授業詳細

CLASS


今が旬!三陸名産「ホヤ」の新たな世界へようこそ!〜ホヤを通して東北に想いを馳せる!ホヤトーク×ホヤフルコース“ほやほやNight”をご堪能あれ!〜

開催日時:2024年07月13日(土) 17時00分 ~ 20時00分

教室:なごのや別館ラウンジ

レポートUP

先生: 大原一哲 / ホヤボーイ/NPO法人きっかけ食堂メンバー

カテゴリ:【大ナゴヤの日/環境/くらし/食/歴史・文化】

定 員 :10人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※当日実費いただく予算:飲食代として5,000円(食事、日本酒、ソフトドリンク込)
※授業運営の都合上、直前のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※2024年7月12日(金)12時まで先着順でお申し込みを受け付けます。
東海地方では認知度が高くないホヤとはそもそも一体なにものなのか、愛知で生まれ育った大原さんがホヤのどのような点に魅了されたのか、といった話を通して、ホヤについての理解を深めます。
さらに、ホヤの魅力を広める活動についてや、大原さんのホヤ愛の特異性についてもお話してもらいます。

また、ホヤを食べることで地域に貢献するということについても考えます。

ホヤは宮城県を中心とした三陸沿岸が主な産地であり、東北地方の人々に長きにわたって愛されてきた海産物です。一方、東北地方以外でのホヤの消費量は限定的であり、震災前は水揚げ量の大半が外国への輸出に充てられていました。震災後、原発事故の影響による水産物の貿易規制を受け、大型消費先を失ったホヤの廃棄処分、生産量の縮小、魚種の転換、といった苦渋の対応を強いられている現状があります。

このような背景の中で、東海地方にいる私たちがホヤを食べる、ホヤを好きになる、ホヤのファンになる、ということは、ホヤを愛する地域である東北地方への貢献に繋がります。

そこで、授業の後半では初夏に旬を迎えるホヤのフルコースを食べ、 東北の日本酒を飲んで楽しむ時間になります!その名も“ほやほやNight!!”
もちろん、ソフトドリンクも用意しています。
ホヤのフルコース料理は、出張料理人の佐藤光さんにお願いしています!

ホヤを知り、東北への貢献を考え、美味しいホヤ料理やお酒を楽しむ時間にしましょー!

〈スケジュール〉
16 :45 受付開始
17:00 授業開始
17:10 自己紹介
17:30 先生からのお話(ホヤとはなにか、ホヤの魅力の発信について、ホヤを通した地域貢献について)
18:00 乾杯!ホヤを食べよう!
ホヤを使ったフルコースと、それらに合う日本酒やソフトドリンクをご用意してます。
大人気企画“ほやほやNight!!”を堪能しましょう!
20:00過ぎ 終了

【授業コーディネーター】
いくえ
ホヤって、東海地方では、あまり口にする機会がありません。
私も、名前を聞いたことがある程度で、食べたことがないのはもちろん、どんな食べ物かも知りませんでした。
今回の授業は、東北の食材を通して東北に想いを馳せるイベントを度々開催していらっしゃる大原一哲先生をお迎えして、
ホヤを深く掘り下げました。
教室は、なごのや別館ラウンジです。



生徒の皆さんの参加理由は、さまざまでした。
「以前に食べた時はおいしかったが、ホヤが何物かはわからなかった」「参加することを知人に話したら『においがあるんでしょ?』と言われた」
「宮城では毎日食卓にあったのに名古屋にはなかった」「大原先生に誘われて毎年食べている」
「これまで食べたことがないが、フルコースで食べられるので参加」
「以前、居酒屋で食べたがおいしくなかったから、本当のホヤと言えるものが食べたい」
「さしみで食べたらおいしかったが、他の食べ方も試して、ホヤの可能性を知りたい」「自分で調理するのは大変」
などの声がありました。



大原先生は、普段はホヤボーイ、もしくはてっちゃんと呼ばれているそうです。
愛知県岡崎市出身で、現在は神戸に在住ですが、学生時代から震災ボランティアとして毎年何度も東北に通っていらっしゃったそうです。
そこで地域のあたたかみを感じたことから、
東北に想いを馳せる「きっかけ食堂」や、ホヤのフルコースをみんなで食べる「ほやほやNight!!」を、開催し続けていらっしゃいます。

ここからが、ホヤトークです。
大ナゴヤ大学らしく時間割に沿った授業で、クイズも交えて進められ、楽しく拝聴させていただきました。



1時限目 ホヤ、なにもの?
ホヤは「ホヤ貝」と呼ばれることもあるように貝の仲間と間違えられてしまいがちですが、
実は、無脊椎動物の中では最も進化した生物である「尾索動物(脊索動物の一種)」なのだそうです。
ホヤの赤ちゃんは泳ぎますが、岩場などに付着して成体になると動くことはなくなります。
ホヤの種類は2000以上ですが、食べられるのは2種類のみだそうです。
三陸のホヤは真ホヤで、主に養殖です。
赤ホヤは北海道で採れる天然もので、バクライの原料の1つです。



