授業詳細

CLASS


お坊さんとダイバーシティを語る!〜他者との違いから私を見つめよう〜

開催日時:2022年01月08日(土) 15時00分 ~ 17時00分

教室:オンライン開催

レポートUP

先生: 藤井 大樹 / 浄土真宗本願寺派 教雲寺 住職 / 仏教座談庵「いろり」代表
五藤 広海 / 浄土真宗本願寺派 光蓮寺 副住職 / 一般社団法人リヴオン常務理事

カテゴリ:【くらし/コミュニケーション/大ナゴヤの日】

定 員 :20人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※本授業は先着でのお申し込みとなります。2022年1月7日(金)中まで先着順でお申し込みを受け付けます。
※授業運営の都合上、先着申込締め切り後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※当授業はオンラインで実施いたします。詳細は「教室」を参照ください

ダイバーシティという言葉が身近になって久しいですが、そこにはたくさんの側面がありたくさんの価値観が交錯しています。教育のこと、心や体のこと、性のこと、などなど。どれも生き方に直結しており、大切なことだからこそ、「どう考えたらいいのだろう?」と立ち止まることもしばしばです。


今回はそんな多様性を、改めて自分ごととして考えてみたいと思います。
テーマは「違い」。ひとりひとりが「違い」を持っているのはなんとなく分かるけれど、私にとって自分が他者と違うことは、一体どんな意味を持つのでしょうか?
「違い」は怖いこと?
「違い」は恥ずかしいこと?
「違い」は誇らしいこと?
また、自分が他者と違うことに気づいたとき、どんな思いをしたでしょうか?

そんなひとりひとりに内在する多様性を、お坊さんと一緒に語り合ってみませんか。お坊さんと一緒に、自分の価値観を語り、みんなの価値観を聞き、ときどき仏教に尋ねてみる。仏教には、世間で当たり前とされているものとは違う価値基準を大切にしています。いうなれば「仏さまの価値観」をお坊さんは大切にしています。そんなお坊さんとを含めた語り合いからは、きっと、新しい「気づき」が生まれることでしょう。仏教座談庵「いろり」の皆さんに用意いただきます。この度の語り合いの時間に、どうぞご期待ください。
(※ 宗教の勧誘はいたしません。当然ながら、個人の信教の自由を尊重いたします。)

<スケジュール> 
 15:00 授業開始、場の約束の確認(14:50 - zoom開場)
 15:10 テーマについて(問題提起)
 15:20 語り合い(25分)
 15:45 語り合いの共有、さらに問題提起
 16:00 語り合い(30分)
 16:30 語り合いの共有、まとめ
 17:00 終了・集合写真

【授業コーディネーター名】
山田卓哉


【仏教座談庵「いろり」】 (https://daiju.site/irori/)
藤井 大樹・五藤 広海・唐溪 悦子・松野尾 浩慈・加藤 学・藤田圭子

<<仏教座談庵「いろり」とは?>>
仏教座談庵「いろり」は、オンラインで【語り合い】をする場です。「いろり」の特徴は「一緒に語る」こと。お坊さんもそうでない人も、仏教に詳しい人もそうでない人も、みんなひっくるめての語り合い。【わたしのこと・自分のこと】を大切にしながら、自分の意見・思いを語り合います。お坊さんが一方的に話をするのではなく、日常生活の疑問や悩みを通してみんなで語り合い確認し合います。
具体的には、
❶「聞く・話す」を繰り返しながら、ときどき「仏教ではどう考える?」と問うていきます。
❷それぞれの違いを認め合いながら、「聞き合うこと」を大事に進行します。
時間を共有しながらその時の【であい】を深めるような場づくりを心がけています。


近年は社会情勢の影響もあり、物事の捉え方が大きく変化する社会になりました。人それぞれに価値観が多様化する時代となっていき、他者との「違い」についても考える場面が増えそうです。

今回はそんな「違い」を多様性として捉える時代の中で、そもそも私達が認識している「違い」についての考え方をお坊さんと一緒にオンラインで語り合おうという授業を行いました。
先生としてお迎えしたのは、オンライン上で立場関係なしに語り合いの場を運営されている
仏教座談庵「いろり」チームのメンバーであり、浄土真宗本願寺派の僧侶でもある、藤井さんと五藤さんです。
さらに今回は、同チームのメンバーの方々も応援に駆けつけていただきました。
メンバーのみなさんは全員僧侶。「いろり」の活動の他に、お寺のお供え物のおさがりを経済的に困難な状況にある家庭へ「おすそわけ」する活動を行っている「おてらおやつクラブ」や、死生観について語り合いの場を提供する「デスカフェ」の運営などの活動をされている方もいらっしゃいました。



開始時間になり、授業のZOOMルームに入室された生徒さん。
「普段お坊さんと関わる機会がなく、楽しみにしてきた」という方や、
「多様性という言葉に興味があって、なかなかない機会なのでみんなの考えを聞きたい」
と、今回楽しみにされていることを話されていました。

授業がはじまり、まずは藤井さんから仏教座談庵 「いろり」の活動についてお話くださいました。



「いろり」は2020年からZOOMを通じたオンライン形式で活動しており、僧侶として一方的に法話・説法をするスタイルではなく、立場関係なく相互に語り合い・聴き合う「話し合い法座スタイル」が特徴の場であると話されていました。
すでに、10回ほど今回のような場が開催されてきたそうです。

