授業詳細

CLASS


「団地のつづき」をどうつくる?高蔵寺ニュータウンで生まれ育った建築家と歩く〜リノベまちづくりで仕掛ける、『人生フルーツ』で描かれた夢のこれから〜

開催日時:2026年09月26日(土) 14時00分 ~ 16時00分

教室:高蔵寺ニュータウン

レポートUP

先生: 内藤 太一 / 一級建築士、設計室ないとう、ダンチテクツ

カテゴリ:【まちシル/まち歩き】

定 員 :15人

【参加費用】
お一人様:2,500円頂戴いたします(保険料含む)。集合時に現金でお支払いください。

【集合場所】
サンマルシェ UR賃貸住宅 高蔵寺営業センター前
※サンマルシェ南館内1階マクドナルドの隣です。


【解散場所】
グルッポふじとう


※当日はイヤホンガイドを使用します。ご自分のイヤホンをお持ちの方はご持参ください。
※申し込んだ授業をキャンセルされる場合、キャンセルポリシーに基づきキャンセル料が発生します。詳しくはこちらのQ&Aをお読みいただき、申し込み前に必ずご確認ください。

※本授業は、2026年9月25日(金)12時まで先着受付いたします。

「まちシル」とは、「歩くまちには、何がある?」をキャッチコピーに、まちを知ることを楽しむまち歩き形式のプロジェクトです。身近にあるまちのおもしろさを、さまざまな視点から見つめます。

今回の舞台は、まちシル初開催となる「高蔵寺ニュータウン」。
高蔵寺ニュータウンは、春日井市の東部に位置するまち。大阪の千里、東京の多摩と並ぶ、日本三大ニュータウンの一つで、名古屋圏の人口増加に対応するために新たにつくられたまちです。1968年に入居が始まり、現在も4万人を超える人々が暮らしています。

また、ドキュメンタリー映画『人生フルーツ』の主人公として知られる建築家・津端修一さんが、日本住宅公団(現在のUR都市機構)の社員として計画に携わり、風の通り道となる雑木林を残すなど、人にとっての豊かな住まいを目指した場所でもあります。
多くの人が憧れたニュータウン。時代とともに生活様式が変わる中、そこに暮らす住民や関わる人の手によって、まちは今も新たな姿を更新し続けています。

廃校になった小学校を活用した多世代交流拠点「グルッポふじとう」には、図書館やカフェが入り、子どもから高齢者までが自然に集う空間になっています。地域で活動する人たちのつながりから新しい取り組みも生まれるようになり、いきいきと暮らす人たちの様子が印象的です。また、現在は20〜30年先を見据えた新たなまちづくり構想を進めている時期でもあり、ニュータウンはさらなる変化を迎えようとしています。

そんなまちをご案内いただくのは、「団地のつづき」をコンセプトに活動する建築ユニット「ダンチテクツ」のメンバーである内藤太一さん。高蔵寺ニュータウンで生まれ育ち、現在もこのまちに暮らしながら建築設計事務所を構え、団地を活かしたまちづくりに挑戦されている方です。

まち歩きは、ニュータウンの中心にある商業施設「サンマルシェ」からスタート。高層棟から建物がずらりと並ぶまち全体を眺め、その後、団地ならではの風景の中を歩いていきます。地域の居場所「えがおの駄菓子屋」「グルッポふじとう」にも立ち寄ります。

また、今回は特別に「リノベーション前」と「リノベーション後」の団地の室内も見学させていただきます!
ダンチテクツのwebサイトによると、入居時に配られた『住いのしおり』には、「アパート生活は鍵の生活です」「近代的なステンレス・ナガシ」といった言葉が並んでいるそうで、当時の最先端の住宅だったことがわかります。
その頃の気配を感じることのできる住戸と、現代の暮らしに合わせて生まれ変わった住戸を見せていただくことで、時代の変遷やこれからの理想の暮らしを考えるヒントが見えてくるかもしれません。

住民であり建築家としての視点も持ちながら、まちに関わっている内藤さんと一緒に、高蔵寺ニュータウンの「過去・現在・未来」がつながる風景を歩いてみましょう。あなたの中の「団地」のイメージもアップデートされるかもしれません。


<当日のスケジュール>
13:45 受付開始(集合場所:サンマルシェ UR賃貸住宅 高蔵寺営業センター前)
14:00 授業開始・オリエンテーション
     自己紹介タイム
     高蔵寺ニュータウンってどんなまち?
14:20 まち歩きスタート!
「サンマルシェ」「高層棟」「リノベーション前の団地室内」「リノベーション後の団地室内」「えがおの駄菓子屋」「グルッポふじとう」などを巡ります。
15:40 振り返り・感想シェア
16:00 授業終了・解散(解散場所:グルッポふじとう)

【授業コーディネーター】水野 ゆな
9月最後の土曜日、まちシル初開催となる「高蔵寺ニュータウン」を歩きました。

今回まちを案内してくださったのは、高蔵寺ニュータウンで生まれ育ち、現在もこのまちで暮らしながら建築設計事務所を構える内藤太一さん。「団地のつづき」をコンセプトに活動する建築ユニット「ダンチテクツ」のメンバーとして、団地を活かしたまちづくりにも取り組まれています。

