なお話を聞かせていただきました。名古屋城をはじめ、様々な場所や人と深い縁で繫がった場所なのだと学ぶことができました。
※これまでの授業レポートにも、河文さんの魅力がたくさん紹介されています。良ければぜひご覧になってくださいね!
【餅花づくり】
柳の枝がどっさり積まれた一角に案内してもらいました。
室内に満ちているお餅の温かく良い匂いに、心が柔らかくほどけていきます。
早速、真っ白なお餅をいただき、両手でちぎりながら柳の枝につけてみました。
丸めて場所を決めてくっつけてを繰り返すうちに、どんどん無心になっていきます。
気がつくと手の中のお餅がほとんどなくなり(それなりにちゃんと見える)花が出来上がっていました。これは楽しい…!
お餅のおかわりをいただきながらお話を伺ったところ、この餅花は節分まで館内に飾られるそうです。河文では様々な季節のしつらえがあるそうですが、皆で手作りするのはこの餅花だけだとか。
確かに、生徒の皆さんに交じって、スタッフの方々も餅花を作っていらっしゃいました。(とても早くきれいに仕上がっていました。さすがの腕前…!)館内の華やかな光景は、皆さんが力を合わせて作っているからこそ見られるものなのですね。
【お料理】
12月のお料理を楽しみながら、お箸の持ち方や椀物のいただき方など、和食の作法も学びました。
料理はもちろん、添えられた季節の植物や器もとても美しく、和食は五感で味わう料理であることを改めて実感しました。
そして、話は餅花づくりのきっかけへ。
花の少ない1月を華やかに彩る餅花は、炙るとあられとしていただけるため、非常食としての側面も持っていました。
そんな餅花を見かけて「可愛い!」と思われた(ある代の)河文の女将さんが、廊下中に飾るようになったそうです。
その後、せっかくだから世界一を狙おう!と、ギネス登録に挑戦されたこともあったのだとか。
でも、「餅花の規模で世界一」を狙うためには、餅花の粒の数を一つずつ数える必要があったため、残念ながら断念せざるを得なかったそうです。
現在、河文では約80㎏のお餅が餅花に用いられているとのこと。私たちの作った餅花も、微力ながらお役に立てていると思うと嬉しいですね。
デザートからお茶の話になったときに、先生から一つの質問がありました。
「裏千家に属している人が、全国にどれくらいいるか知っていますか?」
裏千家は、最も多くの人が所属している流派と言われています。しかし、十年前と比較して現在は約半数ほどに減少してしまったのだそうです。十年後の茶道人口は、現在の約十分の一になってしまうのではないかとも言われています。
「現在はコロナの影響もあり、日本の文化は縮小傾向にあります。茶道、華道、書道、尺八を始めとする音楽も、なり手がどんどんいなくなっている。その対策として、文化庁はこれらを無形文化財として登録するよう検討しています。もしかしたら、五十年後には、茶道や華道を習っている人は、トキ以上に貴重な存在になるかもしれません。」
茶道や華道に限らず、私たちが今日の学んだ「和食」とその「作法」も、失われつつある日本文化の一つです。
そして、私たちに様々な日本文化を教えてくださった先生も、勉強の連続だったそうです。
広島県ご出身だという先生は、若女将として働く前から様々なご縁を頼って勉強され、また地元・名古屋に住む人や多くの文化人とともに学び合いながら、約10年間、河文を支えてこられました。
「河文はこれまで、文化的な行事も多く行ってきましたが、今後は料理を中心に勝負していくことになります。今日知った和食の食べ方や、日本文化に関する様々な学びを、ぜひ周りに広めてください。今日の機会で、皆さんの今後の生活が少しでも豊かなものになると良いなと思います。」
新しい年を迎える前のこの時期に、変化の中にあっても残したいものは何か、改めて見つめ直す時間となりました。
レポート:まつじゅん
写真:酒井悠行
大ナゴヤ大学2021年最後の授業は、江戸時代から続く料亭「河文」で行われます。
今回参加した生徒さんのうち、約7割の方は初めて河文を訪れました。
迎えてくださった今回の先生は、河文の若女将・香川さん。ダウンコートでの登場です。
「実は今、河文は新年の準備として畳を入れ替えています。そのため、場所によってはとても寒いです!防寒してくださいね!」
とのこと。どうやら今日は、河文のもう一つの顔を覗くことができる貴重な日のようです。
ここからは、2つのチームに分かれて、「館内見学」と「餅花づくり」を満喫しました。
【館内見学】
改装工事を経た河文を見学させていただきました。
まずは玄関から。河文は国の登録有形文化財に指定された建物も多いため、改装といえど外観を変えることはできません。そのため、瓦屋根を支える釘や部品のほとんどは再利用されているそうです。また、配管は雨水に強い銅を使用して作り直したものの、元の色合いと同じような緑青が生成されるかは分からず、未来へのお楽しみなのだとか。河文だからこそ伺えるお話の多くに、生徒の皆さんからも驚きの声が上がっていました。
続いては玄関から一階。伊勢海老が添えられた名古屋ならではの華やかな鏡餅が迎えてくれます。
奥は蓬莱山という金沢のお正月の飾りです。河文がバリアフリーの工事をした際に、金沢の飲食店さんが様子を見にいらっしゃったことがきっかけで飾られるようになったそうです。背景を知ると、互いにエールを送りあっているように見えてきますね。
割烹河内屋の室内も見学させていただき、二階に上がります。
あちこちに餅花が飾られており、新年を迎える実感が湧いてきました。
二階の個室では、無双窓や月の字欄間といった建具や調度品にまつわる話から、料亭・河文ならではの裏話まで、様々なお話を聞かせていただきました。名古屋城をはじめ、様々な場所や人と深い縁で繫がった場所なのだと学ぶことができました。
※これまでの授業レポートにも、河文さんの魅力がたくさん紹介されています。良ければぜひご覧になってくださいね!
