授業詳細

CLASS


「〇(マル)長さんとカンパーイ!」 第8回ゲスト: 名古屋港水族館長 祖一 誠さん

開催日時:2012年09月22日(土) 16時30分 ~ 19時00分

教室:名古屋港水族館

レポートUP

先生: 祖一 誠 / 名古屋港水族館長

カテゴリ:【コミュニケーション】

定 員 :30人

※1:本授業の抽選は2012年9月13日(木)に行います。(抽選予約受付は9月13日(木)13時までとなります。)
※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2012年9月17日(月)20時まで、先着順でお申し込みを受付いたします。
※3:受付は16時15分からとなります。 受付場所は北館入り口となります。
※4:15時にお越しいただけますと、その場でチケットをお渡しでき、受付時間まで水族館を自由に楽しんでいただけます。
※5:本授業は入館料お酒・おつまみ代として2,500円が必要となります。(※年間パスポートをお持ちの方は、事前にお申し出下さい。
授業料から入館料を差し引いた500円で参加して頂けます。事前にご連絡いただけませんと、当日入館料もお支払い頂く事となりますのでご注意下さい。)
※6:飲酒運転は法律で禁止されています。お車でのお越しはご遠慮ください。
※7:未成年者やお酒の弱い方は、授業へのご参加はご遠慮下さい。





大ナゴヤ圏で活躍しているさまざまな「○長さん」をゲストにお呼びして、
ビールを片手にチャレンジを積み重ねるトップランナーにお話を聞くという
大好評企画「○長さんとカンパーイ!」。第8回はおなじみ、名古屋港水族館で
開催いたします!

もちろんゲストは、名古屋港水族館館長 祖一 誠さん。
水族館に行ってもなかなかお会いすることが出来ません!そんな祖一館長には、
子供の頃の思い出や、学生時代の経験、就職してからのシャチ事件!?など、
今の祖一館長を作り上げている様々な経験のお話しを聞かせて頂きます。

そしてやっぱり水族館!館内だって色々見てみたい!そうですよね。
という事で、館長さんとカンパーイの前に、短い時間ですが大ナゴヤ大学だけの
特別ツアーをして下さることになりました!こちらもどうぞお楽しみに。

水族館を楽しみ、ビール片手に館長さんの話しを聞き、最後にはみんなで
これからの水族館の事を考えてみましょう。子供から大人まで夢中になる
水族館。もっともっと楽しめるはずです!

まだまだあつーい日が続きますが、ぜひ水族館で癒されながら、みんなで
カンパイして楽しく過ごしましょう~!

15:00 水族館事前見学希望者受付
16:15 受付
16:30 スタート・司会あいさつ・20秒自己紹介・アサヒビールさん挨拶
16:40 水族館ツアースタート
17:30 そのまま会場まで移動
17:40 カンパーイ!
17:45 館長さんのお話し
18:30 ワークショップ
18:45 発表
18:50 館長さんまとめ
18:55 アンケート・集合写真
19:00 終了



「〇長さんとカンパーイ!」は、大ナゴヤ大学とアサヒビール株式会社 中部統括本部とのコラボレーションによる授業です。

●これまでの「○長さんとカンパーイ!」授業

■第1回「MERRY PROJECT水谷孝次社長」
(※授業の様子がわかるPhotoback写真集)

■第2回「東山動物園小林弘志園長」

■第3回「グルマンヴィタル鈴木政裕社長」

■第4回「愛知県知事選挙立候補者(大村秀章、重徳和彦、御園慎一郎、薬師寺道代、土井敏彦)
(※授業の様子がわかるPhotoback写真集)

■第5回「名古屋テレビ塔株式会社 大澤 和宏社長」

■第6回「日本ベルギービール・プロフェッショナル協会 三輪 一記理事長」

■第7回「INAXライブミュージアム 館長 辻 孝二郎さん」


【アサヒビール株式会社】
1889年創業。1949年の大日本麦酒株式会社の分割により設立。
1987年「アサヒスーパードライ」を発売。
スーパードライの大ヒットにより1998年国内ビール市場占有率1位に躍り出る。
2001年から「本生」で発泡酒を発売。2005年から所謂第三のビール市場にも参入。

■ アサヒビール株式会社オフィシャルサイトへ
アサヒビール株式会社



(授業コーディネーター / 岡本 ナオト)

真っ正面には南極観測船「ふじ」。
そこから遠くに目を向けると、橋のアーチが見え、
そして、近くに目を向けると、家族連れなど、人々が楽しげに集う。

名古屋のオフィス街とは違う、「穏やかな」風景。
これが、今回の授業会場から見る事の出来た景色でした。

9月22日、アサヒビールさんとのコラボレーション授業で、授業中にビールが飲めてしまう、
「○(マル)長さんとカンパーイ!」授業が行われました。シリーズとしては、第8回目の授業です。

末広がりの「8回目」の授業の舞台は、冒頭の景色が広がる、「名古屋港水族館」!!

