授業詳細

CLASS


優しく、易しい、ことばで伝えよう ―コミュニケーションを変える「やさしい日本語」を学ぶ―

開催日時:2025年07月12日(土) 10時00分 ~ 12時00分

教室:大ナゴヤ大学・事務所

レポートUP

先生: 山本麻紀 / 三重県地域日本語教育コーディネーター

カテゴリ:【国際/コミュニケーション/大ナゴヤの日】

定 員 :6人

※本授業は「大ナゴヤの日」の授業として企画しております。毎月第二土曜日は参加費無料の授業として開催しています。
※2025年7月11日(金)12時まで先着順でお申し込みを受け付けます。
※授業運営の都合上、申込後のキャンセルはご遠慮ください。しかしながら、体調面への不安などがある場合は、その限りではございませんので気軽にご参加ください。
「自分の思いや考えをもっとうまく伝えたい」
「はじめましての人との会話が少し苦手」
なんて思いを抱える、毎日のコミュニケーションをより良いものにしたいと願う人にオススメの「やさしい日本語」の授業を開催します。

「やさしい日本語」とは、誰が聞いても分かりやすいように工夫された日本語。
国籍、年齢などの違いをこえた意思疎通を助けてくれます。
そして、そんな「やさしい日本語」のことばづかいや考え方には、他の人に「優しく」「易しく」伝えるためのヒントがたくさん隠れています。
今回の授業では、表面的な言い回しだけでなく、コミュニケーションでなにを意識するといいかも学びながら、あなた自身の伝え方を見直してみましょう。

先生は、日本で暮らす外国人の支援に携わる山本麻紀さん。さまざまなワークも織り交ぜながら、実践的に「やさしい日本語」のポイントを教えていただきます。
ちょっとした思いやりやことば選びの違いが、暮らしの心地よさをグッと高めるきっかけになるはず。次の日からすぐに役立てられる、やさしいコミュニケーションを一緒に学びませんか。

<スケジュール>
9:45 受付開始
10:00 授業開始
10:05 自己紹介
10:15 「やさしい日本語」を学ぼう
   ・“優しい気持ち”を持つことができている?
   ・“易しいことば”をつかってみよう
11:55 集合写真
12:00 終了

【授業コーディネーター】
小林優太
「やさしい日本語」をテーマにした体験型授業が開催され、30代から70代までの幅広い世代6名が参加しました。先生は、三重県地域日本語教育コーディネーターの山本麻紀さんです。外国人とのコミュニケーションに悩みを持つ人、言葉の伝え方に自信がない人、他者との関係をより良くしたいと考える人たちが集い、言葉と心の距離を近づける時間を過ごしました。



■「モヤッとする言葉」を振り返る
授業の前半では、参加者それぞれが「モヤッとした言葉」や「言って後悔した一言」を思い出し、ふせんに書き出しました。それを全員で共有し、「どう言えばよかったのか?」「どんな態度なら気持ちよく伝えられたか?」を話し合います。



このワークを受けて紹介されたのが「マイクロアグレッション」という考え方です。悪気はなくても、相手を傷つけてしまうこともありますよね。マイクロアグレッションに気づくことで、相手を思いやる視点を持ちやすくなると先生が丁寧に解説しくれました。
自分のやり取りを振り返り、「相手の立場に立って考える」「不用意な一言が与える影響に気づく」といった学びが生まれました。

■伝わる言葉の工夫を体験する
続けて、「やさ日三文クッキング」というゲーム形式のワークを通して、「“易しい”日本語」の考え方を体験しました。
例えば、「市役所」という言葉を「それぞれの市にある」「手続きや書類を出す場所」「建物が古い」といった説明に言い換えて相手に伝えます。「コンビニ」「味噌」といった普段よく使う言葉も、文化や背景を知らない人に説明するのは案外難しいのだと気づきました。



さらに、二人一組になって好きなものや昔流行ったものを「やさ日三文クッキング」で紹介してみると、世代や経験の違いからうまく伝わらないことも。それでも、一人ひとりが相手に伝わる言葉を探し、理解してもらえた時のよろこびがなによりの学びとなったと思います。
先生は、「ことばを使ってなにを伝えるか」だけでなく、「どう伝えるか」「どう受けとめるか」が大切だと繰り返し強調されました。
■「優しさ」とはなにかを問い直す
授業の中では「やさしさ」の意味について深く対話する場面もありました。
ある参加者は「年下から子どもに話すような口調で接されると不快に感じることがある」と体験談を語り、共感する人も多かったようです。
自分とは異なる他者のいろいろな「モヤっと」から、今までの自分のコミュニケーションを振り返り、言葉の受け取り方の違いについて気づく時間にできたのではないでしょうか。「モヤっと」とした気持ちを出し合った後には、「こういう時はどうしたらいい?」「こんな言い方はどうだろう?」と、参加者同士で「“優しい”日本語」について活発に話す様子もみられました。

■言葉は壁ではなく、橋になる
授業を通じて、多くの参加者が気づいたのは、「やさしい日本語」が特別な技術ではなく、だれもが日常で使える“思いやりのかたち”だということです。
そもそも、コミュニケーションから生まれる悩みは少なくありません。すれ違いや誤解の多くは、言葉づかいのちょっとした違いから起こります。「やさしい日本語」を身につければ、家庭の中、職場、友人関係、さらには国際交流の場でも、心の通うコミュニケーションが可能になり、悩みが減って、日々の楽しみがきっと増えていくでしょう。
そしてなにより、「優しさ」と「易しさ」に気づき、相手に伝わるよう努力することは、生成AIなど新たなツールが急速に進化する現代において、人間にしかできない貴重な力です。 “言葉におけるやさしさ”は、他人とよい関係を築くための土台であり、こうした学びは誰にとっても日常の中で必要なものだと強く感じました。
多様な人々が共に暮らす社会で、「やさしい日本語」は、言葉の壁を取り払うだけでなく、人と人とをやわらかくつなぐ“橋”となります。この授業は、その橋の一歩を踏み出すきっかけとなる、あたたかく実りある学びの時間でした。



レポート/おうやん
カメラ/にしむら

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

山本麻紀 / 三重県地域日本語教育コーディネーター

1993年岐阜生まれ。大学時代の留学中に出会った日本語学部の学生との交流をきっかけに、日本語教育の道へ。現在は三重県で、外国人と日本人が安心してつながれる場づくりや、多文化共生に関わる人材育成等に取り組む。言葉が壁ではなく、橋になるような社会の実現を目指す。

今回の教室

大ナゴヤ大学・事務所

住所:愛知県名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201号室
※地下鉄上前津駅 8番出口 徒歩3分程
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