【餅花づくり】
柳の枝がどっさり積まれた一角に案内してもらいました。
室内に満ちているお餅の温かく良い匂いに、心が柔らかくほどけていきます。
早速、真っ白なお餅をいただき、両手でちぎりながら柳の枝につけてみました。
丸めて場所を決めてくっつけてを繰り返すうちに、どんどん無心になっていきます。
気がつくと手の中のお餅がほとんどなくなり(それなりにちゃんと見える)花が出来上がっていました。これは楽しい…!
お餅のおかわりをいただきながらお話を伺ったところ、この餅花は節分まで館内に飾られるそうです。河文では様々な季節のしつらえがあるそうですが、皆で手作りするのはこの餅花だけだとか。
確かに、生徒の皆さんに交じって、スタッフの方々も餅花を作っていらっしゃいました。(とても早くきれいに仕上がっていました。さすがの腕前…!)館内の華やかな光景は、皆さんが力を合わせて作っているからこそ見られるものなのですね。
【お料理】
12月のお料理を楽しみながら、お箸の持ち方や椀物のいただき方など、和食の作法も学びました。
料理はもちろん、添えられた季節の植物や器もとても美しく、和食は五感で味わう料理であることを改めて実感しました。
そして、話は餅花づくりのきっかけへ。
花の少ない1月を華やかに彩る餅花は、炙るとあられとしていただけるため、非常食としての側面も持っていました。
そんな餅花を見かけて「可愛い!」と思われた(ある代の)河文の女将さんが、廊下中に飾るようになったそうです。
その後、せっかくだから世界一を狙おう!と、ギネス登録に挑戦されたこともあったのだとか。
でも、「餅花の規模で世界一」を狙うためには、餅花の粒の数を一つずつ数える必要があったため、残念ながら断念せざるを得なかったそうです。
現在、河文では約80㎏のお餅が餅花に用いられているとのこと。私たちの作った餅花も、微力ながらお役に立てていると思うと嬉しいですね。
デザートからお茶の話になったときに、先生から一つの質問がありました。
「裏千家に属している人が、全国にどれくらいいるか知っていますか?」
裏千家は、最も多くの人が所属している流派と言われています。しかし、十年前と比較して現在は約半数ほどに減少してしまったのだそうです。十年後の茶道人口は、現在の約十分の一になってしまうのではないかとも言われています。
「現在はコロナの影響もあり、日本の文化は縮小傾向にあります。茶道、華道、書道、尺八を始めとする音楽も、なり手がどんどんいなくなっている。その対策として、文化庁はこれらを無形文化財として登録するよう検討しています。もしかしたら、五十年後には、茶道や華道を習っている人は、トキ以上に貴重な存在になるかもしれません。」
茶道や華道に限らず、私たちが今日の学んだ「和食」とその「作法」も、失われつつある日本文化の一つです。
そして、私たちに様々な日本文化を教えてくださった先生も、勉強の連続だったそうです。
広島県ご出身だという先生は、若女将として働く前から様々なご縁を頼って勉強され、また地元・名古屋に住む人や多くの文化人とともに学び合いながら、約10年間、河文を支えてこられました。
「河文はこれまで、文化的な行事も多く行ってきましたが、今後は料理を中心に勝負していくことになります。今日知った和食の食べ方や、日本文化に関する様々な学びを、ぜひ周りに広めてください。今日の機会で、皆さんの今後の生活が少しでも豊かなものになると良いなと思います。」
新しい年を迎える前のこの時期に、変化の中にあっても残したいものは何か、改めて見つめ直す時間となりました。
レポート:まつじゅん
写真:酒井悠行
先生
香川絢子 / 河文 若女将
広島市出身 安芸 熊谷家の客分「中屋(なかのや)」の長女。龍谷大学文学部史学科卒業、ROHM株式会社にて秘書業務を経て株式会社Plan.Do.Seeにウエディングプランナーとして入社。THE KAWABUN NAGOYA開業のため2007年に名古屋に異動。仲居見習いから京都「萬亀楼」にて女将見習い、その後2011年3月より河文若女将に…現在に至る。中部広島県人会 常任役員
今回の教室
料亭 河文
住所:〒460-0002 名古屋市中区丸の内2−12−19
※名古屋市営地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅下車、2番もしくは4番出口より徒歩約5分
地図を見る
webサイト:https://www.thekawabunnagoya.com/kawabun/
※店内バリアフリー(車椅子も大丈夫です)