授業詳細

CLASS


いまこそ考えたい防災のこと〜今できることから考える

開催日時:2024年03月09日(土) 17時00分 ~ 19時30分

教室:大ナゴヤ大学・事務所

レポートUP

先生: 行天貴之 / ラジオDJ、防災士
林 剛 / 美岳小屋 代表

カテゴリ:【大ナゴヤの日/環境/くらし】

定 員 :15人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※授業運営の都合上、直前のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※2024年3月8日(金)12時まで先着順でお申し込みを受け付けます。

※本写真は、今回の先生、行天さんが東日本大震災の復興ボランティアの活動の際に撮影した写真です。
※任意にて、当日はご自宅にある非常食をご持参ください。
2024年1月1日、能登半島地震が起きました。
日本海側の地域だけではなく愛知・三重まで揺れは広まり、止まない大津波警報に心がざわついた方も多かったはず。名古屋に住んでいると、ニュースではほとんど現在の状況を聞かなくなってしまいましたが、最も被害のあった能登半島エリアはまだまだ震災の余波を残しています。

今回の震災で、地震は津波にとどまらず様々な問題が起こることを改めて痛感しました。
流通の問題はもちろん、避難所での感染症対策、教育の機会提供、ペット問題など現地で起きた問題やSNSでの誤情報、現地に悪影響を与えるような現地流入や食糧配達の偏り問題など。。。あげればキリがないほどの問題があったように思います。一方で各所で起きた募金や義援金を募るアクション、地域の方と独自のコミュニケーションをとり的確な支援を模索する動きもありました。

生活を急変させてしまう天災に対して、私たちは震災に対する当事者になる前の防災はもちろん、震災が起きたときに第三者としてできることを知る必要があるのではないでしょうか。

本授業では、今回の震災を時系列に追いつつ、私たちが日常で今すぐできる防災について考えます。そして、これから復興に向かう能登半島エリアに対して、遠いナゴヤにいるからこそできる支援を考えたいと思います。

先生として、防災士でもあり名古屋でラジオDJとして活躍する行天貴之さんと、東日本大震災の際には震災支援の最前線にいた元・消防士の林剛さんのお二人をお迎えします。お二人それぞれの視点から、防災について教えていただきます。

今、大きな震災が記憶に新しいこのタイミングだからこそ、震災とどう向き合うべきかお話ししましょう。

【スケジュール】
16:50 受付開始
17:00 導入・自己紹介
17:10 震災について〜能登半島地震を例に振り返る
17:30 私たちが準備しておくべき防災の話
18:00 第三者として地震とどうやって向き合えるのか
18:30 ワークショップ〜北陸の今、私たちに何ができるのか
19:00 ふりかえり
19:30 終了

【授業コーディネータ】
山田卓哉
日本は「地震大国」と言われていますが、地震の多い国であるが故にそれに慣れてしまっている部分もあると思います。
今回は東日本大震災から13年が経ち、また今年は元旦から能登半島地震が起きたからこそ、防災をもっと身近に、そして防災に思いを馳せる授業となりました。

参加してくださった生徒さん達もそれぞれ過去の地震や災害から何かを考えたいけど、どう行動して良いのかなど一歩を踏み出すキッカケをこの授業で学ぼうという方が大半でした。



以下、冒頭の先生の会話のまとめ。

行天:幼少期に神戸の高台に住んでいたが、朝起きたら神戸のまちが火の海だった。ラジオから流れてくる声に励まされ、実際に「声」に関わる仕事がしたくてラジオのパーソナリティに。365日24時間ずっと防災について考えるのはしんどいけど、そうではなくてもっとフランクに考えようと、防災士の資格も取った。

林:幼少期に大阪で阪神大震災を経験。オレンジ色の消防士にあこがれて実際に消防士になって、東日本大震災では現地へ。今は農家になったけど、地域の人たちを巻き込んで災害時は助け合えるような地域コミュニティを作りたいという想いで活動している。