今回の授業は、名古屋港水族館の祖一 誠 館長のお話を「ビールを飲みながら」伺うという事に加え、
「館長さんとカンパーイ!」の前に、大ナゴヤ大学だけの水族館特別ツアーまでしてしまうという、
ちょっと贅沢な内容となりました。

参加して頂いた生徒さんの動機も様々で、もう名古屋港水族館には20回は来ているという「水族館
ファン」の方もいらっしゃれば、「60年ぶりに来ました!」という方、そして初めて
名古屋港水族館に来たという方も・・・。

中には、水族館が苦手だったんだけど、1度別の水族館に行って大丈夫だったから、本当に水族館を
克服できたかどうか確かめる為に来たという方もいらっしゃいました。

そして、アサヒビール広報の清水さんの「新しい感動を次々と!!」というあいさつの後、早速、
「大ナゴヤ大学だけの水族館特別ツアー」がスタートしました。

ツアーの中では、シャチを見学し、ベルーガの可愛さに癒され・・・といった感じでしたが、中でも
圧巻だったのが、「マイワシのトルネード」!!

大量のマイワシが左から右へ、下から上へと群れを成して泳いでいる様は、映画にも負けない迫力が
あり、BGMもマイワシが泳いでいる様子にマッチして、とても綺麗なものになっていました。泳いで
いるマイワシの体が、キラキラと輝いていたのが、本当に美しかった。

そんな素晴らしいトルネードを見た後は、トルネードの「舞台裏」を見学する為、普段はなかなか
出来ない事ですが、水槽の上に。

ここでは、水族館の水槽を上から見ながら、トルネードの起こる仕組みを伺いました。しかし、実際
の水槽の環境は、人間ではなく魚に合わせたものです。よって、湿度が高い。「水鳥は水面で
は優雅に見えるが、水面下では激しい動きをしている」と言われますが、正にその通りの場所でした。

これで、「水族館特別ツアー」は終了。そのまま、「カンパーイ!」会場に移動し、いよいよ、今回
の授業のメイン、「祖一館長のお話を、ビールを飲みながら伺う」時間です。

祖一館長の、「南アフリカのケープタウンから帰ってきたばかりですけど・・・。」という一言から、
この付近で南極からの冷たい海流と、インドからの暖かい海流がぶつかる事によって、プランクトンが
大量発生する事でマイワシも大量発生するのですが、それによって起こるサーディン・ランを少しでも
再現しようとして企画したのが、「マイワシのトルネード」だという「トルネード制作秘話」があり
まして、いよいよ

「カンパーイ!!」

ここからは館長と、港まちづくり協議会の古橋さんとのトークショー形式で授業が進んでいきます。

「南アフリカにもサウスアフリカンビールっていうのがありますけど、日本のビールはいいですね!!」
という館長の一言もありつつ、まずは、館長の幼少・大学時代の話から、授業がスタートしました。

兵庫県三木市出身の祖一館長。幼少時代から生き物が好きで、よく魚や虫などを捕って遊んでいた
そうです。そして、大学は、「土地よりも水がいいかなぁ~」と、鹿児島大学の水産学部に。

「当時の水産学部は漁業学科という、いわば船長を育てる事がメインだったんです。遠洋航海の寄港地
であるハワイが日本の憧れの地だという事もあって、そこを選ぶ人が結構いて・・・。」

「そんな中、大学を受験する頃に、『魚を獲る時代から、作る時代へ』という転換期が訪れまして、
国が養殖に力を入れるようになりました。勿論、海が好きという事もあったんですが、養殖に興味
がわき、当時、その最先端だった鹿児島大学の増殖学科に進学したんです。」