参加者は、高蔵寺に住んだことのある方、今回初めて訪れた方、別の団地に暮らしていて団地に興味を持っている方など、さまざまな興味や関心を持った方々が集まりました。
まずは、集合場所のUR賃貸住宅 高蔵寺営業センターで、地図を見ながら高蔵寺ニュータウンについて紹介していただきました。



大阪の千里、東京の多摩と並ぶ「日本三大ニュータウン」の一つである高蔵寺ニュータウン。7つの地区に分かれ、中央部に商業施設などを集約した「ワンセンター方式(センターコア方式)」を採用しています。
歩行者と車の動線を分けるペデストリアンデッキなど、まちの中には計画的につくられたニュータウンならではの工夫が随所に見られます。



まち歩きは、中央部にある商業施設「サンマルシェ」からスタート。
フードコートでは、会合をしている人や模型をつくっている人など、買い物や食事だけではないさまざまな過ごし方が見られるそう。商業施設でありながら、地域の人たちの憩いの場にもなっているというお話が印象的でした。
続いて向かったのは、「高層棟」。
上からまちを眺めてみると、地上を歩いているだけではわからなかった高蔵寺ニュータウンの構造や、起伏のある地形を活かして建物が配置されていることがよくわかります。晴れた日には、遠く名古屋駅周辺まで見渡せるそうです。






建物の近くにはジムがあり、1階には病院も。「ジム付きのタワーマンションみたい」という声もあるのだとか。かつてつくられた団地を、今の暮らしの感覚で見てみると、また違った魅力が見えてきます。




次に訪れたのは、団地の一角にある「えがおの駄菓子屋」。運営する毛利さんは、福祉の仕事に携わる中で業界のリアルに触れ、「自分に何ができるだろう」と考えたことをきっかけに、この場所を始めたそうです。この日は、地域の方々が麻雀を楽しむすぐそばで、小学生の子どもたちが遊ぶ姿も。2階には子どもたちが過ごせるスペースもあり、世代や立場を問わず、さまざまな人が同じ場所に集まっていました。
毛利さんのお話や活動からも、その人柄が垣間見えるようなあたたかな空間でした。





その後は、リノベーションなどをしていない「団地の室内」も特別に見学させていただきました。高蔵寺ニュータウンへの入居が始まった当時、コンクリート造の住まいやステンレス製のキッチンなどを備えた団地は目新しく、多くの人にとって憧れの存在だったそうです。





途中には、ドキュメンタリー映画『人生フルーツ』の主人公として知られる建築家・津端修一さんがかつて暮らしていた団地も紹介していただきました。
津端さんは、日本住宅公団の一員として高蔵寺ニュータウンの計画に携わった人物のひとり。まちに残る風景を実際に歩きながら、ニュータウンがつくられた当時の考えや、その後の変化についても伺いました。
次に、現代の暮らしに合わせてリノベーションされた2つの住戸も特別に見学させていただきました。同じ団地でも、棟によって窓の位置や間取りが異なり、内装が変わるだけでも住まいの印象は大きく変わります。
「団地」と一括りにしていたものが、実際に中へ入って比べてみることで、それぞれの暮らし方に合わせて選び、住み継いでいける場所として見えてきました。








そして最後に向かったのは、廃校になった藤山台東小学校を活用した多世代交流拠点「グルッポふじとう」。
館内には図書館やカフェ、地域包括支援センターなどが入り、普段から学生が勉強していたり、地域の方が活動していたりと、さまざまな世代の人が日常的に利用しています。
建物を新しくつくるのではなく、かつて学校だった場所を活かしながら、人や活動がつながり、新しいまちの居場所になっている様子を見ることができました。







かつて多くの人が憧れたニュータウン。
計画されてから半世紀以上が経った今も、住まいをリノベーションしたり、団地の一室に新しい居場所が生まれたり、廃校が地域の拠点になったりと、そこに暮らす人や関わる人たちの手によって、まちは少しずつ更新され続けています。
今回のまち歩きでは、内藤さんの建築家としての視点と、このまちで生まれ育った住民としての視点を通して、高蔵寺ニュータウンの「過去・現在・未来」を行き来するように歩きました。
すでにあるものを活かしながら、その先の暮らしをつくっていく。
内藤さんたちが掲げる「団地のつづき」という言葉の意味を、まちの風景やそこに暮らす人たちから感じる一日となりました。
案内してくださった内藤さん、特別に同行いただいた「ダンチテクツ」メンバーの酒井さん、お話を聞かせてくださった毛利さん、そしてご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。



レポート/水野ゆな
写真/菅原春香、北井さくら(まちシル部員)

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

内藤 太一 / 一級建築士、設計室ないとう、ダンチテクツ

高蔵寺ニュータウン育ち。現在はリノベーションした分譲団地に住んでいる。京都の大学で建築を学んだ後スイスに留学、現地事務所勤務を経て2010年に帰国。8年間のスイス生活において様々な価値観を学び、魅力ある古い建物を住み繋ぐことの豊かさを知る。地元高蔵寺ニュータウンの特徴である団地を活かすため、建築仲間と共に「団地のつづきプロジェクト」を進めている。 設計室ないとう ダンチテクツ

今回の教室

高蔵寺ニュータウン

住所:愛知県春日井市東部
地図を見る

愛知県春日井市東部にある日本三大ニュータウンの一つ。面積は約702ヘクタールで、7つの地区で構成されている。 日本住宅公団が手がけた最初の大型ニュータウンで、1968年の入居開始から続く歴史を持ちます。