といった感じで、どうやって防災を考えていくかの導入部分となりました。

参加した生徒さんも元旦に起こった能登半島地震で被災地を支援するにはどうすれば良いのかという疑問もあり、そういった事に対話とワークショップを通じて皆さんで考えました。



まず、現地へ行ってボランティアも大事だけど、「防災」を考えることも大切な支援の一つと行天さん。理由は災害が起こった時に自らが災害から逃れ、他の人を助けたり、救助も他の人に充てられることが大切との事でした。


他にも国や民間でも災害時に便利なモノを示したチェックリストがHPで出ているので、
そこを参考に地域に合ったモノ・自分が被災した場合を考えて準備しておくことも大切との事です。

行天:自分自身が落ち着くものを準備しましょう。自分だったら本・珈琲のドリップ・香水・CDウォークマンがあれば落ち着きます。

林:消防士の視点だと給油は残り半分の時点で行います。ストックは多めに、自分が助かって他の人にも分けてあげられる。あとは、家族内で災害時の集合場所なども考えておくべき。

他にお二人に共通していることは、食べ慣れたモノも大事との事。冷蔵庫にストックを多めに残しておき、何かあればそれを食べられるし、何もなくてもローリングストックとして食べていけるのが理由だそうです。

逆説的ですが、モノは多い方が良いという訳でもなく、必要最小限に減らすというのも大切で、すぐに持っていけるバック1つに収まるくらいでも十分との事。



最後に、お二人からは

行天:過去の災害から学ぶことが大切で、「忘れる」前に災害はやってくるのが現代。地震だけではなく、雨や台風の被害も大きくなっているので、人との連携は大事。そうすれば復興も早いです。

林:NPOを作ったり、地元でイベントをやるのも普段からの顔なじみを増やすため。そういった人との繋がりが一番の防災です。


参加した生徒さんの感想は、
・自分で自分の環境をつくることが大事だと思った。もし自分が被災しても自分で自分を守れて、他の人に手を差し伸べられるから。
・被災地に赴いて被災した人の話を聞くことも大事な経験となる。
・毎日は大変だけど、月単位で防災を考えて防災力を磨きたい。

といった感じでした。



今回の授業は先生が一方的に話す内容ではなく、生徒さん達と意見交換しながら進めていくという内容で、生徒さん自身も過去の経験と照らし合わせながら、これからの防災を考えているようでした。防災に正解も不正解も無いと思います。
ただ、最小限で最大の効果を発揮できるようなルートはあるはずです。それも場所や季節だったり置かれた状況だったり。時代によっても変化するでしょう。東日本大震災の時はまだまだガラケーがほとんどで、今みたいなSNSも発達していなかったと記憶しています。
今回の能登半島地震(もちろん、東日本大震災以降含め)はスマホやSNSの発達により、逆に良い面も悪い面も見受けられます。時代やテクノロジーの変化によっても防災は変わってきます。
そんな将来の防災も考えながら皆さんも自分が被災したと考えて防災について考えてみませんか?



レポート・カメラ:石坂喜和

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

行天貴之 / ラジオDJ、防災士

1995年、6歳のときに阪神淡路大震災を経験。(神戸市灘区で被災)避難生活で唯一の情報源だったのが「ラジオ」であり、そこから聞こえる音楽やラジオDJたちの言葉に励まされた経験から、ラジオDJを目指すようになる。 大学在学中に、ラジオDJデビュー。現在は、RADIO LOVEAT「SUNDAY FUNDAY」(毎週日曜12時~15時)を担当中。 2011年の東日本大震災の際には、宮城県・岩手県でボランティア活動をおこなう。 2018年には、防災士の資格を取得。ラジオやSNSを通して「防災」について発信するなど。防災を身近に感じてもらうための活動を行なっている。

林 剛 / 美岳小屋 代表

元消防士の農家。オーガニックパンクを掲げ、肥料や農薬に頼らず、自然の力でイチゴや落花生を育てている。自然栽培を通して世の中を面白くしている農家の一人。

今回の教室

大ナゴヤ大学・事務所

住所:愛知県名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201号室
※地下鉄上前津駅 8番出口 徒歩3分程
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