今回の「場」の大切な約束として、“言葉で語りあえる場にするため、お互いの話す時間・聴く時間を大事にして、理解を深めてもらえたら”とのことです。
また、語り合ったことを共有することは大事ですが、個人情報や個人の尊厳に関わることを持って帰って拡散することは厳禁との事も話されていました。

そして、いよいよ語り合いの時間です。



今回の語り合いの本題である「ダイバーシティ(多様性)」は、見た目などの外面的なものと、価値観などの内面的なものと、どちらの意味にも取れて明確に分けることのできないとのこと。
はじめに、「みなさんが最近感じた違和感は何ですか?」という問いが立てられました。例として、藤井さんが高校生の頃に勘違いをして教室を間違えた時に感じた違和感を挙げ、その時に感じた気持ちがどうだったかを話されていました。

まずは、1回目の語り合いのお題として
①最近あった「違い」に触れて違和感を感じたことを教えてください。
②「違い」に触れたとき、自分の生まれた心や行動の変化(起きた気持ち/反応/行動)を教えてください。
というお題をもとに、ブレイクアウトルームで2グループに分かれて20分程、語り合いを行いました。



ルーム内のいろりメンバーの方が、丁寧に話しやすい雰囲気を作ってくださったので生徒さんも気兼ねなく自身の考えを話されていました。
その後、ブレイクアウトルームから戻り、再度全体でグループ毎に出たお話についてシェアが行われました。
前述の通り、シェアされた内容は語り合いのルールの観点からあまり詳しく書けませんが以下のような内容が話されました。
・年齢差の違和感や同世代で一緒だと思っていても違っていたときの違和感
・立場に関する違和感など様々な違和感
そして、その時の気持ちはプレッシャーを感じてたり、逆の新しい発見があったりしたなどが挙げられました。

そして、2回目の語り合いのお題は以下の2つ。
(A):「違い」に触れて、自分に感情や行動の変化が起こった自分。そんな自分に今声をかけてやれるのであれば、自分はどうしていたかった?自分はどうしてほしかった?
(B:「違い」によって生まれるもの(損なわれるもの)って、何があるでしょうか?また、「同じ」によって生まれるものって、何かありますか? 

再び2グループに分かれて語り合いをした後に全体シェアを行いました。
こちらの問いも1回目の語り合いの時と同じく、様々なことが話し合われました。
・違和感を感じると不安になるが、自分がアクションすることにより突破口になって楽しくなる。
・違う環境の中に入る側も迎える側もドキドキするけど、お互いつながりを持てるように意識すれば居心地がよくなるのではないか。
・違いの中から同じ部分を見つめるか、同じの中から違いを見つめていくかの方向性によって、見えてくるものが変わってくる。
・違いを体験していくことで違いは敵じゃないと思えることもあって楽しめるようになった。
などの内容がシェアされました。

最後に、藤井さんから仏教的な視点で「違い」についてお話いただきました。



「違いを認めるためには?という考えで、違いを認めると言いつつ単に遠ざけているだけであったり、自分の枠組みの中での価値観に形を変えて当てはめてしまっていて、それは違いを認めてるとは言えるのか?」
あるがままに物事を認めていくという仏教用語の「如実知見」という言葉が提示されました。

また、「あなたの命はまるごと尊いと捉えるのが仏様の見方なので、私達も仏様のような温かい気持ちで違いを見ていけば居心地がよくなるのではないか」ということも話されていました。
仏教的には「みんな違うという点において、みんな同じ」という考えであるということを強調されていました。例え話として、海の波は一瞬ずつ違い、同じ波はないが、違うという観点でみると同じであるということだそうです。

先生から今回の授業の締めくくりに「今回はみんなで「違い」について語りあいましたが、少しでも理解が深まってくれたらと思います」とメッセージをいただきました。

最後に参加者全員から今回の語り合いの感想をシェアしました。
「考えをシェアできてよかった。藤井さんのお話も新たな気付きになった!」
「為になることがいっぱいあった。視点をずらすのが重要だなと思った、仏教にも共通の教えがあって嬉しかった。」
「いろんな意見を聞けてよかった。多様性についてモヤッとした部分を言葉として出してスッキリした。」
といった感想などを話されていて、みなさんそれぞれに心に感じるものがあったようです。



今回の授業は、「違い」について話し合うという漠然とした題でありながら、立場関係なく話し合うことで、
それぞれ、違いについての思いが深まったのではないかと思います。
皆で立場関係なく話し合い、理解を深め、仏様のようにあるがままの「違い」をお互いが認めあい、
みんなにとって居心地のよい世界になってくれればと思いました。

レポート:かわつ
カメラ:いくえ

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

藤井 大樹 / 浄土真宗本願寺派 教雲寺 住職 / 仏教座談庵「いろり」代表

1984年広島市の教雲寺に生まれる。関西外国語大学卒(英米語学科)。 営業職時代の挫折や身近な人の抱える困難を契機に、仏教の説く「苦」や「不条理」に焦点をあてながら僧侶として歩む。「みんな何かを背負いながら生きている」ことを大切にしながら、傾聴活動や配信業務など様々な分野に挑戦中。音楽療法カウンセラー。

五藤 広海 / 浄土真宗本願寺派 光蓮寺 副住職 / 一般社団法人リヴオン常務理事

1986年岐阜県可児市の光蓮寺に生まれる。「お坊さんの仕事は布教よりも、苦しみを抱える人とともに生きていくこと」をモットーに、寺院を会場にしたイベントの企画運営や、グリーフケア(喪失を経験した人のサポート)の分野を中心に活動中。

今回の教室

オンライン開催

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