授業詳細

CLASS


みんなのクローゼット「Fukumochi vintage」〜服を通してつながる「マチ」の暮らしと出会おう〜

開催日時:2024年09月14日(土) 10時30分 ~ 15時00分

教室:Fukumochi vintage

レポートUP

先生: 生駒郁代 /

カテゴリ:【大ナゴヤの日/くらし/15周年特別授業】

定 員 :5人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※実費:昼食代など、その他飲食代等実費をご負担頂きます。
※当日、熱中症には十分にお気をつけください。雨天決行。荒天などで中止の場合は前日までにご連絡いたします。

※授業運営の都合上、直前のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご相談ください。
※2024年9月13日(金)12時まで先着順でお申し込みを受け付けます。
やってみたいけれどなかなか踏み出せないこと、「こんな人生を歩んでみたい」と思い描くことがきっと誰しもあるはず。今回、大ナゴヤ大学15周年の節目のタイミングに、各地で活躍する方々と出会い、その人の人生譚に触れる授業を企画しました。

本授業では三重県桑名市で営まれているビンテージショップ「Fukumochi vintage」の生駒さんを先生にお迎えします。

自ら「一風変わったビンテージショップ」と名乗るのはそのお店のスタイルが所以。会員制の古着のレンタルは、一着一着の古着が彩豊かで素敵なのはもちろん。思い出や物語がこもっている。会員のみなさんが着回している様子からはまさに「みんなのクローゼット」だなぁと不思議な一体感を感じます。

一つのお店からはじまったこの仕組みは、気付けばまちの方々の要望で地域ぐるみの仕組みに…まちに溶け込んでいくこの古着レンタルの仕組みは生駒さんたちの地道な取り組みから生まれたご縁から。

今回、生駒さんがFukumochi vintageをはじめたキッカケから、これからの展望についてお話をいただきます。
お話を聞いてもらった上で、よりこの取り組みに寄り添っていただくために参加生徒のみなさんには街に探検に出ていただきます。地域の話を聞いた上で見える街は、それまでとどう変わるのでしょうか…お店の人になりきって街を楽しんでください。
最後には、その中での気付きや発見、みなさんの内心の変化を共有していただくワークショップを実施します。

「まち」には様々なチャレンジを通して、地域とつながり、社会をつくる魅力的な人たちがいます。
ぜひ、あなたにとって宝物となる出会いがありますように。

<スケジュール> 
10:15 集合・受付
10:30 授業開始 / 自己紹介
11:00 先生から
11:40 フィールドワーク
14:00 再集合・ワークショップ
14:30 発表
15:00 先生から一言、集合写真・解散

【授業コーディネーター】
山田卓哉、大ナゴヤ大学15周年授業企画チーム
大ナゴヤ大学開校15周年の記念授業。今年は各地で活躍する方々と出会い、その人の人生譚に触れる授業として3授業が展開されました。
その中の一つとして、三重県桑名市にある定額制の女性向けレンタル古着店「Fukumochi vintage」の店主である生駒郁代さんを先生として、お話を聞く授業が開催されました。



今回の教室は「Fukumochi vintage」の店内です。中に入ると、レンタル用の服がいくつも展示されており、訪れた生徒さんは、授業が始まる前からそれらの服を見て興味津々のようでした。



授業が始まり、まずは生徒さんの自己紹介から。今回は全員女性の生徒さんにご参加いただきました。
・普段来ない場所だから、どんな街なのか見るのが楽しみ。洋服トークも楽しみたい
・服にも興味あるが、生駒さんのお店の運営の仕組みを知りたい
・単純に洋服が大好き!

という様々な視点で興味を持たれた方が参加していました。



続いて先生の生駒さんから、ご自身の経歴やお店ができるまでの経緯のお話を伺いました。
愛知県安城市出身の生駒さん。名古屋の大手メーカーで働く傍ら、大ナゴヤ大学のスタッフとしても活動していました。その他にも仕事のスキルを活かして、まちづくりに関する様々なプロジェクトなどに携わるなど、多方面で活躍されたのち、現在は結婚をきっかけに桑名に移住し、「Fukumochi vintage」の運営をしながら、コンサルタントやバックオフィスの業務改善のお仕事もされているそうです。

「Fukumochi vintage」を始めるきっかけは、産後の孤独感の反動に尽きるとのこと。
名古屋から桑名に移り住んだ当初は、妊娠・出産に突入して動きが身動きが取れない上に、
友達や知り合いもいない状態だったため、孤独感を感じるようになってしまったそうです。
そんな時、ベビーカーで街を歩いていた時に、資源物回収施設の「クルクル工房」という場所を見つけました。ここでは回収した資源をリュースする活動をしており、その魅力を知り、通うようになったそうです。
また、近くのお寺で行われていた、子供に食事を提供するコミュニティー「こども食堂」にも通い、そこで近所の方々とも仲良くなり、
そうしているうちに、産後の孤独感と同時に感じていた周辺の街の寂しさを解消するため、なにか楽しい場所を作りたいと思い立ちました。