そして、大学在学中は、サークルや調査の為にダイビングばかりやっていたそうで。

「当時はダイビングというよりは、素潜りでしたね。」

「それで、自然に茶髪になっていましたが(笑)・・・。」

「けど、サンゴ礁などの海底の景色にハマって、サークルで何度も何度もダイビングしてましたね。」

調査の為に与論島に行き、ダイビングしながら調査はできたけど、海が荒れて予定通りには帰れず、
大学の卒業式に出られなかったという事もあったそうです。

因みに、館長は還暦を迎えた時に「スキューバダイビングを再開する!」と、みんなの前で宣言された
様で、それ以降は、「1年ずつ若返る様にしたい」という事で、館長は現在「自称55歳」なんだそう
です。

そして、大学を卒業し、館長が就職したのが、「鴨川シーワールド」。この「鴨川シーワールド」
への就職は、知人の紹介で、軽い気持ちで返事をしてしまったのだとか。

さらに、当時の「鴨川シーワールド」はオープン前の状態だったそうです。

「(当時の環境は)事務所はプレハブで、ふすま1枚開けたら畳があって、そして壁にはホワイト
ボードがあって、スコアが書いてあるんですよ。麻雀の(笑)。」

そんな中、館長は、「鴨川シーワールド」の立ち上げに奔走する訳ですが、ここでは、当時の
記事をスクリーンに映しながらの話となりました。

「東京湾にシャチの群れが迷い込んだという知らせが来て。当時は、新聞ではゴンドウ
クジラになってしまっていましたが(笑)。周囲の労働者たちは、仕事そっちのけで追いかけ
回していましたね。」

スクリーンには確かに、シャチがゴンドウクジラとしてセリにかかっている記事が。
当時ならではの記事ですねぇ~。今、こんな記事が出たら、多方面から怒られそうだ(笑)。

そして、ヘリコプターまで使う様な、大がかりなシャチ捕獲作戦が決行される訳ですが・・・。

「(シャチを追い詰めた後)みんなどうしていいか分からなくて、周囲が揉めている中、気づけば、
私たちだけが、ウェットスーツを着ているんですよ。周囲の目線が(笑)・・・。」

「ウェットスーツ着てんだから、早く行けよ」という無言のプレッシャーは、館長にとっても
辛かった事でしょう。しかし、この一件で館長は、水族館の魅力に取りつかれ、シャチの賢さと
いうものに気付いたのだそうです。

「(シャチは)モーター音によって、自分たちを捕まえようとする魚船なのかどうかを判断していて、
捕まえようとする漁船には近づいてきませんでしたね。」

「網についても同じで、ミスは2度と繰り返しませんでしたね。」

この様な苦労の中、シャチもどうにかアメリカから譲り受ける事が出来、鴨川シーワールドが
オープンします。そして館長は、そこで定年まで勤め上げた後、名古屋港水族館にやってきます。

「水族館の役割としては、調査研究の役割・教育機関としての役割・種の保存の役割、そして、
レクリエーションとしての役割の4つがあると思います。私がここに来て思ったのは、調査研究や
教育機関としての役割は出来ていると思いますが、種の保存とレクリエーションの役割、
ここが弱い・・・と。」

「特にレクリエーションですが・・・楽しくないねぇ(笑)。」

そう考えて、館長が実行した事は・・・。

「ファミリーを対象に、水族館に泊まる企画」や、
「館内でのフラッシュ撮影を可能にする」など。

つまり、楽しく生き物を学べる「エデュテインメント」の実現を図ってきたという訳です。

因みに、「ファミリーを対象に、水族館に泊まる企画」は、告知して、1週間で締め切りになった
とか。そして、「どこで(ファミリーの皆さんは)寝たんですか?」という古橋さんからの
質問には、「トルネードの水槽の前(笑)」という館長からの答えが返ってきました。

館長は最後に。

「小学校~高校・大学と『心に残っている授業』っていうのは、あまり多くないだろうと思います。
ですが、生き物に接した時には、その事が一生記憶に残る事が多いんです。そして、その衝撃で、
自分の進路が変わる事だってあります。」

「(名古屋港水族館が)20周年を迎えて、シャチの繁殖にも力を入れたいですし、新しい南館を
これからどう作っていくかも考えていきたい。名古屋港水族館をもっと楽しくする為に、色々な
アイディアを考えたいです。」

特に、「生き物に接した時には、その事が一生記憶に残る事が多い」というのは、館長ご自身の経験
に基づく事なんだと感じつつ、ここで、館長と古橋さんとのトークショー形式での授業が、一区切り
つく形となりました。

