授業詳細
CLASS

名古屋城三の丸遺跡−調査成果から土地の移り変わりを考える−
開催日時:2025年11月22日(土) 10時00分 ~ 11時30分
教室:名古屋城本丸御殿 孔雀之間
レポートUP
先生:
濵﨑健 / 名古屋市教育委員会文化財保護課 学芸員
カテゴリ:【城子屋/歴史・文化】
定 員 :35人
※参加費:無料(別途名古屋城観覧料が必要)
※申し込み開始日時は2025年9月10日10時です。
※申込みは当ページ「この授業に申し込む」から。2025年11月20日(木)12時00分まで(先着順、満席になり次第締切)。
※講座当日の受付場所は名古屋城本丸御殿ミュージアムショップ横(天守閣側)です。
※会場は和室のため、座布団にご着席いただきます。机の用意はございません。
歴史、芸能、文化、さらには最新の考古学調査など、さまざまな切り口から名古屋城や尾張藩を学ぶ、名古屋城主催の講座です。
講師を務めるのは第一線で活躍する研究者や伝統を受け継ぐ人たち。名古屋城の調査研究に携わる現役学芸員が、現在進行中の取り組みに関する報告を発表する講座もあります。
本丸御殿・孔雀之間で、名古屋の「城」と「まち」について学びを深めていきましょう。
今回の城子屋で取り上げるのは、名古屋城三の丸遺跡の発掘調査。
20地点程度の発掘調査が実施される名古屋城三の丸は、江戸時代には尾張藩士の屋敷地でした。
そのため、発掘調査によって多くの遺構・遺物が出土しました。
今回の講座ではその成果の一部と、時代ごとの移り変わりについて紹介します。
【スケジュール】
9:30 受付開始
10:00 講座開始
11:30 終了
主催:名古屋城(名古屋市)
運営:大ナゴヤ大学
【城子屋】
かつて読み書き算盤を学ぶ「寺子屋」が地域に開かれていたように、名古屋城をまちに暮らす人たちの学びの場とするプログラムです。城やまちに関する知識を深められる、老若男女誰もが参加できる場をつくります。
【過去開催した講座】
・尾張名古屋における菓子文化の歴史と発展【和菓子・お茶付き】
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/726
・上空のまなざし、地上の記憶 〜名古屋城が燃えた日〜
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/739
・縁(へり)から知る名古屋城〜三の丸・「外堀」・御深井大堀(水堀)〜
https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/738

名古屋城三の丸遺跡は、現在の名古屋市中区三の丸に位置する、名古屋城外堀内側の曲輪にあたる三之丸のほぼ全域を対象としています。江戸時代だけでなく、弥生時代、古墳時代、古代、近世、近代までの遺構が残る複合遺跡です。1987年から現在まで、約20箇所の発掘調査が行われてきました。
前半は、主に第1次、第3次の発掘調査について。現在の名古屋市公館あたりから江戸時代の遺構・遺物が大量に出土しました。幅約8mの道路や道を横断する溝の遺構から、かつてどのように区画が整理されていたかが分かるそうです。さらに、それぞれの敷地を拝領したのが誰だったか、その変遷にも触れられます。江戸時代の名古屋城近辺の様子が、どのような遺構を手がかりに鮮明にされていくのか、具体的な事例を踏まえて理解を深められました。

後半は、2016年から実施された第12次発掘調査が取り上げられます。調査区の西側は附家老竹腰家の敷地であり、関連する成果が期待されました。結果、御太鼓櫓筋(おんたいこやぐらすじ)とされる道路状遺構や、屋敷の地下室と思われる大型の土坑などが出土。御太鼓櫓筋は、二之丸にあった太鼓櫓から南へ伸びる道であり、遺構から道幅などが明らかになりました。各時代の絵図の比較も示され、とりわけ幕末の絵図を見ると、おおよその区割りは現在と同様でありつつも、道路の幅が広がっていることが分かります。

道路状遺構が出土したのは、この第1次、第3次、第12次の調査のみ。道路の位置が大きく変化していない場所も多いため、道路状遺構が確認されるのは稀だといいます。道路や溝などが検出されれば、かつての土地の境目がうかがえ、空間を再現できます。そして、区割りに基づいて遺物を分析することで、当時の生活や経済の状況への解像度が高くなるのです。
全国的にも江戸時代の発掘調査が始まってから50年程度だそうです。なかなか知る機会のない発掘調査について、成果を詳しく聞きながら、その意義を実感する機会になったのではないでしょうか。

カメラ・レポート/小林優太
先生
濵﨑健 / 名古屋市教育委員会文化財保護課 学芸員
令和2年度入庁。令和6年度まで名古屋城調査研究センターに所属し、西之丸の発掘調査や搦手馬出の発掘調査を担当。専門分野は中世・近世考古学。名古屋城下町と江戸城下町の違いや京都や大坂に存在する尾張藩関連遺跡と名古屋城の関係性について研究する。 現在は名古屋市教育委員会文化財保護課に所属し、志段味古墳ミュージアムの事業等を担当。
今回の教室
名古屋城本丸御殿 孔雀之間
住所:〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1−1
※教室は和室です
地図を見る
徳川家康の命によって建てられた、尾張徳川家の城・名古屋城。その一角をしめる本丸御殿は、尾張藩主の住居かつ藩の政庁として1615年(慶長20)に完成。1945年(昭和20)、空襲により残念ながら焼失し、永らく復元が待ち望まれてきました。幸いなことに、江戸時代の図面や記録、昭和戦前期に作成された実測図、古写真などが残されていたため、2009年(平成21)から復元工事を開始。第一級の史料をもとに、他では類を見ない正確さで忠実に復元を進めてきました。2018年(平成30)には、江戸幕府将軍家光の宿泊のために建造された最も格式が高い「上洛殿」や「湯殿書院」が完成し、その優美な姿を公開しています。