授業詳細

CLASS


縁(へり)から知る名古屋城〜三の丸・「外堀」・御深井大堀(水堀)〜

開催日時:2025年08月17日(日) 10時00分 ~ 11時30分

教室:名古屋城本丸御殿 孔雀之間

レポートUP

先生: 木村 有作 / 名古屋城調査研究センター 学芸員

カテゴリ:【城子屋/歴史・文化】

定 員 :35人

※本講座は、名古屋城主催の「城子屋」プログラムです。
※参加費:無料(別途名古屋城観覧料が必要)
※申し込み開始日時は2025年7月16日10時です。
※申込みは当ページ「この授業に申し込む」から。2025年8月14日(木)12時00分まで(先着順、満席になり次第締切)。

※講座当日の受付場所は名古屋城本丸御殿ミュージアムショップ横(天守閣側)です。
※会場は和室のため、座布団にご着席いただきます。机の用意はございません。
名古屋城とつくる学びの場「学びでつながる城とまち。城子屋」。
歴史、芸能、文化、さらには最新の考古学調査など、さまざまな切り口から名古屋城や尾張藩を学ぶ、名古屋城主催の講座です。

講師を務めるのは第一線で活躍する研究者や伝統を受け継ぐ人、名古屋城の調査研究に携わる現役学芸員の方々。現在名古屋城で進行中の調査等を発表する講座もあります。
本丸御殿・孔雀之間で、名古屋の「城」と「まち」について学びを深めていきましょう。

写真に写るのは、夕日に照らされる「御三階櫓」と御深井大堀。
今回の講座で注目するのは、名古屋城の“縁(へり)”です。
講師を務めるのは名古屋城調査研究センター学芸員の木村有作さん。同センターのほか名古屋市見晴台考古資料館や名古屋市教育委員会文化財保護室などで学芸員を務め、「ブラタモリ」に案内人として登場経験もある方です。

木村さんの案内のもと、普段あまり語られることのない、外縁部について、主に考古学的な成果や観点から考えることで名古屋城の魅力を掘り下げます。


【スケジュール】
9:30 受付開始
10:00 講座開始
11:30 終了

主催:名古屋城(名古屋市)
運営:大ナゴヤ大学

【城子屋】
かつて読み書き算盤を学ぶ「寺子屋」が地域に開かれていたように、名古屋城をまちに暮らす人たちの学びの場とするプログラムです。城やまちに関する知識を深められる、老若男女誰もが参加できる場をつくります。


【過去開催した講座】
・尾張名古屋における菓子文化の歴史と発展【和菓子・お茶付き】
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/726

・名古屋城本丸御殿障壁画の裏と中 修理からわかること
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/720

・尾張藩主の日々の暮らし -名古屋城、江戸屋敷での生活を探る -
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/721
2025年8月17日、城子屋「縁(へり)から知る名古屋城 三之丸・『外堀』・御深井大堀(水堀)」が、本丸御殿孔雀之間で開催されました。講師は名古屋城調査研究センター学芸員の木村有作さん。NHKの「ブラタモリ」で名古屋城の案内人を務めたご経験もある方です。



木村さんはまず、「今回は『<へり>かあ。<へり>はいいねえ』からのお話」と説明します。ちなみに、この『<へり>はいいねえ』は「ブラタモリ」でのタモリさんの言葉だそうです。名古屋城の縁(へり)のあたり、すなわち外縁部や外側も含めて鳥瞰的にお城を見るとどんなことが判るのでしょう。



最初に、「名古屋城の広さを知る」として、名古屋の地形や地質、名古屋城の各エリアの広さなどが紹介されました。本丸、二之丸、西之丸、三之丸、御深井丸、御深井御庭に分けられる名古屋城。広大な三之丸は他の城郭と比べてもあまりないものだといいます。徳川と豊臣の対立の末期につくられた名古屋城。戦の際に大勢の兵が集まる拠点となるよう、あるいは、遠距離から本丸を砲撃できなくするように、広い三之丸が設けられたのです。城下町を堀や土塁で囲む惣構(そうがまえ)までは実現しなかったものの、城の全体図から時代背景が窺えます。



続けて、名古屋城の門について。まさにお城の縁に位置する門が、どのように設置され、どのように使われていたのか。さらに、それらの門がどう姿を消したのか。さまざまなエピソードが史料とともに語られます。例えば、地名に残る「東片端(ひがしかたは)」は、現在の交差点の場所とは異なる、かつての名古屋城の東門あたりの堀端を指していたと思われることなどです。



さらに後半では、三之丸などで行われた発掘調査についての話題へ。IGアリーナ建設前に行われた御深井御庭周辺の発掘では、江戸時代の池の溝の跡が見つかっており、また窯道具が出土したことから近くに窯が存在したことが明らかになりました。
お城の真ん中から見るだけでなく、周りにも好奇心を向けていくと、空間的な視点が広がり、さらに時間的な変遷も想像しやすくなります。名古屋城への特徴の本質を捉えながら、次の世代へどう引き継いでいくかを考えていくのだとまとめられました。参加者のみなさんにとっては、これからお城の周りを見て回る際の新しい楽しみが増えたのでは。

カメラ・レポート/小林優太

※写真をクリックすると拡大します。


 

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先生

木村 有作 / 名古屋城調査研究センター 学芸員

1956年、愛知県生まれ。同志社大学大学院文学研究科修了。名古屋市見晴台考古資料館学芸員、名古屋城管理事務所学芸員、名古屋市教育委員会文化財保護室学芸員を経て現職。

今回の教室

名古屋城本丸御殿 孔雀之間

住所:〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1−1
※教室は和室です
地図を見る

徳川家康の命によって建てられた、尾張徳川家の城・名古屋城。その一角をしめる本丸御殿は、尾張藩主の住居かつ藩の政庁として1615年(慶長20)に完成。1945年(昭和20)、空襲により残念ながら焼失し、永らく復元が待ち望まれてきました。幸いなことに、江戸時代の図面や記録、昭和戦前期に作成された実測図、古写真などが残されていたため、2009年(平成21)から復元工事を開始。第一級の史料をもとに、他では類を見ない正確さで忠実に復元を進めてきました。2018年(平成30)には、江戸幕府将軍家光の宿泊のために建造された最も格式が高い「上洛殿」や「湯殿書院」が完成し、その優美な姿を公開しています。