そして、生駒さんは古着が好きなので古着屋を始めることにしました。
ただし、一緒に楽しんでくれる人を増やすという目的のために、ただ古着を売るだけでなく、年会費をいただき一着借りることができるレンタル形式にすることにより、買って終わりではなく、繰り返し来店してもらえる関係性を築くことができる仕組みにしました。
価格設定や会員管理などについては前例がなかったため試行錯誤しながら。現在は年会費3,000円で、なるべくコストを掛けない運営を心がけているそうです。

この仕組みを作るにあたっては理想の未来を考え、現在の状況をパズルのように組み合わせていくことで出来上がったとのこと。自分の強みだけでなく、苦手なことやネガティブなことも要素として考えることで、無理のない関係性を築くことができるとおっしゃっていました。
最近では関わる人が増え、新しい展開として会員さんのカフェやお寺など、それぞれの場所でレンタル用の服を置いてもらっているそう。会員さんはどこでも交換できるような仕組みの計画を進めているとのことでした。

また、マイブームとして近所周辺のゴミ拾いを始めたそうです。軽い運動にもなるし、ゴミ拾いをしていると話しかけてくれる人もいるので、コミュニケーションのきっかけとして楽しんでいるそうです。



生駒さんのお話を聞いた生徒さん達。お話が終わった後も、
・着物のレンタルはやらないの?
・在庫は追いつくのか?
・昔の服によくある肩パッドはどうしているの?
など、生徒さんの方から生駒さんに質問する形で双方の会話を楽しまれていました。

感想共有の時間では先生の考え方がユニークで面白いと感じた人もいれば、産後の孤独感や地域とのつながりの難しさに共感する声もあり、それぞれに新たな視点や気づきを得ることができたようです。



その後、ちょうどお昼の時間になったので、生駒さんも含め全員で昼食も兼ねて街歩きをしました。昼食は地域でも人気の中華のお店「川龍」でラーメンや冷やし中華を味わいました。
そして、最寄り駅の近鉄益生駅周辺を通過する電車を見たり、雑貨屋の「poe」に立ち寄り、お店のこだわりの絵本や雑貨を見たり、教室へ戻る帰り道にある「寿恵広」という和菓子屋で買った名物「アイスまんじゅう」やアイスキャンディーも堪能し、楽しい時間を過ごしました。



街歩きをした生徒さんの感想として、
・新旧の建物が混在しているのが印象的だった、現地でしかわからないことを知れてよかった。
・街歩き中に出会った地元の人や、アイスまんじゅうのお店のおばあちゃんが優しい人でよかった。
・雑貨屋さんにあったマトリョーシカの置物が気になった。雑貨の一点一点にこだわりを感じた。
・・・など、それぞれに感じたことを話されていました。



教室に戻ってからは、生徒さんに今回の授業を通じての感想共有や自分の中の「好き」や「やってみたい」を見つめて、具体的にしたいことやはじめの一歩にできそうなことを考えて発表してもらいました。

発表された内容としては、
・お店を経営する人は利益のためにグイグイ攻める印象があったけど、生駒さんのようなタイプの人もいるのだなと思った。生駒さんの人徳があってこその事だなと思う。
・相手も自分も楽しめる仕事ができたらいいなと思った。今日はそのための様々なヒントをもらえて良かった。
・ゴミ拾いは健康にもよさそうだし、自分も通勤の途中でやってみようと思った。

といったことをお話されていました。



最後に今回の先生をしてくださった生駒さんの締めの言葉として、
「私は街を盛り上げるとか、そういうつもりはなくて、単純に自分が今いる場所が楽しくなればいいなっていう想いでやっています。あくまで自分の今いる環境をよりよく楽しくするっていうことであれば、誰でもどんなことでも通じることかなと思うので、そういう意味で今日の授業が何かのきっかけになってくれたらと思います。」
と話されていました。

今回の授業を通じて、生徒さんたちは生駒さんの人生経験や考え方に触れ、多くの学びと気づきを得ることができました。生駒さんの「自分の今いる環境を楽しくする」というメッセージは、この授業に関わった全員の心に響いたと思います。今回の授業を期にそれぞれに何か新しい発想が生まれたらいいなと思います。素晴らしいお人柄とともに、とても深いお話をしてくださった生駒さん、ありがとうございました!

レポート:河津一輝
カメラ:大野嵩明

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

生駒郁代 /

会社員時代にNPO法人「大ナゴヤ大学」に出会い、まちづくりの世界へ。その後「まちづくり」と「バックオフィス業務改善」の二刀流で働く。孤独すぎる産後生活を経験し、「家から歩ける範囲(=半径200メートル)の世界を豊かにする」事を決意。その活動の一端として、売らないビンテージショップ「Fukumochi vintage」を立ち上げる。

今回の教室

Fukumochi vintage

住所:〒511-0056 三重県桑名市西矢田町35

アクセス:
近鉄「益生」駅より徒歩11分

※駐車場はありません。近くのコインパーキングをご利用ください

地図を見る

Fukumochi vintageは、三重県桑名市にあるビンテージ古着を扱うお店です。
お餅屋さんを改装した空間で、皆さんが育てていくお店です。
「Our closet(みんなのクローゼット)」という言葉には、服を持ち帰り、また持ち寄ることで、関わる人の暮らしがより豊かになる場でありたいという思いがこめられています。

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OPEN   毎週水曜−土曜

CLOSE  毎週日曜−火曜
営業時間  11:00-15:00
(土曜は13:00から)