2時限目 ホヤ、すごい!
ホヤは「甘味、旨み、塩味、酸味、苦み」を兼ね備えた唯一無二の食材で、食べ方の違いで、食感や味わいが変化するそうです。
鮮度が命で、水揚げから時間が経つとホヤ独特の風味がきつくなってしまうそうです。
タウリン、グリコーゲンなどの豊富な栄養が含まれていますが、
中でも注目されるのは認知症予防効果があるとされるプラズマローゲンが含まれていることです。
少なくとも千年以上前から日本でホヤが食べられていました。



3時限目 ホヤ、ピンチ!
震災前、日本のホヤの生産量の84%を宮城県が占めていました。
そして生産されたホヤの約7割は韓国に輸出されていました。
震災後、韓国政府が、原発事故による放射性物質の海洋汚染を理由に、東日本太平洋側8県の水産物の輸入を全面的に禁止しました。
これは今でも続いているそうです。
行き場を失った大量のホヤが廃棄処分されているのが現状とのことです。
また、近年の海水温の上昇により、ホヤが死滅したり、成長が遅れる影響が出ています。



4時限目 ホヤ愛、広まれ!
先生がホヤと出会ったのは、2016年夏、気仙沼市内で、
その時は生のホヤの独特の風味に圧倒されて、ハマらなかったそうです。
その後、ホヤにはまったきっかけは「ホヤと日本酒の相性の良さ」「ホヤ唐揚げとの出会い」「ホヤを取り巻く現状を知る」でした。
ホヤボーイとして最も訴えたいことは「生のホヤが苦手でもホヤ大好きって叫んでいいじゃん!」です。
ホヤはクセの強い食べ物で、決して万人受けはしませんが、
自分なりのホヤとのかかわり方を見つけ、「ホヤのファンになってほしい」とおっしゃっておられました。
ホヤを想うことは東北を想うことで、ホヤのファンが増えるということは、東北のファンが増えるということです。



さて、次がお待ちかねの、給食の時間。
大ナゴヤ版「ほやほやNight」で、ホヤのフルコースをいただきました。
シェフは佐藤光さんで、教室にある調理場で、調理して、出していただきました。
「七夕ぼや」と呼ばれる、ホヤのむき身の冷凍の物を用いました。



出されたメニューは、キムチ、マリネ、酢の物、刺身、しそ巻き、一夜干し(軽くグリル)、
春巻、唐揚げ、ホヤとナスの揚げびたし(新メニュー)、
ホヤジェノベーゼそば(バジルではなく大葉を使っている)、で、本当にホヤのフルコースでした。



ホヤに合う日本酒も用意してもらい、マリアージュを楽しむこともできました。
どの食べ方も生徒の皆さんに好評で、特に春巻き、唐揚げ、ホヤジェノベーゼそばは、皆さん大感激でした。
私もどれもおいしくいただきました。
初めて食べた時、おいしくないと感じると、それ以降一切食べなくなってしまう心配があります。
私は、今回が初めてで幸いだったと思っています。



生徒の皆さんからの感想です。
「座学の時間も料理も良かった 次を予約したい」「初めてだったけどフルコース大丈夫だった」
「ホヤを取り巻く現状がわかった」「貝じゃないことがわかった」
「唐揚げやジェノベーゼという発想は自分にはなかった」「おもしろい食材だ」
「宮城のホヤを応援したい 同じ気持ちの人が全国に広がってほしい」
「現地にも行ってみたい」「ホヤの可能性は無限大だ」
今回の授業で、ホヤのファンが確実に増えました。
ホヤを食べ続け、東北のことをずっと想いつづけていきたいですね。



レポート:三宅由美子
カメラ:小林優太

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

大原一哲 / ホヤボーイ/NPO法人きっかけ食堂メンバー

愛知県岡崎市出身。震災ボランティアを契機に東北に頻繁に通うようになった2016年夏、気仙沼でホヤを初めて食べる。以後、現地を訪れる度に少しずつホヤに魅了されていく。2019年春、フリーシェフ佐藤光と出会って意気投合、「ほやほやNight!!」を通してホヤの魅力を広めるイベントを愛知県内外でこれまで10回ほど開催。また、NPO法人きっかけ食堂メンバーとして、食を通した東北の魅力発信を目的とするイベントを毎月開催。好きな映画は男はつらいよ、渥美清とは同じ誕生日。フーテンのホヤボーイというDJネームを持つ。 Instagram

今回の教室

なごのや別館ラウンジ

住所:名古屋市西区那古野1丁目35−13
◎「名古屋」駅より地下街ユニモールを抜け「国際センター」駅2番出口へ
◎地下鉄桜通線「国際センター」駅2番出口より北東へ徒歩5分
地図を見る

「喫茶、食堂、民宿。なごのや」の別館のラウンジです。
ゆったりとした空間で、おもいおもいの時を過ごせます。