この後は、「もっと名古屋港水族館を楽しくする為に、これからどうするのか?」というテーマでの
ワークショップに入りました。

参加された皆さんも、程よくアルコールが入っている事もあってか、短い話し合いの時間でしたが、
とても充実した話し合いをしていました。そして、話し合いの結果を発表していきましたが、どれも
短い時間の話し合いとは思えないくらいの力作揃いとなりました。

「南館に華を!!」をテーマに、「南館に人気者を増やして欲しい!!」と主張するグループも
あれば、

「生物にまつわる実体験を!!」という事で、「魚を釣った後の飼い方、食べ方を教えて欲しい!!」と
いうグループも。

また「食卓と海を繋ごう!!」という事で、「食育に力を入れる為にも、水槽の前で食事がしたい!!」と
いうグループや、

果ては「生物との距離感をゼロにしよう!!」と訴えたグループは、「名古屋港駅から、ペンギンにお出
迎えをして欲しい!!」という意見まで。

この様に、全体ではバラエティーに富んだ、楽しい発表となりました。

そして、「(今回の意見は)予想の範疇で、子供たちにこの様な事をやってもらったら、もっと
シャレにならない意見が出てきた(笑)」という、館長ご自身の言葉に通じる事だったのかも知れませんが、
発表中、優しい目をしたまま、うんうんと頷いて聞いている館長の姿が印象的でした。

最後は、全員で記念写真を撮り、その後は、「閉館時間後で、暗い中の水族館を出る」という、これも
普段ではなかなか出来ない事をして、授業終了!! お疲れ様でした!!

祖一館長の元、今後も楽しいスポットになるであろう「名古屋港水族館」。アサヒビール広報の
清水さんも仰っていましたが、この名古屋港水族館、「2012年 行って良かった水族館ランキング」で、
第4位に輝いたんだそうです。

季節も秋にさしかかり、外出もしやすいシーズン。ぜひ一度、足を運んで頂きたいです。

(ボランティアスタッフ:オカ ヒデアキ)

■授業の様子をYouTube(大ナゴヤ大学 管理)に掲載しました。
 宜しければご覧ください。 ⇒http://youtu.be/HasvKwhfSSI

※写真をクリックすると拡大します。


 

この授業への皆さんからのコメント

1. 北館ができてからは初めて行きましたが、一番好きなのは回遊魚の水槽です。普段見れない上から水槽を見れましたが、やはり美味しそうな魚たちに釣り糸を垂れたらとよからぬ想像をしてしまいました。
2012年09月24日(月) 11時45分(天道虫)
2. 天道虫さん
それはよからぬ想像ですね!でも一匹くらい・・・、とおもっちゃいますよね。

それにしてもマイワシのトルネードは圧巻でした!感動で少しうるっときてしまいました。
2012年09月25日(火) 13時56分(岡本ナオト【授業コーディネーター】)
ご質問・ご感想など、コメントをお書きください。
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先生

祖一 誠 / 名古屋港水族館長

昭和22年5月9日生まれ。兵庫県三木市出身 経  歴 昭和45年   鹿児島大学水産学部卒業         鴨川シーワールド入社 平成11年   鴨川シーワールド水族館長就任 平成19年   鴨川シーワールド顧問就任(国際海洋生物研究所長兼務) 平成20年6月 財団法人名古屋みなと振興財団顧問就任 同年11月1日 財団法人名古屋みなと振興財団常務理事就任 専門分野:水棲生物の飼育・展示、魚類の生態(繁殖、行動、食性等)

今回の教室

名古屋港水族館

住所:〒455-0033
名古屋市港区港町1番3号

名城線金山方面「名古屋港」行き、終点下車
名港線「名古屋港」行き、終点下車

地図を見る

名古屋港水族館は平成4年(1992年)にオープンした南館と平成13年(2001年)に完成した北館の2つの施設からできています。
南館の展示テーマは「南極への旅」です。それは名古屋を出発し南極に至る地球を縦断する旅の中で出会うさまざまな海の環境を5つに分け、「日本の海」「深海ギャラリー」「赤道の海」「オーストラリアの水辺」「南極の海」の飼育展示です。(飼育生物:約530種 約37,000点)
北館の展示テーマは「35億年はるかなる旅-ふたたび海へもどった動物たち」です。大洋、日本の海、オーロラの海、進化の海(くじら博物館)の4つの展示ゾーンに分かれ、海棲哺乳類の進化の歴史をたどります。(飼育生物:シャチ3頭、ベルーガ5頭、バンドウイルカ15頭、カマイルカ3頭、ゴマフアザラシ2頭)


■ホームページ■
http://www.nagoyaaqua.jp/